去年の秋に嫁に行った娘から「ちらし寿司作った」と写真が送られてきた。
雛祭りだったからね。
彼女のために祖父母に買ってもらったお雛様はとうとう今年はお出まし願えず。
なんか、バタバタしちゃってたし。祭りって気分じゃなかったし。
お返事返すと娘が「ちーちゃんの春のお稲荷が食べたいな」と。
春の・・・なんだっけ。多分、竹の子なんかを炊き込んで桜の塩漬けを飾ったやつ。
「母のアレが食べたい。」っていう感情がわたしには皆無だ。
何しろ料理嫌いだったからね、わたしの母は。
そこんところはそっくり受け継いだ。面食いなところと一緒に。
だからわたしの娘が「母のアレ」っていうのがとっても不思議だ。
もしかしたら社交辞令なんじゃないか。
だって一緒に暮らしてるときは「おかーさんのお弁当面白いよね」って言ってたし。
美味しいよね、じゃなくて、面白いよね、だからね。すまないねホント。
今たまに実家に帰ると母は結構手間暇かけたおかずを食べさせてくれる。
どうやら仕事をリタイヤしたら時間が出来たらしい。
それと、おかずを作って置いてあれば、気兼ねなく外出できるから、らしい。
自分が子供の頃には出てきたことのない調味料による味付けだったりして
なかなかチャレンジャーだ。
さらには発酵食品を作るのが楽しいみたいだ。甘酒はいいよ、炊飯器でできるよ、と勧められ
炊飯器ないから、と言ったら、すごい勢いでそのくらい買いなよ、と言われた。
2011年に壊れて新調しようとしたら師匠に
「この電力不足の時代にそんなものを買うのか。土鍋をつかえ。」と言われ、
そこから7年くらい土鍋生活だった頃のことだ。
結局その後、娘とごはん当番をするにあたり、娘から
「なんかさ、便利らしいよ炊飯器」と熱烈にリクエストされたので買ったんだった。
娘がかなり唐突に家を出ていったのには、ごはん当番が嫌だったからじゃないかと
うっすら思ってるんだけど。
今は作っても作らなくてもいい感じの暮らしをしている。というのも結婚相手はカフェオーナーで
職場が家のすぐ近くなので、カフェメシで終了っていうのが可能だからだ。もちろんお代は支払う。
店長が魂込めて作るカレーがめちゃうまい。
ってことで春のお稲荷の写真を探したんだけど。
こんなのしかなかったや。
子供の頃おばあちゃんちの庭に
細くてそんなに背が高くないんだけど
クコの木があったのです。
しかも、確か、私が生まれた記念の木
だったと思うのです。
違ったかな。聞いてみよっかな。
まあいっか。
季節になると真っ赤でつやつやの
小さなとんがった実をつけて
それをもいでは食べるってのを
楽しんでいました。
甘いんだけど苦いんだけど
そのまたバランスが個体によって
バラバラだったので
うわ!甘い!あたり!
ぎゃー!苦い!はずれ!
を延々と繰り返していたのです。
で、ちょっと油断すると
おなかが痛くなっちゃったり。
今回、とあるご縁で
「薬膳料理」を教えていただくことに
なったのですが
やくぜん、って言ったら、
クコ!
しか思いつかなくて
どうしよう料理全体苦かったら
なんとか食べられるといいんだけど
ぷりっぷりに張りつめたもやしが
丼いっぱい、とかになってなければ
いいんだけどなあ
なんて
めちゃくちゃ失礼なことを
想像していたわけです。
ところがそんな不埒者は
私一人だけで
後の皆さんはもう
「薬膳」一発検索で
こちらの教室にいらしているのです。
中には
「もう春から育休が明けてしまう、
その前にとにかくいろんなことを
習いたいと思って来ました。」
なんていう母の鑑もいらっしゃって
感心しきりでした。
そして
教えてくださった
ちゅうがんじ先生
お会いするのがずっと
楽しみだったのです。
第一印象は
「か、、、かわいい、、、」
(かさねがさね失礼、、、)
食べるものに気をつかうと
こんなにキラキラした人に
なれるのか!
