命のカウントダウン(健康余命3605日)

トレッキング、カメラ、陶芸、スキー、釣り、カヌー、遊びなら何でも大好き。仕事も好き、時間がない!

元気をなくした理由

2022-11-18 00:04:24 | 坂根医院
このところの私自身、全くもって覇気を無くしています。
朝も起きられないし、何とかこうとか騙し騙し寝床を抜け出して重い体を引きずるように出勤しています。仕事は何とかこなしています。こんな時に限って朝から夜までずっとずっと忙しいです。通常の外来診療、発熱外来、新型コロナワクチン、インフルエンザワクチン、加えて特定健診なんてのも締め切りが近づいているので沢山来られます。そうそう、それに加えて、我が坂根医院は訪問診療を他の診療所よりも相当多く抱えていますので、昼休みは患者さん宅を飛び回っている状態です。仕事に追われている間はまだ、何とかシャンとしているつもりですが、仕事を終えると家に帰るのもけだるく感じる程疲れています。砂浜に打ち上げられたクラゲみたいに感じます。

10日ほど前から、こんな状態が続いています。
原因は、はっきりしています。
その前に出席した(させられた)「集団的個別指導」が原因です。
近畿厚生局 様からの呼び出しで、理由も無く欠席すると、個別指導するからね!!という開業医が最も恐れている呼び出しなのです。

集団的個別指導と言うのは、分かりやすく言うと、保険請求の請求書(レセプトと言います)の点数が高い上位8%の医療機関を呼び出して、「皆さん、いつもいつも厚生労働省の定めた規則通りの診療にご協力ありがとうございます。此処に来られている皆様方は、平均よりも少しレセプトの請求額が高額な方ばかりです。高額であることが悪いとは決して言っておりません。決して言っておりませんが、来年度も高いままであれば、個別指導させていただきます。個別指導と言っても、私たちの決めた決めごとに従って診療されているかどうかを調べさせていただくだけです。決め事通りにされていればいいだけの話ですから。」とにこやかな笑顔で開業医を恐怖のどん底に落としてくれます。




医療における個別指導と言うのは、税務署の税務調査に似ていると思います。私はどちらも受けた経験があるのですが、税務調査の方が数等気楽でした。何故?と言われると答えにくいのですが、税務調査は、節税などで問題があったとしても、収入が減るわけではなくて、収める税金が少々増えるだけという感覚でした。(2日間も調査されたのに、大した成果は無くて、重箱の隅をつついたような些末な事項を取り上げただけで、残念そうに引き上げられました)

しかーし、個別指導の時は緊張しきっていました。それは、収入そのものである診療報酬を削られる可能性が大であるからです。というか、自ずからの存在意義を否定されるような、身を切られる痛みを感じるのです。

教科書に書いてある通りにカルテにきちんと記載していれば、何の問題も無いと言われるのですが・・・・
教科書に書いてある内容だから というテストで、満点を取れる方は少ないと思います。 
個別指導と言うのは、教科書通りにやっていますよねぇ!!という厭味な査察なのです(開業医にしてみればです)そんなことを十二分にしていたら、いくら時間があっても足りません。でも、その場で書けとおっしゃいます。
そして、教科書通りにやっていないと、「不正に」請求したとみなされて、診療報酬を返還させられます。それも過去にさかのぼって・・・・

忙しく働いたらいけないのでしょうね。

しかし、一方で厚生労働省は医者に在宅医療に向かせるために、在宅医療
の報酬を増やしてきました。私が在宅医療を始めた20数年前、深夜に往診しても5千円以下だった診療報酬が、今や2万円以上です。在宅医療に励め!!、24時間対応をしろ!!と言いつつ、点数が高いと、個別指導でお灸をすえるぞ!!!

