長男が生まれて40年近く、こどもの日が近くなると「兜」を飾ってきました。久能山東照宮にある徳川家康の具足を模したものです。前立てに羊歯の葉を配した頭巾型。羊歯には長寿・子孫繁栄の意味があるそうです。
今年はその兜がありません。3.11の年を除き毎年飾ってきましたが、もうお役御免かと考えました。年に一度出すだけなので傷みはありません。捨てるに忍びず、図書館にもらってもらえないかと訊くことにしました。毎年3月にはロビーに雛人形が飾られますが、5月のロビーの淋しさが気になってもいました。市の図書館運営委員会に長くかかわってきたこともあり、館長さんに意向を聞くと快く引き取ってくれると返事をいただきました。早速、兜本体や弓、太刀、篝や屏風などを届けました。
後日、「ロビーに飾ったので見に来てください」と連絡がありました。途端に、新型コロナウィルスの影響で閉館。子どもたちに見てほしかった兜、まもなく5月5日です。今年は誰の目にもふれることなく、ロビーにひっそりと飾られたままになりそうです。
家康の兜が一日も早く「邪気」を払ってくれますように。