あ、特に拘りませんので。
あ、特に拘りませんので。
別に悪いことやってるわけでもないのになんとなく開催自体を秘密裏にって雰囲気なのが困るわ。
去年やるはずだった夏のお祭りライブが丸々1年延期になり、この4連休の途中に開催されました。
世話人さんが兎にも角にもライブハウスのオーナーさんを励ましたかったんだと思います。
彼は去年還暦で、都内にあるいくつかのライブハウスのうち、本当に素敵だったハコを一つ他人に売り渡すことを余儀なくされたんだって。
本当は去年来てもらうつもりの真っ赤なちゃんちゃんこをステージで着せてもらって、なんだか機嫌が良さそうでした。
出演するバンドも12くらいあったはずが、いろんな理由で7つに減ってしまいました。
うちのバンドもベーシストが日程都合合わず、急遽別のお方にピンチヒッターを依頼。
私は、どうしてもライブやりたい、ライブ観たい、じゃないと死ぬ、って体質でもないので、せっかくお誘いいただいたし出ましょうかね、って感じでしたけど
やっぱりステージに立って(こちらのハコも相当ゴージャスでした。)歌い出したら、ああやっぱり楽しいわ、と心から思ったよ。
観客を入れないで、演者さん同士が観客になるシステムでしたけど、もう何回も聞いたことあるはずの歌をにこやかに聞いてくれてる他のバンド仲間さんを見て、ありがたいことだわ、と思いました。
そう、言葉選ばず言ってしまえば「身内の音楽遊び」ですよ。そりゃその通りですよ。
いや、中にはちゃんとプロの音楽家さんもいらっしゃいましたけどね。基本はそうです。
だからなのかな、とは思う。世話人さんのバンドのドラマーが当日の朝にグループラインで「ごめん、熱出たから休むわ。」って言ってきたらしい。直近でワクチン打ったらしい。世話人さんはカンカンです。
で、急遽ご自分がボイトレ付けてもらっている先生(本業はドラマー)に無理言って来てもらったと。
そうそう、そちらのバンドのベーシストもうちと同じ人だったので、そちらも別のピンチヒッターが演奏されてました。リズム隊が借り物ってどういうことでしょうか。しかし二人ともスーパースペシャルプレイヤーでしたので、とても素晴らしいライブとなっておりました。笑
めでたしめでたし。じゃなくて。
私は部外者ですので、このご時世に音楽遊びよりもワクチン接種を優先させるというのは一理はあるなと思います。でもだったら接種日が確定した時点で代役を頼むべきでしたよね。発熱は十分想定できる範囲ですから。いくつもバンドがあって、ドラマーもバンドの数だけいるから、そんなに難しい曲でもないし、誰かそこにいる奴が叩けばいいだろうよ、くらいに思っていたのかもしれないな。そしてそれも実際、できないことじゃないらしい(うちのバンドのドラマー曰く)。けど何が1番の問題なのかというと、世話人さんが大切で重要でエネルギー注いできた物事について、あまりにも扱いが軽薄だということです。リスペクトがない。昨日今日の付き合いじゃないんですもの。なんでそんなことするのかな。
数年前ですが、全く別の口から、同じドラマーに対してのクレームを聞いたことがあります。それはちょっともうクレームというか怨念みたいになってたんだけど、なんだか酷い人なのかしらと思っていたら、そのドラマーさんと直接話をした時にいろんな誤解が解けたのです。いや、悪いことしてないかって言ったら、そうじゃないのですけど、そこまで悪く言われるほどのことはしてないかな、って感じ。今回も彼の話を聞いたら、もう少し同情する余地が生まれるのかもしれないけれど。でも残念です。
そして当人同士は絶対それどころではないと思うけど、そういう話を聞くたびに、なんだか中学生とか高校生とかのバトルみたいでとても可愛らしいなと思っちゃうわけです。社会生活をしてる時は皆さん大人としての振る舞いを当然押し付けられるんだけど、たまにガキの頃の楽しさを味わいたくなって、それで音楽遊びするんじゃないかな。
私もっとガキの頃に遊んでおけばよかった。だから今必死になって遊んでるんだね、多分。
バッハのカンタータ78番はソプラノとアルトの2重唄で、ソリストの演奏を聴くと「ほらうちらこんだけ速く歌えんねんで」的なのが多い気がするんだけど、ゆり児(我らがゆりがおか児童合唱団)の伝統的な速度はミディアムなのね。ぶっちゃけ速いとブレスが楽だったりするけど、それはまあ上っ面だけするすると歌ってしまいがちだからね。それにしても最高音はただのGだったわ。がっかり。こんなにも歌って歌えなくなるもんなのね。