何を考えているのでしょうね。

   今日はここまでにさせていただきます。まだまだ言いたいことは山ほどあって・・・・

 それにしても、令和5年4月1日から令和6年3月31日まで、坂根医院のレセプト点数を下げるためにどうすれば良いか考えています。

1,処方している薬の投与日数を短縮する(現在、安定している生活習慣病の患者さんには2か月投与しているのを1か月にする)

2,レセプトの点数が非常に高い訪問診療の患者さんを減らす。特に非常に点数の高いがんの末期の在宅患者さんを診なければ、一件当たりの点数は下がります。

3,坂根医院は99%院内処方なのですが、高価な薬を処方している方などには院外処方に回っていただく。

4,レセプト点数の高い 新型コロナに対する発熱外来を止める。勿論、非常に単数の高い、新型コロナ在宅患者さんに対する往診なんて絶対にしない。先日も保健所から要請があったけれども・・・今後一切行かない。

5,レセプト点数の非常に高い 人工呼吸器、在宅中心静脈栄養、持続皮下注入のがんの疼痛コントロールなんて絶対にしない。

これくらいすれば、個別指導には呼ばれないとは思います。

でもね、それでは、私が今まで良かれと思ってやってきた坂根医院の存在価値を否定してしまう事になってしまいます。

自己否定してまで、個別指導を回避すべきかどうか、私悩んでおります。



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9 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (tenseijin101)
2022-11-18 07:42:13
具体性のある現実を教えて頂きありがとうございます。
何となくは想像していましたが、そうなんですね。
私自身の治療(3年近くになります)では、何度か健保からレセプト請求を受けているようです。
自宅に電話があったこともあり、熱心で感心したりやり過ぎないようにして欲しいと思ったりしました。
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Unknown (kikokikonoriko19888888)
2022-11-18 09:02:32
先生の在宅医療の「命を看取るストレス」を理解してくれる指導員ならいいですね。ガンの疼痛緩和の費用は認めてくれると思いますけどね。痛がって苦しんでいるクランケを放っておける医師は居ないでしょう、きっとお話すれば、分かってくださるんではないですか?
、、理解して下さる事を祈っています。
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Unknown (camper)
2022-11-18 09:48:07
tenseijin101さん、花鳥風月さん、暖かいコメントありがとうございます。でも、誤解されているようにも思うので・・・
疼痛緩和等の点数の高い治療が認められないわけでは全くないです。

レセプト(請求書)1枚当たりの点数が高い のが問題視されているわけです。
極端に言えば

風邪でPLとカロナール処方する患者さんと、癌末期で週に3回往診する患者さんを同列に比べて、高いから何とかしろと言われているのです。 わかっていただけるでしょうか?
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Unknown (marurobo36)
2022-11-18 10:27:42
まさにお役所頭 教科書通りに お前がやってみろ!!
と叫びたくなりますよね。
チョット忙しくなったら 電話も出ない とかっていう保健所も有るくせに・・・
こういう杓子定規な対応が 全てのバランスを崩している
という事が わからないんでしょうかねぇ~
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Unknown (uparin)
2022-11-18 12:03:58
個別指導…ストレスですよね!!!
うちの病院も一度受けたことがありますが、事務員が一丸となって準備して戦々恐々でしたが、恐れていたほど厳しいことも言われず、無事に終わりました。
開業医さんは1人で対応しないといけないので相当なストレスだと思います。苦にして自殺した先生もいましたものね…

目の前の患者を救うために誠心誠意やっているだけなのに、診療報酬が高いからと不正を疑われるのは本当にやる気を削がれるし、やるせないし、嫌になりますよね…
在宅診療の点数を勝手に上げたのはそっちのくせに。こちとら国が『在宅在宅』と言い出す前から、点数が低くても患者のために在宅診療やっていたのに!!
最近はお金儲けのために在宅に手を出す医療機関が増えてるのは事実ですが、一緒にすんじゃねーよ!!と言ってやりたい。
在宅での末期がん患者の診療なんて、本当に大変ですよ!それを普通の外来もコロナ対応の発熱外来もやりながらなんて、普通の医者にはできませんよ。
患者のために粉骨砕身した結果が指導では、理不尽すぎます。
camper先生のお気持ち、お察し致します。どうか心が折れてしまわないように
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Unknown (kikokikonoriko19888888)
2022-11-18 21:26:58
釈迦に説法かもしれませんが、orth.or.jp/seisaku/kansa/sidou.html
病院にも来たことがあり、
一週間泊まり込みで、好きにやってもらったそうです。


