ちいさなつづら

肩幅で暮らす。

伊予生糸の伝承へ!!

絶滅の危機にある文化、養蚕・製糸。その中でも、最高級品質の絹糸、「伊予生糸」は、日本の地理的表示保護制度の認証を受けています。養蚕農家、製糸技術者が減ってゆく中で、どのように後世に残して行くか、皆さんのご協力を得ながら、課題解決に向けて頑張ります。応援よろしくお願い致します!

腐敗防止剤の不思議

2014-01-07 19:35:13 | かんがえるあし

 これまでにも、旧ブログなどで、腐敗防止剤のことを取り上げてきました。

 
 昨日も、農協へ出荷している農家さんが、腐敗防止剤を、伊予柑畑で散布しているのを見かけました。



 腐敗防止剤が、必要なのかどうかは、以前書きましたので、今日は、別の視点から、考察してみましょう。


 
 国内で一般的に出回っているかんきつ類は、ほぼすべて、腐敗防止剤が使用されています。

 収穫前に、散布されます。


 海外からやって来る柑橘が、収穫後に農薬を散布されるの(ポストハーベスト)と、少し違いますね。


 で、思ったのですが、なぜ、収穫前に散布するのでしょう?


 効率や、経済性から言えば、収穫後に散布した方が、良いといえますね。なぜなら、畑で散布するということは、広大な面積を、いちいち歩いて移動しながら、大量に散布することになるからです。

 腐敗を止めたいのは、果実だけでしょうが、園地内で散布する、ということは、樹木全体にかけることになるわけです。

 樹木の半分以下の体積しか、果実がないとすれば、農薬半分を、捨てているようなものと言えると思います。

 
 収穫後に散布するのであれば、倉庫内で散布することも可能で、上手に管理すれば、余計な飛散(ドリフティング)の心配もないのでは、と思います。


 不思議に思うのは、農協の、指導。

 腐敗防止剤は、収穫の数日前まで(品種により、差があります)に、使用せよ、とのこと。


 直前や、当日じゃ、だめらしいのです。


 なぜ?


残留農薬の程度が心配だから、という人がいるかもしれませんが、現実に即してないように思います。

 例えば、伊予柑などは、収穫2日前までに、散布せよ、とありますが、伊予柑は、収穫後長期保存してから、出荷するのが一般的です。消費者のもとへ届くのは、腐敗防止剤散布から1週間以上後になることの方が、多いと思います。

 

 
 このことに気が付いている農家さんは、どれくらいいるのかな?

 
 無農薬であろうと、農薬使用であろうと、はさみで傷のついた果実や、選果中、輸送中に傷のついた果実は、いずれ腐ります。

 
 腐敗防止剤の散布は、旧態依然の何かの儀式みたいに思えます。得をするのは、農薬を製造、販売している人だけですな。


 
  
 もちろん、ご存知の通り、私の農園では、腐敗防止剤は使用しておりません。