まくとぅーぷ

作ったお菓子のこと、読んだ本のこと、寄り道したカフェのこと。

お菓子作ってる暇があったら塾に行け

2017-06-28 08:14:11 | 日記

絶賛シューカツ中のムスメに成り代わりバイトへ
なんてこと他の職場じゃ絶対ありえないけど
我らがミサリングファクトリーなら楽勝です。
勝手知ったるスタジオ。しかしここで問題が。
自他共に認める過干渉な親である私、ついつい手を出してしまう。
やらないで、子供が自分でやるから、って
先生に3回は言われたな。
そこらへんムスメは自分が通ってきた道だから
ゆったり構えて見守ることができる。
代打じゃかないませんよ先輩。

しかしこうしてたまーに手伝わせてもらうと
改めて子供って生き物の素晴らしさに感動する。
先生の手元をジーーーーッと見て吸収すること
スポンジの如し。
そしてすぐに実践できる順応性。
記憶力の素晴らしさってのもあるな。
私なんかさっき見て聞いたこと平気で忘れるもんね。
そして出来上がったものを誇らしげに先生に掲げてみせる。
「上手にできたねえ」って言われてニコニコ。

で、その時に、一人の小学生男子が
「僕なんか全然うまくない、だめだ」って言った。
しかし彼のお皿のおむすびはとても綺麗な丸型で
海苔も満遍なくきちんとつけられている。
先生が、そんなことないよ上手だよ、って言っても
でも僕なんか、って言うの。
もしかしてたくさん褒めてほしいから?
いやそういうことでもないらしい。

最近、自己肯定力が低い人が多いらしいんだよね、
私の周り全然そんなことないから驚くんだけどさ。
と先生。
うん、確かに先生の仲良しさんらはみんなそんなことないかも。
それはきっと先生の引力がそういう種類のものなんだろう。
ただ、さっきの子の発言はとても気になる、と先生。
子供の頃に小さな成功体験を積み重ねることで
自信の持てる人になる。
なのにうまくできないことにフオーカスされちゃったら
可哀想だよね。

こないだ体験に来た子も勉強ができないっていう引け目があって
でもお菓子を作ることはとっても楽しかったので
ぜひ入会したい!と言ってたそうなんだけど
お父様が「お菓子なんか作ってる暇があったら塾に行かせるべきだ」
とおっしゃられて反対されてしまったそう。
それでここからがうちの先生の素敵すぎるところなんだけど
「子供がうちに来たいって言ってる、お父様は塾に行かせたいって言ってる、
じゃあうちに塾の機能を持たせたらいいんじゃないかな。」って。
ちかさんって教員免許持ってんの?持ってなくても塾講師ってできんの?
って、これってもしかしてリクルートですか。
ついつい翌日会社で「もし法人契約するとなったらFCと何が違うの?」
なんてリサーチしちゃったじゃない。
港南区の担当営業さんはあの人か、まあなんとかなるか、なんちゃって。

ただ、お父様に私は言いたい。
お菓子作るのってものすごく素頭(すあたま)作るのに良いことなんですよ。
素材の違いを知る。生産の現場に思いを馳せる。容量と重量を体感する。化学反応を知る。行動を予測して前もって準備する。友達と共同作業することを学ぶ。できなかったことができる喜びを知る。人に喜ばれる嬉しさに気づく。
いっぺん、レッスンを見に来て欲しい。
そしてそこで育ちあがった子たちを見て欲しい。
親バカか?ああそうですとも。うちのムスメが誰かに褒められるとき
それはみーんなミサリングファクトリーのおかげだと思ってる。
うちのムスメだけじゃない、ミサリングファクトリー育ちの素敵なお嬢さんたち、枚挙にいとまなし。

20年後、社会に出る今の子供らは
その半数以上が「2017年には存在してない職業」に就くというデータがある。
AIとの共存性が今以上に高まり、人間は人間にしかできない分野の仕事をすることになる。必要なのは思考、創造、工夫、意思疏通、挑戦、統制といったチカラ。
学習塾はもちろんある部分では有効、でもそれで足りるとおもう?
そして回り回って自己肯定力。
苦手なことを嫌々やって、劣等感ばかりに苦しむよりも
やってみたらできた、うまくいった、ほめられた、っていう経験があればこそ、次のステージや苦手なことにも挑戦する気持ちになれる。
おまえ計算おせーよ、じゃなくて、
このクッキーおいしいなあ、え、おまえが作ったの?すごいなぁ、ありがとう、また食べたい!って言って欲しいなぁ。