レセプトの書類とか、、事務的な書類を中心に、根気よく調べていったみたいだと言っていました。
「理屈が通らないのが権力だから、、」、ハイハイ従っていれば、こちらが正義を信じてやったことが伝わるものらしいですよ。旦那は、、、解りやすい単純な答えが返ってくるので、、頭いいのか・抜けてるのか?ホントに先生とは別のタイプですが、、、法の権力には逆らわない方ですね。厚生省の特権だからね。返済金が無い病院は有るのかな~
知らないでやってしまった事も,有るし、、不正な事をやってるわけではないから、、現場の医師は忙しすぎるから、、間違いは、起きても仕方ない」ですよね。「記録が無いのは一番まずい」そうです。単純明快な旦那ですが、、、書類をきちんとしていれば、OKだそうですよ。



権力の方が、通るのだから、、、好きにやってもらって
ハイ、、ハイ、、と言って、出せと言われたものだしていたら
一週間かかったそうです。事務の人は大変だったでしょうね、

特に、なんにも、注意される事も見つからなくて、、、

へとへとになって、お帰りになったそうです。
指導する人の中に医師が居られるそうです。、、、めちゃくちゃに医師の法律に詳しい人がいて、、、対抗できる知識ではないので、、、一切ハイハイと言って、、言われるままに書類を出して、一週間泊まり込みで調査して行かれたそうですが、特に問題はなく、お帰りになったそうです。公的に表彰されていらっしゃる坂根医院は、ネットを観ただけでも、勉強になるので、主人と一緒にコロナの統計など、読ましていただいています。権力や法が優先らしいので、逆らわないのが一番良い方法だったと言っていました。医者としての倫理や、義務や、信条は、ヒポクラテスの本人が居ても、、理解してくれるかどうかは判らないけど、、、アトランダムに調べられるから
書類にのこしておくことが大切で、、保険適応外のことは、厳しく返済させられるそうで、、、プロの事務がやった事でも
アチコチ見つける指導が入り、、ハイハイ、、ハイ、、と
返すお金も保険適応外は手厳しくて、、、返済という運びだそうですね。
一銭も返済が無いという病院は、、、まずは、、無いんじゃない?、、、と、、兄貴は言っていましたね。
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Unknown (camper)
2022-11-18 23:57:25
マルさん、どんな業界でも腹の立つ筋の通らない話はありますよねぇ。
医療業界では「個別指導」の在り方が、一番私には腹立たしいです。個別指導が入るとしたら、再来年、令和6年になってのことです。その年、私は70歳になるので、いっそ、坂根医院廃業にするかとまで思ってしまいます。居直るか、萎縮するか、廃業するか・・・・悩ましい限りです。
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Unknown (camper)
2022-11-19 00:07:55
uparinさん、そうなんですよぉ!開業医は一人で対応しないといけないので、強烈なストレスです。前回は、「先生、一晩で髪の毛真っ白になった。」と、言われました。最終的に返納した金額は数万円でしたが、それは、指導に来られる医師の裁量によるところがとても大きくて、本当に個人差が大きい様です。
そして、次回来るであろう指導医師、「相当ヤバそうだな。」と、私は感じました。「書いてある通りに診療して記録してあれば良いのですよ。」と、シレっと言われました。やり手の指導医師 なんて言われることに喜びを感じそうな方だとお見受けしました。「2年後にお会いしましょう」って会いたくありません!!!
 これまで、結構頑張ってきたつもりです。今後も頑張りたいのですが、頑張った先が個別指導で自己否定されるのではたまったものではありません。どうするか、本当に迷っています。
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Unknown (camper)
2022-11-19 00:14:24
花鳥風月さん、真摯なご意見ありがとうございます。
私、長いものに巻かれる事が苦手なんです。

不正なことはしていないし、悪意で点数をかさ上げしている案てことは皆無なので、監査には至らないと信じていますが、個別指導だけでも十二分に強烈なストレスです。
私、好き放題言われているのに ハイハイ、そうですねぇなんて、とても言えない性分なんですよ。困ったものです!!
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