チャンネル銀河で放送されていた舞台、演劇集団キャラメルボックス『四月になれば彼女は』を観ました。
ストーリーと感想を備忘録として書きます。
※ネタばれがありますのでご注意ください。
※文中の敬称は省略させていただきます。
【作・演出】
成井豊
【出演】
坂口理恵、町田久美子、大森美紀子、津田匠子、上川隆也、近江谷太朗、岡田達也、酒井いずみ、岡田さつき、西川浩幸、今井義博
【公演】
1993スプリングツアー・アコースティックシアターvol.1 新宿シアターアプル
【ストーリー】
父を亡くした後、伯母に二人の子供たち(坂口理恵、町田久美子)を託して渡米、メイクアップアーティストをしている母(大森美紀子)が、15年ぶり帰国することに。住み込みで家事を賄う耕平(上川隆也)や子供たちは母との距離感を測りかねている。
そんなぎくしゃくした中で、のぞみが密かに想っている取材先のラグビー部監督の堀口(近江谷太朗)にスキャンダルが…。そこから大きく物語が動き出す。
父を亡くした後、伯母に二人の子供たち(坂口理恵、町田久美子)を託して渡米、メイクアップアーティストをしている母(大森美紀子)が、15年ぶり帰国することに。住み込みで家事を賄う耕平(上川隆也)や子供たちは母との距離感を測りかねている。
そんなぎくしゃくした中で、のぞみが密かに想っている取材先のラグビー部監督の堀口(近江谷太朗)にスキャンダルが…。そこから大きく物語が動き出す。
【感想】
90年代の作品なので、出演している俳優&女優陣が若いだけでなく、半数がすでに退団していて、時の流れを感じた。今や大河主演俳優にまで上り詰めた上川隆也さんが、情けない感じのあんちゃん風で出ているのも、ある意味レアかも。
90年代の作品なので、出演している俳優&女優陣が若いだけでなく、半数がすでに退団していて、時の流れを感じた。今や大河主演俳優にまで上り詰めた上川隆也さんが、情けない感じのあんちゃん風で出ているのも、ある意味レアかも。
ストーリーはいかにもキャラメルボックスらしい展開。突っ込みどころがあちらこちらにあって、そこに気がいってしまうと、キャラメルボックスの芝居は観れなくなっってしまうのだが…。
例えば、あきらの超能力には一言も言及されていないし、親の都合に振り回される子供たちの心情が描けているようで、描けていないし。特に、小さい子ほど妙に物分りが良すぎてリアル感がゼロだし。
キャラメルボックスを観て、いつも思うのは、一体、なにが成井豊は描きたかったのだろうか?というところに行き着いてしまうので、観終わった後に、カタルシスを得られたことがない。つまらないというわけでもないし…。う~ん、表現が難しいなぁ…。
誰にでもわかる♪楽しめる♪エンターテイメントの舞台を目指しているのはわかるし、基本的にどれもファンタジーなのもわかるのだが、それならば、余計に細かいところ、特に、登場人物のキャラクター設定にリアル感をもたせるとか、心理描写をきちんとしていないと、全くの絵空事にしか映らず、感情移入ができなくなってしまう。
作品となった時点で、すでに作り物なのだから、せめて、肝心なところは押さえておかないと薄っぺらくなってしまう。感情に訴えるところもあるのだけれども、点でしかない。点と点を結んで、線やさらに面にはなっていかない。
例えば、あきらの超能力には一言も言及されていないし、親の都合に振り回される子供たちの心情が描けているようで、描けていないし。特に、小さい子ほど妙に物分りが良すぎてリアル感がゼロだし。
キャラメルボックスを観て、いつも思うのは、一体、なにが成井豊は描きたかったのだろうか?というところに行き着いてしまうので、観終わった後に、カタルシスを得られたことがない。つまらないというわけでもないし…。う~ん、表現が難しいなぁ…。
誰にでもわかる♪楽しめる♪エンターテイメントの舞台を目指しているのはわかるし、基本的にどれもファンタジーなのもわかるのだが、それならば、余計に細かいところ、特に、登場人物のキャラクター設定にリアル感をもたせるとか、心理描写をきちんとしていないと、全くの絵空事にしか映らず、感情移入ができなくなってしまう。