なんちゃってカメラマン廃業の危機

2017-06-23 07:37:57 | 日記


やっと着手した来月の研修準備。
本社から配布された資料に目を通す。
ウェブにあげる教室の紹介写真についての新ルールの項目。
「会員の顔のわかるものはNG」
「但し許可書に保護者サインもらえばOK」
添付されてる許可書、びっしり書かれた文字に読む気も失せる。
これはもうだめだな。
楽しかったのにな、教室撮影。

今はようやく一通り終わっておさまったけど
ムスメ産み落としてからというもの
成長に合わせて「おむつ」「七五三の衣装」
「受験塾」「成人式の衣装」と
オンタイムでかかってくる営業電話に驚いた。
どうやって情報を仕入れたんですかと聞いたら
「名簿屋から名簿買いました」って馬鹿正直に答える奴がいて
それ犯罪だって知ってる?って言ったらガチャ切り。
プライバシーなんて言葉はもう死んだな。

で、子供の写真が通ってる習い事の紹介サイトに載るということについて。

具体的に、それで子供が酷い目に遭った、という事例を
これから調べようと思う。
と逃げておいて
私個人の考えは「口頭やお手紙で一言断ってくれたら、別に構わない。」
どうやっても、お菓子作ってるムスメの写真をどこかの誰かが悪用するとは
想像できないんだよね。考えが足りないのか?
ただ、黙って使われたらちょっとムッとする。
そこは先生との人間関係、信頼の問題で、個人情報云々とは関係ない。

でもたまにそこをすり替えて怒りの電話をかけてくる保護者がいる。
企業としては「個人情報」ってワードにめちゃめちゃ弱い。
そして現場で起きる事態なんか全く想像もしないで
とにかく保身の鉄壁を築くことだけ考える。
こんな書類やり取りしたら、どんなに良好な関係だとしても
溝が一本出来ちゃうよ。

せっかく昨日から新しいバイトちゃんも入って
余裕持って撮りに行けるなーなんて喜んでたんだけど。
すでに何本か入ってる予約、キャンセルかなあ。
寂しい。


地下アイドル

2017-06-17 12:33:52 | 日記

地下アイドルって何すか?と聞いたら
よくわかんないという返事。

グーグル先生に聞いてみたら
「メディアに露出せずライブで活動するアイドル。
 地下とは初期から積極的に発掘しているライブハウス
 『四谷Live inn Magic(旧・四谷サンバレイ)』が
 地下フロアにあることにちなんだもの。」
だってさ。

お茶したいお茶したいって
熱烈ラブコールをいただき
近所のそば屋で落ち合った
我らがチャブダイカフェの大将
そのまえにさんと愛妻さとみにゃん。

店の外で待ってると、怪しげな二人組が
手に持ったスマホピカピカさせながら
物陰に隠れようとする。
バレバレだっつの。

やあやあどうもどうも、の瞬間
うわっ、そのまえにさん、痩せちゃったな、
と思ったらなんか泣きそうになる。
そりゃそうだよね、お店イチから作ろうってんだから
体力も神経も使い果たすに違いない。
でも当の本人はスチャラカしてると言い
オープンまでにはあと10キロ落としますぜ!と
鼻息荒い。そんな痩せたら別人になっちゃうわよ。

席についてメニュー選ぶ目がすでに
プロのそれっぽい。
店の内装もキョロキョロ見ながら
「エアコン4機だねー」とか言ってる。
ここのお店、最初はカウンター7席で
大将が目の前で作ってくれてて
それを見てるのがとてもワクワクしたんだけど
今は広々した店に充実したお酒やサイドメニュー
その代わり大きな声じゃ言えないけど
美味しさは3割減。
とかいう話をしてたら
「やべー、元町のチャブダイの方がうまかったよねーとか
言われたらどうしよーー」なんて言ってる大将。
まさかそんな。でももしそうなっちゃったらコラって言うよ。
って誰だお前は。

人生やりたいことやるのがいいっすよ、と
目下実践中の人に面と向かって言われると迫力が違う。
そうだよな、俺何やりたいんだろう、って
眉間にしわ寄せる坂本さん。
そういや昔、ジャニーズシニアに入るって
言ってなかった?

