社会人にとって人間関係は常に悩みの種だ。「居場所がない」、「苦手な人がいる」など、理由や原因は様々だが、「職場で明らかに悪口を言われている」という場合は心理的負担になり、悩みは一層深刻になるのではないか。「教えて!goo」にも「職場で悪口を言われたら?」との質問が寄せられていた。
投稿者は、職場で悪口を言われており、毎日人とどのように接したらよいのか分からない様子だ。この質問に対し回答者からは、「気にしないのが一番だと思います」(mimidropさん)や「最低限の付き合いでいいと思います」(noname#132068さん)など、真剣に悩まないようにするのがよいという意見が多く挙げられていた。これは無難な対処法にも思えるが、毎日必ず顔を合わせるので難しいという意見もあるだろう。一方、「その職場に居続けることが精神衛生状によくないなら、辞めますね」(einnさん)のように、思い切った意見もあった。
職場の状況はそれぞれ違うので、一概にどの対処法が一番とは断定はできないかもしれないが、何かよい方法はないのだろうか。そこで、職場で悪口を言われているときの対処法について、キャリアカウンセラーの笹木正明さんに話を伺った。
■50代の女性が経験した職場いじめ
人間関係の問題が起こりやすい状況はあるのだろうか。笹木さんに事例を挙げていただいた。
「某スーパーの話です。50代の主婦Aさんはパート職で採用されました。そこに20代女性のBさんがいましたが、最初から折り合いがよくありませんでした。Bさんは他グループの業界歴の長い50代のCさんに、丁寧で明るい対応だが、スピードが遅いAさんの仕事ぶりに関して悪口を言い続けました。その後、仕事の速さは抜群のBさんは上司から主担当に抜擢されましたが、Aさんを引き続き仲間はずれにしようと、数カ月間Cさんと悪口を言い続けました。4カ月後、Aさんは意を決して上司に退職する必要があるかを問いました」(笹木さん)
上記の例では悪口のターゲットとなった女性は50代、悪口を言い始めたのは20代の女性で年齢の差があるのがポイントだ。その他の例では、女性数人が団結して熟年男性社員を退職に追い込んだケースなどもあるという。年齢や雇用状態の違い、男女の比率など、何かしらの「差」があると人間関係の悪化を招きやすいのかもしれない。
ではもし職場で明らかに悪口を言われていると分かった場合、どのように対処すればいいのだろうか。
■「話しやすい人」がキーパーソンに
人間関係が悪い職場では、「誰も味方がいない……」と悲観的になってしまうものだ。そのような中でも、「あの人だけは話しやすい」という人物が職場にいると、局面を打開しやすいという。
「職場の人達は見て見ぬ振りでした。しかし、Aさんは上司に仕事について時々相談をしており、適切なアドバイスを受けていたようです」(笹木さん)
話しやすい人物に相談することは、ストレスの軽減にもつながる。それを皮切りに「話せる人」が増えてくれば、次第に解決の方向へ進むことがあるのだ。
「このスーパーでは、時々スタッフの意識調査を実施していました。その中で、人の悪口を言ったことがあるかの記載があったようです。その結果をもって会社側のフォローがあったようで、AさんとCさんの会話が少しずつ進むようになったのです」(笹木さん)
Aさんへの悪口を助長されていたCさんとも話せる仲になり、Aさんは退職せずに済んだという。
■本当に苦しいときは……「退職」もアリ
上記の例は幸いにも「話せる人」がいたパターンだが、運悪くそうした人物が周りにおらず、いじめにより仕事に支障が出ているような場合は、無理をせずに「会社を見切る」こともアリと笹木さんは言う。
「苦しみを聞いてくれるところがあれば会社に残ってもよいと思います。また、職場でのいじめを罰する規定がある場合も同じです。これらがない場合や、納得できないことが放置される職場は退職した方がよいこともあります。何よりも自分の生命を優先すべきです」(笹木さん)
今回の事例や投稿者のように、人間関係に悩む人は、まず自分を追いつめないようにしよう。そして職場で一番話しやすく相談できる人がいないか、いない場合は友人や家族、専門の相談できる機関などに打ち明けてみてはいかがだろうか。決して一人で抱え込まないことが大切であることを忘れないでほしい。
● 専門家プロフィール:笹木 正明(ささき まさあき)
