出勤、退勤、いずれも自由、休日をいつ取るかまで全てFREEの身となった私は、面倒な上司もいないチリ紙交換業を大いに楽しんでおりました。
とは言え、朝は大体9時頃には仕事を始め、昼頃に最寄りの「餃子の王将」でチャーハンとギョーザ2人前を食べ、夕方まで仕事してました。、突然夜間早朝に呼び出されてしまう今の生活よりも規則正しい生活をしていたのかもしれませんね。
チリ紙交換になって最初に驚いたのは、チリ紙交換の主戦場である平日の昼間の住宅街が、女性と子供の街であるという事でした。あれから半世紀近く経つので、今は少しく違っているのかもしれませんが・・・・当時のチリ紙交換車は、女性と子供ばかりの街を騒々しく走って(ローギアでアクセル踏まず)おりました。追いかけて、声をかけてくれる方、即ちお客さんは100%女性でした。1年足らずの間でしたが、男性客の記憶が殆ど無いです。 例外として、友人とピクニックがてら田舎に遠征した時、全く成果が無かったので、こちらから「古新聞ありませんか」と訪ねて行った先の和尚さん。この時は色あせ風化した戦前からの超大量(40年分位)の新聞が出ました。
新聞って、一社一か月分約10㎏なのです。なので、1年で120㎏、40年で約5t
当時の軽トラ、350kg積でした。そのタイヤ圧を目一杯上げて、1t以上積んで走ることがままありました。このときも1t以上積んで2台で2往復したのですが、途中で何度かパンクして、荷物を一旦途中の公園の一角にデポ(一旦荷物を降ろして、後で引き返して荷物を取りに来ること)せざるを得ませんでした。超過積載ですね。40年以上前の事なので時効にして下さいませ!
また、チリ紙交換を辞める前、梅雨に入る前に、下宿に残されていた大量の蛍雪時代や全国大学入試問題正解を「お願いだから持って行って、邪魔でしょうがない」と言って見返り無しに「お宝の山」を私に分け与えてくれた大学生になって間もなかったあんちゃん。男性客って、その二人位しか記憶にございません。覚えていないだけかもしれませんが・・・ちなみに、当時のチリ紙交換は、覚えている限り全員男性でした。助手席に恋人と思われる女性を載せている羨ましい人を時々見かけましたが、女性のチリ紙交換は見たことが無かったです。
私、釣りが好きなのですが・・・チリ紙交換業って釣りに似たところもあるのです。今日はどの方面に行ったら、新聞がたくさん集まるだろうか、作戦を考えたりするのです。例えば、休日なら、平日は機織り機の音が煩くて「毎度おなじみチリ紙交換でございます」という声が聞こえにくい西陣地方を回るとか・・・・雨の日は、雨にぬれずに回収が出来る(客も自分も濡れない)オフィスビルを縦に回るとか・・・気分の良い春の日は、友人とピクニックがてら超田舎に遠征に行くとか、いろいろ考え、色々遊んでいました。新聞、雑誌、段ボールなどを重さで売るのですが、雑誌の中で重さで測る以上に高く売れる本が時々あります。ごくまれに貴重な本や貴重なマンガも出てくることもあるようですが、そんなのは実際にはほとんどなくて・・・実際に抜き出して売りに出してある程度の価格になるのは殆どがエロ本でした。その中でも高値で売れるのが特殊な趣味の方々の雑誌でした。
古新聞が束ねて結わえてあるのですが、そのふくらみが妙な時があります。見慣れてますから、普通じゃないのは一目瞭然。そんなときは少し車を走らせてから新聞の間に挟まれたブツを確認します。
タダのエロ本の場合もありますが、そこまでして捨てるのは、多くの場合、特殊な趣味の・・・ホモ雑誌、SM雑誌、夫婦交換の雑誌もありました「月刊ホームダイアモンド」これは高く売れました!色々な世界があるものですねぇ。
ごく普通の方が、「あんこ」の挟まった古新聞を捨てられるのです。「別世界」は、隣にあるのかもしれないなと思った次第です。今のところ、私はまだ別世界には興味が無いですが・・・・
新型コロナに自分が罹患したり、家族がかかった方が言われます。「つい先ほどまで、テレビの中の世界の話だと思っていたコロナの世界が、急に現実のものとなってしまって、本当にびっくりした。」レベルは違うでしょうが、ウクライナの方々も、日常生活をしていた空間が、いきなり戦場に変わってしまったことに、本当に驚いておられるでしょうね。
色々な意味で、想像を絶する事が、この世では簡単に起こってしまうのかもしれませんね。要するに、人間って何をするのか、しでかしてしまうのか、想像しがたい生物だというのが私の結論です。逆に言うと、現状の日常生活がいつまでも続くと思い込むように出来ているのかもしれませんね。だから、ヒトはいつか必ず一回は死ぬ と頭で分かっていても・・・現代では生きている人の半分近くががんに罹患してしまうと聞かされてはいても、「あなた、がんですよ」と言われると、皆さん間違いなく顔色を無くされるのでしょう。がんです ガーンという定型パターンは何時まで続くのでしょうかねぇ・・・
またまた横道にそれてしまいました。色々と面白い発見もあったチリ紙交換業だったのですが、大いなる転機に出くわしてしまいます。それは転機でしたが、天気でもありました。 続く
面白〜い(≧∇≦)
人生経験豊かですね
先生は有名人になって、、、医師をする暇が無くなるかもしれませんね。
人生の実話の方が小説よりずっと面白いですね。
、、面白く読んでいますが、、、自分の人生だったら、、、医師になって、過去をすべて、医療のデーターとして、人間丸ごと診れる医師になれては、、、いなかった事だけは確かです。先生は、、、自然体で、、、すごいことを
やってこられたのですね。過去を全部、肥やしにできているなんて、、、。人生丸ごと自分で歩く、、、自分が居る。
でもまぁ、振り返ると、ちょっと毛色の変わった人生を歩んできたのかなぁとも思います。経験を本にしたいのですが、文才が無いのが悔しいです。何とかならないかなぁ!!