ジャニーズいろいろメンドクセーから
地下アイドルがいいっすよ、とそのまえにさん。
地下アイドルって何すか?
(最初に戻る)

じゃあ面白い歌詞考えないと
いやいやそこはくそまじめに売れる路線でしょ
やっぱりメンバーはイケメン揃えなきゃ
しんしんは決まりとして後は誰だろう
カレンも大変だよね、
今夜飲みに行かない?とか会社で言われても
「あーごめんなさい今日父のライブなんですー」とか
言わなきゃなんないよね
とかさんざっぱら笑った後

あ、よく考えたら俺別に
アイドルになりたくないや
だって。

帰りはちっちゃい車に5人ぎゅーぎゅーで
そのまえにさんちまでドライブ。
みなとみらいの夜景の美しさに
「この景色が遠くなるのがちょっとだけさみしんだよね」
とポツリ漏らすさとみにゃん。
チャブダイのアイドルになるために
手放すものもあるんだよね。

私も残り20年、したいことして生きるために
痩せるほど稼働しなきゃ。




梅しごと 土しごと

2017-06-13 18:56:09 | 日記

うかうかしてたら近所のスーパーから
果実酒用のブランデー紙パックが消えた。
他はみんな揃ってるのに、と焦りつつ
ドラッグストアで安価なブランデー購入。
青梅は白加賀、サカタのタネで見つけた。
ぎゅっと締まった美しいフォルム。
見た目が整ってるものは美味しいに違いない。
黒砂糖と氷砂糖を半分ずつで仕込み。
秋が待ち遠しい。

一月前には逗子の妹の家に遊びに行った時に
鎌倉の八百屋で大ぶりの青梅を購入し
すぐに氷砂糖に漬け込んだ。
その1週間後にはもうひと瓶漬け込み。
こっちはそこらの店の梅なので
特別良いということもない。
だけどシロップにするんなら
そんなに拘らなくていいかと思う。
でもこれで夏にがっかりしたら
来年は吟味して作ることにする。

ところでサカタのタネに行った主目的は
ラディッシュのリトライのため。
一月前に蒔いたラディッシュは
茎が伸びてしまっていまひとつ。


原因は水のやりすぎと日光不足と土。
ふわふわの土って根野菜には良くないんだって。
だからもう一度蒔くことにしたんだけど
良く見たら夏場は育成に向かないらしい。
一応ちょっとだけ蒔いてみたけど
これは秋にもう一度やり直しかな。

育てるのが簡単だと聞いたから
適当にやっちゃったのが間違い。
そもそも土しごとなんかど素人なんだから
もっとしっかり勉強してから
取り掛かるんだった。

元来気が長い方ではないし
コツコツ継続することも不得意なので
仕掛かってから出来上がるまでに
時間がたくさんかかることは苦手。
梅しごとは完成まで日数はかかるものの
手間はほとんどないので問題ない。

でも土のものは毎日様子を見て
水が足りてるか、肥料はどうか、
混み合いすぎてるんじゃないか、
などと気を使わなければならない。

だけど不思議なもので
毎朝起きてベランダに出て
どう?元気?なんて声かけてると
可愛くなってくる。

具合がおかしければ心配して
雨風強ければ心配して
間引きした葉っぱを
ショリショリ食べては
まるまる太ったラディッシュを想像して
ニコニコする。

そして、店に並んでいる立派な野菜を見ると
作った人に敬意を感じるようになる。

多分この辺のことは
「学校でオクラを育てる小学生」の時代に
認識すべきことなんだろう。
何十年遅いんだか。

さて次は紫蘇ジュースと
梅干しの仕込みをしたいんだけど
容れ物を置いておく場所
どこにあるんだろうか。。。



る!コルドンブルーに行ってきた♪

2017-06-11 19:48:00 | お菓子作り

伝説の?トラシャンパーティの打ち上げで
美奈さんに「今度は是非コルドンへ!」とお誘いいただき
行く行く!一人じゃ怖いけど連れてってくれるなら行く!と
予約したのが半年くらい前の事。
あっというまに今日を迎え
早めの電車にゆるっと座っていこうと思ったら
同じ車両に同じ考えのみなこさんが座ってた。

代官山は相変わらずオシャレな人しかいないな。
イルプルに行く時に通り過ぎるだけだった
コルドンの中へ初めて侵入。
空気がパリ。いや行った事ないけど。

受付でファイルとエプロン、布巾を受け取って
地下の控え室で支度をし
さらに下の階のロッカーにバッグを入れる。
地上3階、地下2階の立派な建物。
部屋についてるフランス語の名前がいちいち小洒落てる。
案内してくれた日本人の女の人が、向こうにいるフランス人シェフと
大音量のフランス語でこれ見よがしに会話してる。
すーーごーー。

卒業生の美奈さんがキッチンをちら見して
「今日の先生は・・・・・な人だよ」(・・・部分は自粛)と
こっそり情報をくれたりして、ちょっと和む。

ルセットにはパーツの名前と材料と分量のみ。
え、5つもあるの?3時間なのに?
仕込みはあるんですか、と美奈さんに聞いてみたら
うーんたぶんないと思う、もしかしたらグラサージュくらいは、と。


