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朝診だけでインフルエンザ患者さんが4人。やはり増えているなとは感じたが、風邪の患者さんは暖冬の影響か少なくて、2,3人だった。
忙しくもなく、暇でもなく、12時数分過ぎには朝の診療を終えた。夕の診療が始まる4時半までの間に、往診・訪問診療をするのが当院のやりかた。今日は7人、数としては多くないのだが、範囲が田原本、広陵、高田とばらばらで、5㎞以上離れた所が2件。患者さん自身は、特に問題なかったのだが、年始の挨拶や休みの間の経過の聞き取り、採血などもあって、夕診始まる直前に滑り込みで帰院した。
一人目の患者さんを呼び込もうとした時
「〇〇訪問看護ステーションから青田さんの病状について電話です。」
悪い予感、胸騒ぎ
間の悪い時間帯に電話をよこすには、それなりの理由がある筈だ。
「青田さんの様子がおかしいと連絡を貰ったので来たのですが・・・呼びかけに反応ありません。意識レベル300です。体温が39.3℃ 血圧、触診で70です。血糖測定したのですがハイでした。」
やはり・・・
目の前に3冊のカルテが積まれている。
「急いで診療一段落させて、そっちに行くわ。30分で着けると思う。」
救急車で病院に運ぶのが一般的な対応だと思われるだろう。
でも、青木さん(勿論仮名)の場合、ご本人もご家族も・・・自宅での医療処置を希望されることは、長年の付き合いで承知している。
救急車は呼ばずに往診で対応。それも、目の前の3人の患者さんに手早く対応した後で・・・それが最善の対応だと私は考えた。
青木さんは、脳梗塞後で寝たきり状態の糖尿病持ち80歳代女性。最近はとても落ち着いていて、糖尿病も全ての薬を中止したのにHbA1c:6代前半だったはずだ。
感染症が引き金を引いた高浸透圧非ケトン性昏睡。まず間違いないだろう。
急いで3人の診療をしながら、大量の生理食塩水と複数の点滴セット、血糖測定装置とインスリンなどを用意してもらった。そして患家へGO!。
前もって聞いていた通りの病態だった。訪問看護師は役に立つ!!
事故抜去対策と急速大量点滴のため、足と手それぞれに点滴ルートを確保し、生理食塩水の大量点滴を開始した。
高熱は、肺炎の気配がないので尿路感染症?とにかく感染症に対してセフトリアキソン2g。
高血糖に対し即効型インスリンを皮下と静脈に分けて注射。あとは心不全に気を付けながらただひたすらに生理食塩水を点滴。
30分後に血糖測定したが、まだハイ(600以上)だった。しかし、顔色も少し良くなって血圧も120を超えたので、ひとまず医院に戻った。
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