と
いきなりやる気が起きました。
よもぎ茶をいただきながら
早速よもぎの効能についてのお話。
ふんわりと春の野原みたいな香りで
ほかほかと温まりました。
そしてまずはお勉強。
薬膳料理の意義や
中国伝統医学について
初心者にわかりやすく
さらりと教えていただきました。
長く通えばもっとがっつり
教わることのできるコースも
あるのだそうです。
それも楽しそうだな。
具合が悪い時には
その原因をまず探して
見つかったらその原因に対する
養生を続けると
元気になれる。
聞いちゃうと
それは全くその通りで
今更な感じもするのだけど
じゃあ自分がちゃんと
自分の体質をわかってて
弱いところに手当てして
改善しようと努力してるか
っていうと
ごめんなさい・・・な感じです。
簡単な診断をしてみたら
私は肺が弱いひとらしく
改善してくれる食べ物はこれこれ
避けたほうがいいものはこれこれ
って教えていただきました。
他の皆さんもそれぞれ違う結果が出て
先生は一人一人にいろんなアドバイスを
してくださいます。
でも、体に良くない食べ物でも
気持ちが欲することもあって
それをどうしても我慢することは
ないのですって。
ちょっと安心しました。
(避けたほうがいいもの、の筆頭が洋菓子だった。)
それからいよいよ
お料理のデモが
始まります。
大きな木耳をたくさん
刻み始める先生。
サウスポーの包丁使いは
見ているとスリリングだ。
人参と木耳は茹でて
すりごま、ニンニク、ごま油で
和えます。
それと、何やら見慣れないパッケージの
お塩。
「ホタテやカツオの旨味成分が
入っているんですよ。
使えば美味しくなっちゃう
魔法の塩。」
すると、皆さんが
わーっとスマホで写真を
撮り始めました。
ニンニクの瓶詰めにも
興味深々だったり
ごま油の種類を確認したり。
そっか、そういうところか、
お料理が好きな人の視線。
持ち合わせていない残念な私。
れんこんのすりおろしを
お手伝いしたら
「あれ?最後までおろしてくれたんですか?!
手、痛くなかった?!」
ってびっくりされて
こっちもびっくりしちゃいました。
すりおろしって最後はちょっと
残すものなのですね。
鳥ひき肉に豆腐と
すりおろしれんこんと
刻んだれんこんと
大量の紫蘇の刻んだやつを
よく練って混ぜます。
つなぎは入らないのね。
最後に紫蘇を一枚貼り付けて
ゆっくり蒸し焼き。
豆腐の簡単炒めは
水切りした豆腐に
薄く片栗粉をまぶし
しいたけと一緒に焼き付けて
刻んだニラと
水で戻したクコ(出た!)を
炒め合わせます。
こんだけ手順があるものを
簡単、と呼んでしまうのか。
パートフィユテラピッドみたいなもんだな。
(わからない人は後で補習しまーす)
山芋汁は
グラグラ沸いた出汁に
すりおろした山芋と
溶き卵を混ぜたものを
ほそーく垂らします。
ふわっふわの雲みたい。
それに
雑穀ご飯。
す、すごい、
こんなにいっぱいのおかず。
山中塗の器に
盛り付けます。
先端がうんと細いお箸
とっても嬉しい。
普段、ガチャガチャしたお皿で
食べてることが
いかに寂しいことか、と
ちょっと反省してしまいます。
デザートは
水切りヨーグルトに
りんごの角切りとイチゴジャム
キュラソーが香るソース
胡桃が散らしてあります。
満足、満腹。
なぜか、すっごくいいことした気分。
レッスンの後
いろいろお話を伺いました。
一番面白かったのは
先生のキャリア。
最初の就職が
「ちょっとした手違い」って。
(超一流企業さんですが)
そして
どのタイミングにおいても
努力することと
勉強することに
労を惜しまない
だからこそ
チャンスが掴めて
最終的に
やりたかった仕事をしてる
そんな先生なのでした。
私もいろいろ頑張ろう
と
とりあえずお料理を再現しようと
してみたのです。
そしたら
ゆうごはんの支度に
小一時間かかってる!
世の中の主婦ってこんな大変なこと
毎日してるのか・・・
・・
・
放り出すのも
時間の問題かと
思われますが
家族にはやっぱり
評判いいんだよね。
もっと簡単にできるといいなあ(違)
でもせっかくクコの実一袋買ったし
使い切るまでは継続しようと
思います。
ピリ辛白湯春雨
具が3つ選べて680円
追加はいっこ120円
小松菜
香菜
鶏肉
しいたけだんご
辛いんですけど
コクあるスープで
おいしいです
店内
ほぼ
チャイニーズで
日本人は
じろじろされます(^-^;