劉玄徳とはこんな男だった。
軍閥の頭になったのはいいのだが、あちらこちらの領主に泣きつかれては出兵し、良いように利用されていたのだ。
つまり部下を働かせても、部下の労働の成果を収穫して回収し、彼らに報いることができなかったのだ。
それでも軍閥の頭としてやって来られたのだから不思議であり、ある意味立派なことだ。
が、これではいけないと一念発起して諸葛亮を幕下(ばくか)に招き、彼のおかげで将兵たちをただ働きさせたり、すり減らしたりすることがなくなり、将兵の働きを収穫して回収し、蜀帝国の皇帝になれたのだ。
とにかく諸葛亮を迎える前のような劉玄徳であっては困る。
国の起業キャンペーンの口車に乗って、起業家になるのはいい。
だが、諸葛亮を迎える以前の劉玄徳のような経営方針では部下がかわいそうだ。
よくよく考えられよ。