作品となった時点で、すでに作り物なのだから、せめて、肝心なところは押さえておかないと薄っぺらくなってしまう。感情に訴えるところもあるのだけれども、点でしかない。点と点を結んで、線やさらに面にはなっていかない。
結局なにが言いたかったのかというと、もったいないなぁ~ということかな。
俳優&女優陣はとてもいい!特に、この作品では上手い人たちが勢揃いしているし、舞台で生きている、実在感がちゃんとあるだけにもったいない気がする。あちらこちらに、穴が開いている脚本であることが。
俳優&女優陣はとてもいい!特に、この作品では上手い人たちが勢揃いしているし、舞台で生きている、実在感がちゃんとあるだけにもったいない気がする。あちらこちらに、穴が開いている脚本であることが。
【余談】
『少年ラジオ』をサンシャイン劇場で観たときにも同じようなことを思った記憶がある。おもしろかったし、サウンドや照明はきれいで迫力があるし、畑中智行はがんばっているし、笑いも多いし、おもしろかった。でも、カタルシスが得られなかった。人が人を想う作品なのに…。
ヒロインが全く感情移入ができないキャラクターになっていて、リアル感がゼロなうえ、この人をどうしたら命がけで守ろうという気になれるのか不思議で仕方がなかった。ヒロインの感情が全く見えてこないし、心の機微が伝わってこない。少なくとも私にはそう観えた。
岡内美喜子は好きなんだが、彼女自身の演技力というより、脚本に問題があるように思った。
舞台を放送してくれていたNHKの「ミッドナイトステージ館」(番組は終了)に、成井豊が出演されていたことがある。舞台を放送する前に、作・演出家にその作品やご自身の舞台を作る考え方を、司会者と対談というか、インタビューするというコーナーがあった。
そこで、成井豊は熱かった!ほかに何人もの方が出演なさっていたが、おそらく、一番熱かったと思う。年齢に関係なく。
その中で、ファンの方は20代前半までの女性が圧倒的に多く、何故か、20代半ばを過ぎると、ぐっと減ってしまい、それ以上の年齢層に拡大していかないとぼやいていた。
う~ん、そうだろうなぁ…。20代半ばからは、女性のライフスタイルが激変する時期だし、正直、結婚や出産でそれどころではないというのが実情かと。
それに現実に地に足をつけて暮らしていくと、キャラメルボックス独特のファンタジーやストーリーに薄っぺらいものを感じるんじゃないのかなぁ~と。あくまでも私見なので。
もっと、時が経ち、いろんな意味で余裕が出てくると、また戻ってくるファンの方もいらっしゃると思う。
『少年ラジオ』をサンシャイン劇場で観たときにも同じようなことを思った記憶がある。おもしろかったし、サウンドや照明はきれいで迫力があるし、畑中智行はがんばっているし、笑いも多いし、おもしろかった。でも、カタルシスが得られなかった。人が人を想う作品なのに…。
ヒロインが全く感情移入ができないキャラクターになっていて、リアル感がゼロなうえ、この人をどうしたら命がけで守ろうという気になれるのか不思議で仕方がなかった。ヒロインの感情が全く見えてこないし、心の機微が伝わってこない。少なくとも私にはそう観えた。
岡内美喜子は好きなんだが、彼女自身の演技力というより、脚本に問題があるように思った。
舞台を放送してくれていたNHKの「ミッドナイトステージ館」(番組は終了)に、成井豊が出演されていたことがある。舞台を放送する前に、作・演出家にその作品やご自身の舞台を作る考え方を、司会者と対談というか、インタビューするというコーナーがあった。
そこで、成井豊は熱かった!ほかに何人もの方が出演なさっていたが、おそらく、一番熱かったと思う。年齢に関係なく。
その中で、ファンの方は20代前半までの女性が圧倒的に多く、何故か、20代半ばを過ぎると、ぐっと減ってしまい、それ以上の年齢層に拡大していかないとぼやいていた。
う~ん、そうだろうなぁ…。20代半ばからは、女性のライフスタイルが激変する時期だし、正直、結婚や出産でそれどころではないというのが実情かと。
それに現実に地に足をつけて暮らしていくと、キャラメルボックス独特のファンタジーやストーリーに薄っぺらいものを感じるんじゃないのかなぁ~と。あくまでも私見なので。
もっと、時が経ち、いろんな意味で余裕が出てくると、また戻ってくるファンの方もいらっしゃると思う。