で、そこらへんで十分予測ついたんだよね、ほんとなら。
そのあとチームMF、衝撃に出会う。

ケーキの組み立ては、ビスキュイ、チョコパフ生地、クレーム、ムース、グラサージュ。
まずはビスキュイとチョコパフのデモを見て、実践。


作り方はルセットにないから、メモをひたすら取る。
写真も撮って良い。でもあんまり撮る暇なかったな。
先生の説明は明確でわかりやすく、
やっちまいそうな失敗についても先に言ってくれるから安心。

102グラムの卵白でメレンゲを作る。手立てで!
あんなでっかい泡立て器、持ったことない。
あとで美奈さんに聞いたら、上級クラスになるまでは
生クリームでもメレンゲでも、すべて手立てなんだって。
ハンドミキサーなんて存在しないんだって。
そして当たり前のように利き手じゃない方でも
泡立て器を扱える美奈さん、かっこいい。

ビスキュイの粉を紙の上にふるって
そのまんま台に放置、直接in。
台に粉が飛び散りまくってるのを布巾でざっと拭く。
さらに、「多めにできるんで全部絞り出し袋に入れなくていいです」
というビスキュイ、絞ってもまだ袋に3割程度残ってる。
それらは全部廃棄。なんか心臓が痛くなる光景。

さて実践。生徒は総勢14人、先生の他にアシスタントが2名。
アシスタントの人たちがくるくると動き回り、手元を片付けたり
メレンゲ必死に立てる私に「頑張って下さい!」と
グッと拳握ったりしてくれる。楽しい。
でも気づいたら周りの人はもう焼きに入ってるのに
私も博子さんも絞りの途中。
あとで気づいたんだけどビスキュイは本当に薄くてよかったのに
メレンゲに時間かけすぎちゃった。

普段のレッスンで、「置いていかれる」なんてことないから
ものすごく新鮮な驚きで
みんな早いんだなー、急がなきゃなー、と思った瞬間
隣の博子さんから「巻かなきゃ!!」というものすごい波動が。
それを感じ取った途端、笑いがこみ上げてきて止まんなくなった。
そしてその隣のみなこさんは、いつもの通りの笑顔なので
ますますおかしい。

クレームに入れるバニラペーストの量、「スプーンでこんくらい」とか
アングレーズの加熱は「鍋ふつふつするくらい」とか
ムースの、生クリームと合わせるときのピュレ生地の温度は
「ボウルの底を触って冷たいと感じるくらい」とか
普段温度計できちっと測るチームMFには戸惑うことが多い。
これも後で聞いたんだけど、コルドンでは
温度計できちっと測るのは飴がけの時で、
あとはチョコのテンパリングだろうがアングレーズだろうが
状態見て判断なんだそうだ。
難易度高し。

もともと、「誰が作っても同じようにできるルセット」を目指すイルプルと
スペシャリストを育てるコルドンの違いなのだし
どっちがいいも悪いもなく
ただひたすらにカルチャーショック。
先生がカットしたビスキュイ生地を
台の上に直接置いちゃって
さらにその上にルセット重ねちゃったりして
あらまあ。。。なんてびっくりしたりね。


グラサージュに着色する時、ついうっかりたくさん入れてしまって
かなり濃い色になった私のを見て
あ、そんくらいにしてもいいかも!と他の3人が
どんどん色追加するのが面白かった。

仕上げて冷蔵庫にしまい、試食。

先生もその場にいてお茶だけ飲んで
「何か質問は?」

「粉ゼラチンと板ゼラチンって違いありますか」
「ない」

「グラサージュは日持ちしますか」
「しない」

って、何かものすごくバッサリした回答がおかしい。
美奈さんと話すときにはもっと滑らかなのに、人見知り?

チョコパフの食感がとても楽しい。
クレームの濃厚なバニラの香りに癒される。
想像していたよりずっと優しい印象の味。
でもムースをもっと食べたかったな。
ビスキュイ一枚間引きしてもよかった。

先生が、今回作ったパーツは
単体で他のお菓子に使ってもいいし
組み合わせを工夫してもいい、とおっしゃるので
ちょっと驚いた。
いつも習ってるのは、完成されたバランスを大事にするケーキなので
パーツごとに他で使ってもいいよね、なんてことは言われない。
帰り道、博子さんと
「パフすごく気に入った!ムースの下に敷くのやってみよう」
「チーズケーキの台でもいいかもねー」
なんて話しながら帰った。

結局パーツの仕込みは一切なく全部作っての3時間コース、
時間押してしまうのが想定内で、思いがけずきちんと終わったということだけど
参加した人がみんなそれなりのレベルだったということかな。

ちょっとは知ってると思ってた世界が
全く違っていたことに衝撃と興奮を覚えた
とっても楽しい体験だった。



お連れくださった美奈さん、ご一緒した博子さん、みなこさん、
ありがとうございました!