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今度の土曜日だってよー、と
サカモトさん。
わかった、いくー、と
わたし。
この時点でわたしは特に
呼ばれてません。
でもさあまあ枯れ木もなんとやら
って言うじゃん。
って誰が枯れ木だ。
とりあえず昼飯とおやつの用意。
うちから車で7分くらいで
目的地付近到着。
そっからよくわかんないので
電話すると
ご本人じゃなくもう一人の
強力助っ人 イナバさんが
向こうの小道から出てきて
大きく手を振ってる。
入ったら方向転換難しい道なので
最初からバックでグイグイ入ってく。
とっつきに停めてそこから
階段を降りていくと
おお、やっと会えた、本日の主役。
かなり突発的ではあるが
この度めでたく彼女ちゃんと
一緒に暮らすことになったその男は
2階の部屋から下のリビングへの
移動かよ、っていう
超簡素的に作った荷物を
順番に玄関から持ち出してくる。
大物はほとんどイナバさんが積み込み済みで
うちの車は細々したもの担当らしい。
「これはチカさんが助手席で
膝に抱えて乗ってね」
という紙袋には
ピカピカのレーシングカーの
模型が入ったアクリルケースが二つ。
なんかのイベントで作ったという
ダンボール製のポリゴンペンギンは
小学生くらいの身長がある。
「くちばしが大事なので折れないように」
だって。
積み込みを終えて
「じゃあまた後で会おうぜー」と
軽やかにイナバさんの車の
助手席に乗り込む主役。
レーシングカー、
自分で持てたじゃん。
っていうのに
だいぶ後になって気づいた。
走り始めて30分もすると
だいぶ空が広くなってくる。
背の高い建物が無くなる代わりに
畑や田んぼがちらほらと。
しかし新居はターミナル駅の真ん前で
商業ビルに囲まれたマンション。
小さめの駐車場に突っ込んで
とりあえず荷物をみんな
エレベーターホールへ運び出し
そこから目的の階まで
ちまちま運ぶ。
二人暮らしには広すぎるくらいの
ゆったりしたお部屋。
彼女ちゃんのシンプルライフに
ガンガン割り込んでいく
シンプルとは真逆な男。
靴、時計、メガネ、ジャケット、
同じアイテムを様々なバリエーションで
持ちたいのだそうだ。
荷物運びを手伝ってくれる友達に
気をつかうお母様が
「足は2本しかないのにねえ、こんなにブーツばっかりあってもねえ」
とおっしゃるのが面白かった。
食器、と書かれた小さい段ボールを
いくつか開封してるうちに
「ああっ、カレー皿がない」と騒ぎ出す男。
「あれがないと明日のお夕食のプランが」だって。
お仕事で遅い彼女ちゃんのために
カレーを作っておいてあげるつもりらしい。
いいじゃんこっちの大皿で、と思うけど
ちゃんと楕円のカレー用のお皿じゃなきゃ
ダメなんだってさ。まったくもう、ねえ。
その後無事にカレー皿は見つかって落着。
手伝ったお礼にと、近所の美味しい焼肉屋さんへ
連れて行ってもらった。
味噌の3種盛りが美味しかった。
デザートのアイスを食べながら
「昔、わんこアイス大会で優勝したんだぜ」と
威張る男。でも聞いたらすんごい狭いエリアの優勝だった。
そもそも、わんこアイスって面白すぎるし。
仕事のため今夜は実家へ戻るという男。
じゃあ一緒に帰ろうかってなって
その前に彼女ちゃんに置手紙を書くと。
可愛らしいことするじゃん。
書き終わったそいつを大声で朗読しようとして
止められるサカモトさん。
前にもそうやって書かれた置手紙を
彼女ちゃんは全部大切に保管してるんだって。
なんだよ、ごちそうさまなことだなあ。
だけどそれ聞いてとても嬉しかった。
日が落ちた後の風はもう冷たいけど
幸せそうな友達を見てるおかげで
ほかほかです。
・・・あれ?
あの男
カレーなんか作れたっけ?
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