新型コロナの職場、学校に対する陰性証明書について

新型コロナに関して、色々な証明書をくださいと言われることが多いです。

新型コロナに感染した後、感染して会社や学校を休んでいたことを証明する療養証明書。それを生命保険などの受け取り手続きに必要なので発行して欲しいと言われることがあります。

医療機関で発行することも可能ですが、有料です。（各医療機関で金額はまちまちです。（坂根医院は￥500ですが・・・￥1,000のところやそれ以上のところも・・・）

ですが、保健所では無料で発行してくれます。医療機関はこんなことに手を取られたくないのです。

https://www.pref.nara.jp/secure/263327/ryouyouannnai.pdf

普通のやり方だと、1か月以上かかることが多いようですが、ネットを使うと非常に速い様です。ネットを使う方法の一つがMyHERSYS を使うやり方です。

坂根医院で新型コロナ感染と診断された方は、全員その日にMyHERSYSの誘いが行き、ほぼ全員が登録され、使用されている様です。そのMyHERSYSを使うと非常に簡単に療養証明書が作成できるようです。

陽性証明は、以上の様に、殆どの場合問題なく作れます。

問題は、陰性証明書です。陰性証明も色々な種類の陰性証明があります。
海外旅行に行く場合等の陰性証明は、入国前48時間以内の証明が必要であるとか条件が厳しいこともありますが、ルールが明確なので、対応は比較的容易です。

我が坂根医院でも、英文の陰性証明書を既に何通か発行しております。ルールが明確なので、大した苦労はありません。

面倒なのが、会社や学校が勝手に決めたローカルルールの陰性証明です。

多くの場合、感染症に対して殆ど知識のない「会社の上の方の人」とか、「学校の偉いさん」が責任を負いたくない一心で、既存の書類を適当に貼り継して基本書類を作っていることが多く、支離滅裂なルールであることが多いです。

新型コロナの陽性者は有症状の場合、発症日から10日間経過し、かつ、症状軽快（解熱剤を使用せずに解熱し、呼吸器症状が改善傾向）後72時間経過した場合 、翌日から検査することなく療養解除となることが決められています。無症状の場合は検体採取日から 7日間を経過した場合 、翌日から検査なしに療養解除となります。

厚生労働省も、療養期間明けの検査をする必要はない　とはっきりとしたお達しを出しております。
https://www.mhlw.go.jp/content/000891476.pdf

療養期間明けにPCR検査をすると、陽性になることがしばしばあります。しかし、そんな場合でも、ほとんどの場合、感染性がない事が証明されております。（ほとんどの場合であって、皆無ではありません。）

　本日も、抗原定性検査では陰性でしたが、PCRでは陽性の方がおられました。陽性と言っても45/45（CT値45）　本当にギリギリの陽性でした。

どんな状況なのでしょうか？と、聞いたところ・・・実は7月4日に陽性反応が出て、COVID-19と診断されて14日まで自宅療養していたのだそうです。その後普通に生活されていたそうですが、本日、軽度の発熱があり、倦怠感も出現したため受診されたとの事でした。ちなみに職場ではクラスター感染が現在発生中との事でした。

　その方の住んでおられる保健所に問い合わせた結果、今回の陽性は、前回の感染の「名残」の様なウィルスの断片を増幅したと解釈しましょうとの事でした。それで、発生届は出さず、ご家族も濃厚接触者ではないという事になりました。経過は観察していきましょうねと言いました。

会社や学校の超ローカルルールの陰性証明は、意味不明の要求も多く、通常の発熱外来業務に支障を来す様な要求であることもあり、「当院では対応できません」「当院では対応しかねます」と、お断りしております。

悪しからず、ご了承ください。不毛な陰性証明、不毛な陽性証明、やめてください。　あなたの責任逃れのために日本の医療が壊れます。