長老ミーティングは午前9時半に始まり、13時を過ぎてようやく終了した。
無駄に長い時間過ごしている間に色々な事が見えてしまう辛さを共有するなどした。
もちろんもっと建設的な話もしたけれど、ヒートアップするのはやっぱり、本社の人たちの心無い発言についてのブーイングだね。
正式発表はもう少し先だけど、私は今いる事務局だけをお世話する係ではいられなくなるらしい。
さらに来年の秋からは魔の巣窟?である本社ビルに出向くことになるらしい。
既に先に討ち入っている先輩らからは、私が潰されないように守る術について話し合いもされてるらしい。ありがたい。怖い。
そうなると今私がやってることは全部、後輩ちゃんに引き継ぐことになる。まあ遅かれ早かれそうなることは想定していたので、既に後輩ちゃんのリーダー教育は始まってて、仮に私が今日死んでも、事務所は困ることはないだろうと思われる。
後輩ちゃんもまあ大体出来るわ、と思っている。というのを今日若い長老(何だよ)から聞いた。プライベートでお茶する仲らしい。いいなあそういうの。で、そこでオフレコの話として彼女がそう言ったと。
でも彼女は「もし私がそう言ったら、サカモトさんのことはもう不要です、って言ってるみたいに聞こえちゃって、それでサカモト さんが傷つくかもしれないから、言わない」のだそうだ。
だから「できます。大丈夫です。」ってセリフは一生言われないと思います、と若い長老は笑ってた。
優しいな、と思った。
同時に、私とは違う生き物だなとも思った。
彼女が「もう大丈夫、自分でやれます」と言うのを聞いて私は傷つかないし、むしろ嬉しい、いやいやもっといえば、そうじゃなきゃ困る。大体、そうなるように私はあれこれ努力してる。既に存在してる業務についてはやり方もツールも用意してあるんだから、あとあまり訓練してないのは、全く新しく降って湧いた業務をどう取り扱うか、ということくらいか。それを残された2ヶ月で可能な限りトレーニングする。後はもう、あなたのチームであなたの持ち場なので、自力でどうにかしてもらう。それには苦労もするだろうけど充足感も自己肯定感もあるはずなのでね。
だけどずるい私は間違いなく、彼女に「え〜。いなくなったら困ります〜。」って言われたら、「え〜。大丈夫だよ〜。なんかあったらいつでも聞いてね〜。」とか女子力満載で答えるんだろうな。女子力なんか装備してたっけ?メルカリで買えるかしら。