昨年から二つの「座」の「連衆」に加えていただき文韻(メール)で連句を詠んでいます。
その一つは連衆4人、私の発句によって始まった二十韻「蟷螂をの巻」が「名残の表」まで進んでいます。もう一つの座は連中5人、歌仙「空蝉の巻」がつい先日巻き上がりました。初めて巻いた歌仙の挙句が「捌き」によって決まった時には、一人で詠む俳句とは違った喜びがありました。
続いて20韻に移ることになり「捌き」から以下の発句が示され、今回は私が脇句を付けることになりました。
鳥一羽よぎり太平洋おぼろ
冬ぬくし鈍行で行く母の郷
大枯野行く胸中に火種持ち
鷹匠の眼差し凛と大枯野
冬ぬくし鈍行で行く母の郷
大枯野行く胸中に火種持ち
鷹匠の眼差し凛と大枯野
このところ 火の如き弟子一人欲し年の暮(原田浜人) の気分でしたので迷うことなく、
大枯野行く胸中に火種持ち
をいただき、それに脇句を付けることとしました。捌きからは「脇は同時、同場所でお願いします。発句に出ていないものを出して、発句を補う感じで・・こう書くと何だか小難しくなりますが、要は発句に寄り添うかたちで、ということです。」とのメッセージが届いています。それを踏まえて下の5句を考えました。
目指すは遥か凍星の下
凩の押す青年の背な
恐れず走れ君は狼
空に励ますごと虎落笛
旅の途中に駆け巡る夢
凩の押す青年の背な
恐れず走れ君は狼
空に励ますごと虎落笛
旅の途中に駆け巡る夢
これが脇句としていいのかどうか…。百聞は一見に如かずと連句の座に加えていただきましたが、まだ「式目」などもよく分らず教えていただくばかりです。
発句と脇句によってその巻の形が決まりスタートすることとなります。果たして私の脇句に対してどのような「一直」があるのか楽しみです。(すべてボツで詠みなおし、もあります。)
「歌仙は三十六歩なり。一歩も後に帰る心なし」の基本精神を踏まえ、楽しみながら学んでいきたいと思います。