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『涙を数える』ストーリーと感想

2014-08-01 09:49:41 | 劇場・多目的ホール

キャラメルボックス2014 サマーツアー・プレミアム『涙を数える』をサンシャイン劇場にて、7月31日(木)開演14:00を観劇しました。

ストーリーと感想を備忘録として書きます。
※ネタばれがありますのでご注意ください。
※文中の敬称は省略させていただきます。




【脚本・演出】成井豊+真柴あずき
【美術】伊藤保恵
【照明】黒尾芳昭
【音響】早川毅
【殺陣】武田浩二
【衣装】三大寺志保美
【ヘアメイク】武井優子
【小道具】高庄優子
【音楽監督】加藤昌史
【キャスト】多田直人、辻本祐樹、池岡亮介、西川浩幸、岡田達也、坂口理恵、原田樹里
【ストーリー】
安政6年(1859年)、上田藩士・長谷川鏡吾は20歳。8歳の時、父が公金横領の罪で切腹。以来、母の淑江と二人で暮らしてきた。
ある日、幼なじみの舟橋明一郎が父を斬って、江戸へ逃亡。鏡吾は藩の命令で、明一郎の叔父の南条朔之助とともに、江戸へ向かう。
江戸藩邸に着いた二人は、世話役の大佛聞多とともに、明一郎の行方を探す。鏡吾は、明一郎の妹・樹雨から、兄を助けてくれと頼まれていた。
もちろん、鏡吾も助けたかった。が、南条は、明一郎が抵抗した場合、問答無用で斬ると言う。
南条は上田藩随一の剣士で、明一郎はもちろん、鏡吾にも歯が立たない腕前だった……。


【感想】
客入れの楽曲はJ-POP。曲名は不明。
前説に製作総指揮の加藤さんと新人劇団員の近藤が登壇。高校時代はボクシングをやっていたという変わり種。声が威圧的に大きいのが特徴とか。
パンフレットと客演の池岡亮介の1st.写真集のご紹介もある。

美術はシンプルでほぼ転換はなし。
コバルトブルーの背景に山並みのシルエット。中央のみに、やや傾斜のある八百屋舞台。額縁状に垂れ下がるように、暗い色合いで透けている樹木。下手側の樹木のみ左右に可動。
照明がきれい。明一郎が父を斬るシーンの赤が印象的。暗転はやや多め。

冒頭にプロジェクションマッピングで文章が映し出される。(さすがに覚えきれず。。)

あえて誤解を恐れずに書くのだけど。。久しぶりにキャラメルボックスを観て、すっきりと気持ちよく泣けた。カタルシスを得られたのも久しぶり。
これまでキャラメルボックスを観終わった後に、もにょもにょした気持ちになることが多かったので。従来のテイストではなかったのが大きいような気がする。
理由は劇団員の人選と人数が少ないからなのか、華のある客演が2人もいらしたからなのか、時代劇だからなのか、はたまたなんなのかわからないのだが…。
客演お二人が華があり、違和感なく劇団に馴染み素敵な化学反応を起こしていた。
重く暗いテーマにもかかわらず、客演さんの明るさ爽やかさに救われ、後味が悪くなく切なくて泣けた。
それぞれの役のキャラ設定がしっかりとしていて、いい悪いでなく感情移入できたし。
笑いも多いけど、劇団員オンリーのときの「さぁ!ここは笑うところですよ!」といった感じの若干、押しつけがましい笑いポイントがなかったのが好感度大♪ これをやられると(普段は多め)若干、ひくし、笑いがとれないと観ているこちらが気まずくなってしまう。
観ていて気まずい思いをする「笑い」なら、ないほうがいいのでは?と思ってしまうのは私だけなのだろうか?

いつの時代にも通じる「親の心子知らず」。その逆もまたしかり。
男同士の友情と嫉妬。人が人を思いやるとき、言葉に出せばよいものを出さず、受け取る側も素直になれずに、すれ違い誤解を生む。気づいたときには遅かったりする。
時代背景は幕末だから現代とは違いもっとシンプルだったろうとは思う。でも、いつの時代も人の世は理不尽と不条理に満ちているものだから、そういった根本的なところは普遍なはず。
運命に翻弄されながらも必死に生きていく人々が哀しいけど愛おしい。

全編に殺陣がたっぷり!これも見どころのひとつ。
現在進行形のお話と回想シーンがくるくると変わる。衣装も変わらないし、セットチェンジもないけど、台詞で変わったことはわかる仕組みになっていた。

多田直人、心身共に辛い役のよう。ラストの頃には、着物の肩が汗で変色して。がんばって千秋楽まで演じきっていただきたいと思う。
辻本祐樹、明るく爽やかな様子から、段々と屈折していくのがみてとれて上手いなぁ~と。殺陣もきれっきれ♪
池岡亮介、明るくていい意味の軽さが、重いお話の中では一服の清涼剤♪ 岡田達也との掛け合いはインタビューにもあったけど、もうまんま「トムとジェリー」。もちろん、池岡亮介がジェリー。   
西川浩幸、安定の西川浩幸。
岡田達也、ご本人いわく「ラスボス」。まんまだね~。お顔だけでなくお腹も黒い、でも嫌いじゃないなぁ~。
坂口理恵、安定の凄みすら感じる。気丈な武家の妻、母そのもの。
原田樹里、健気で可憐♪

カーテンコール3回。
2回目、岡田達也が客演のお二人をご紹介。お二人がご挨拶。とてもマイペース。特に池岡亮介。
3回目、岡田達也から「この後、TRUTHのためにセットチェンジとかあるので、拍手はありがたいのですがそろそろ。。」とご通達がある。


【画像】

みき丸♪ TRUTH Tシャツを着て草履を履いている。




フライヤー。




当日パンフレット。『世に生を得るは事を成すにあり』に始まる、成井豊のお話も。




パンフレットA4判 2000円。多田直人、岡田達也、辻祐樹、池岡亮介の対談など。

 



【余談】
フライヤー束の中にもあったけど、9月にある辻本祐樹の舞台『源氏物語~夢浮橋~』。チケットがとれたので行くよ!
学生時代に優柔不断の浮舟にいらいらしつつ読んでいた「宇治十帖」。忘れているので、予習のために再読しようと思う♪


【リンク】
公式サイトはこちら → 『涙を数える』
ぴあインタビューはこちら → 多田直人×辻本祐樹×池岡亮介
げきぴあはこちら → 『涙を数える』稽古場レポート


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