去年ゆり児は50周年を迎え、盛大に定期演奏会でお祝いする予定だったのだけど、何もかもあのトゲトゲしたウイルスのせいで、演奏会自体が延期になってしまった。今年はどうにかしてやろうと、関係者みんなとても頑張ってくださっていて、ただふらりと遊びにいってるだけのOGである私はもう感謝しかない。広いホールに入場制限をして、事前予約以外では入れないことにするらしい。いやもうおおごとだわ。何かの節目ごとに卒団生にも声かけてくれるんだけど、現役ちゃんに混じって歌うのはこっちは楽しいけど向こうはちょっと迷惑みたいなところもあり、今回はOBOG ステージとして3曲歌わせてもらうことになった。78番と147番、それに三善晃さんの「小鳥の旅」。小鳥の旅は大好きすぎて、卒団する時にもらうトロフィに何の歌を刻むかって聞かれて私たちの代11人が声を揃えてこれって言ったやつ。OBOG練習は先週から開始されてて、私は今日から参戦。皆勤は無理だけどできる限り参加したいと思ってる。歌が上手いとかなんとかじゃないんだよね、合唱ってさ。一緒に歌う人たちと練り込んで作るもんだから。いやむしろ、個人はちゃんと練習してきて上手く歌えるようになってるのは当たり前で、その先を目指すから、感動レベルのステージになるわけで。あ、今自分で自分の首絞めたわ。
子供の頃は16分音符を転がせることがちょっと得意だったりしたけど、今日改めて藤井先生に指導されたのは、大切なのは4分音符をきっちり響かせることと、低音から段階的に高音に上昇していくのを意識することね。今日はソプラノ3人対アルト6人で、ちょっと声量がんばらなきゃって思うとつい息が切れる。それと腹筋の衰えがやばい。たった1時間のレッスンで、脳内の微細な血管がいくつもブチ切れたみたいでじんじんしてきた。そしてドイツ語の発音が下手すぎて怖い。ちょっとDuolingoしばらく英語休んでドイツ語にしようかしら。単語の発音の強弱がそのままメロディに合わせてあるという、まあ至ってとてもまともなことが発音が下手だとぐちゃぐちゃになるのよ。いや最近の日本のポップスは全然違うことになってたりもするけれどね。そういうのユーミンにまとめて怒られたらいいのよ。
「小鳥の旅」はもうそれは数え切れないほどステージに上げてきて完璧出来上がってるんだろうと思っていたけど、子供の歌と大人の歌はちょっと違うのね。積み上げてきた経験値をベースに情感を描くとでもいうのかしら。ただやりすぎると気持ち悪いので、あくまでも「小鳥」は「小鳥」。って藤井先生に言われてちょっと吹いたわ。そうそう大人ったってover50からハタチそこそこまでいるんだけどね、OGちゃん。やっぱり50年という歴史の長さを痛感する。今日は超久しぶりにTちゃんに会ったんだけど、彼女が団長だった時に起きた悲しい事件が蘇って、思わずよく頑張ったよねあん時、ってなっちゃった。それは創始者の山田先生が登山に行って滑落事故に遭い、そのまま帰ってきてくれなかったこと。団員たちに事実を伝えるのが遅くなった理由は、他所から頼まれていた大事なサントリーホールでの仕事があったから。そのステージに私の娘も乗ったんだけど、疲れてヘトヘトで翌日はもう学校っていう彼女には言えなくて、朝になり学校に行って帰ってきてご飯食べてから切り出した。でも大方のお母さんたちは黙っているのに耐え切れなくて、Tちゃんは大仕事終えて帰宅した夜に爆弾食らって翌日から学校休んでたよ。
そうそうそんで私の娘はそれ聞いて音も立てずに涙だけボロボロ流して、それからはその話をお互い全くしなくて、先生のお別れ会での演奏でも最後まで歌い切ってた。他の子はもう泣きすぎて歌どころじゃないなんていうのざらで、私はもしかしたら娘ってドライなのかしらと思ったもんだった。お別れ会が全部終わって、二人で先生の写真の前で最後の挨拶っていうか、ただ見つめてただけなんだけど、突然彼女が崩れ落ちるかのように泣き始めてびっくりした。みんな終わったからやっと泣ける、って。私はもう枯れたかと思った水分がまた噴出したわ。
私自身は、この合唱団は山田先生のもので、彼女がいなくなったら消失するのが自然だろうと思っていたけれど、当時の事務方をしてくださってたIさんが超優秀な人材だったことと、OBで声楽家の藤井先生が快く手伝いを引き受けてくれたことで、それから10年継続してくれてる。今日、早めに行って現役ちゃんらの声を聞いてたんだけど、ゆり児の声がちゃんと継承されてることに感動した。OGレッスン始まっても、ブランクどんだけあるのよ、っていう人たちが集まって声出すとやっぱりそこにはゆり児の音っていうのがちゃんと存在してる。仕事もあれこれぶっこまれすぎてる上に焚き火だバンドだギターだと遊びすぎてる私、演奏会なんて出られるのだろうか、と不安だったけど、今日改めて、いやちゃんと出る、ちゃんとしたもの歌ってやる、って思ったわ。そんなチャンスがもらえること自体奇跡みたいなもんなんだから。それにお空の上で恩師も聴いててくれるだろうし。そちらは密になる心配はないものね。