ちびすけだったムスメ、ある日のおやつの時間。
お皿に「いちごメロンパン」
メロンなの?いちごなの?っていう
つまり可愛いピンクのクッキー生地をまとった
丸い菓子パンを置いて
その前にムスメを座らせ、いただきます、のあと
ふと気づいたらムスメはすでに遊びにいっちゃってて
お皿には見たことのない小さな白い丸パンが。
ちょっとちょっととムスメを呼び寄せ、
もしかして周りの甘いやつだけ食べたの?と聞いたら
こくんと頷く邪気のない顔。
そういう食べ方はお行儀悪いからやっちゃダメですと
言ったはいいけどさてこの何の味もない残ったパンを
どうやって食べさせたらいいんだろうと悩み
ふと思い出したのが小6の時の給食で
担任のいい年した女の先生が
葡萄パンの葡萄とその周辺だけをむしって食べた
残りの機関銃掃射でも受けたかのような
コッペパンの形をかろうじて保つ物体で
やっぱりどうにでもしてこいつを食べさせておかないと
あんなしょうもない大人になったら困ると
とりあえず冷蔵庫からジャムなど出してみる。
わたしの頭の中にはこんなちっちゃい記憶の破片が
バラバラと撒かれ、どこかで小さく渦巻いて
なんかの拍子にピョンと表に飛び出すんだけど
そのきっかけとなったのが昨日のお手伝いで
中・高生の生徒さんらが作っていたのが、メロンパン。
ミルクたっぷりのふんわり生地を仕込んで
クッキー生地を手早くのして丸めたパン生地に乗せ、
カードで模様を刻んだらザラメをくっつけて焼く。
大概のことはそつなくこなすこのクラスの皆さんが
ちょっと苦戦してたのがクッキー生地をのすところ。
気温も高く生地は薄く、手早くしないとベタベタくっついてしまう。
わたしもかつてちょこっとだけお付き合いで通った
某有名チェーンのパン教室でメロンパンを作ったけど
クッキー生地の作り方があまりにぞんざいすぎて
お菓子教室でやってる通りに勝手にアレンジして作ってたら
指導員にちょっと嫌な顔されたんだった。
菓子パンってお菓子だと思って作るのとパンだと思って作るのとで
仕上がりが変わるような気がするんだけど。
お菓子教室のお手伝いに話を戻すと
「道具の使い方がどれだけ身についてるかが大事」と
先生がおっしゃる通り
ベタベタなまんまの麺棒や台を使って何回やり直しても
絶対うまくいかないし
ちょっとしたことだけど、カードを生地に
差し込む時に使う辺も
直線の方よりカープしてる方を使ったほうが
扱いやすいとか、そんなことを
なんども繰り返して伝える、やってみるの
積み重ねなんだなあと改めて思う。
午前の部のもっと小さなお子さん達は
ゴムベラの使い方に悪戦苦闘してて
こちらも回数こなして慣れるしかないし
とはいえ午後の部のお兄さんお姉さん達も
かつてはこうだったのがちゃんと成長しているわけで
だいじょぶ、できるようになるから、というビジョンが
子供にとっても、教える人にとっても
ものすごく心強く励まされる。
大人のクラスと違って無駄口も叩かず
黙々とお菓子を作る子供の皆さん、
試食の時の嬉しそうな顔と
帰り際の「ありがとうございましたー」が
弾んでるのが印象的。
さて20年振りにムスメの前に
メロンパン置いてみるかな。
(画像はおやつにもらったバナナシフォンケーキ。メロンパンは撮る前に食べちゃった。)