キャリアカウンセラー。大学時代にレスリスバーガーの「人間関係論」を勉強。会社勤務しつつ、40歳から転職相談業務に従事。57歳で退職後、放送大学大学院修士全科生として入学。68歳まで人材紹介会社に勤務。現在は放送大学の学習センターでボランティアの学習相談を務める。
教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)
投稿者は、職場で悪口を言われており、毎日人とどのように接したらよいのか分からない様子だ。この質問に対し回答者からは、「気にしないのが一番だと思います」(mimidropさん)や「最低限の付き合いでいいと思います」(noname#132068さん)など、真剣に悩まないようにするのがよいという意見が多く挙げられていた。これは無難な対処法にも思えるが、毎日必ず顔を合わせるので難しいという意見もあるだろう。一方、「その職場に居続けることが精神衛生状によくないなら、辞めますね」(einnさん)のように、思い切った意見もあった。
職場の状況はそれぞれ違うので、一概にどの対処法が一番とは断定はできないかもしれないが、何かよい方法はないのだろうか。そこで、職場で悪口を言われているときの対処法について、キャリアカウンセラーの笹木正明さんに話を伺った。
■50代の女性が経験した職場いじめ
人間関係の問題が起こりやすい状況はあるのだろうか。笹木さんに事例を挙げていただいた。
「某スーパーの話です。50代の主婦Aさんはパート職で採用されました。そこに20代女性のBさんがいましたが、最初から折り合いがよくありませんでした。Bさんは他グループの業界歴の長い50代のCさんに、丁寧で明るい対応だが、スピードが遅いAさんの仕事ぶりに関して悪口を言い続けました。その後、仕事の速さは抜群のBさんは上司から主担当に抜擢されましたが、Aさんを引き続き仲間はずれにしようと、数カ月間Cさんと悪口を言い続けました。4カ月後、Aさんは意を決して上司に退職する必要があるかを問いました」(笹木さん)
上記の例では悪口のターゲットとなった女性は50代、悪口を言い始めたのは20代の女性で年齢の差があるのがポイントだ。その他の例では、女性数人が団結して熟年男性社員を退職に追い込んだケースなどもあるという。年齢や雇用状態の違い、男女の比率など、何かしらの「差」があると人間関係の悪化を招きやすいのかもしれない。
ではもし職場で明らかに悪口を言われていると分かった場合、どのように対処すればいいのだろうか。
■「話しやすい人」がキーパーソンに
人間関係が悪い職場では、「誰も味方がいない……」と悲観的になってしまうものだ。そのような中でも、「あの人だけは話しやすい」という人物が職場にいると、局面を打開しやすいという。
「職場の人達は見て見ぬ振りでした。しかし、Aさんは上司に仕事について時々相談をしており、適切なアドバイスを受けていたようです」(笹木さん)
話しやすい人物に相談することは、ストレスの軽減にもつながる。それを皮切りに「話せる人」が増えてくれば、次第に解決の方向へ進むことがあるのだ。
「このスーパーでは、時々スタッフの意識調査を実施していました。その中で、人の悪口を言ったことがあるかの記載があったようです。その結果をもって会社側のフォローがあったようで、AさんとCさんの会話が少しずつ進むようになったのです」(笹木さん)
Aさんへの悪口を助長されていたCさんとも話せる仲になり、Aさんは退職せずに済んだという。
■本当に苦しいときは……「退職」もアリ
上記の例は幸いにも「話せる人」がいたパターンだが、運悪くそうした人物が周りにおらず、いじめにより仕事に支障が出ているような場合は、無理をせずに「会社を見切る」こともアリと笹木さんは言う。
「苦しみを聞いてくれるところがあれば会社に残ってもよいと思います。また、職場でのいじめを罰する規定がある場合も同じです。これらがない場合や、納得できないことが放置される職場は退職した方がよいこともあります。何よりも自分の生命を優先すべきです」(笹木さん)
今回の事例や投稿者のように、人間関係に悩む人は、まず自分を追いつめないようにしよう。そして職場で一番話しやすく相談できる人がいないか、いない場合は友人や家族、専門の相談できる機関などに打ち明けてみてはいかがだろうか。決して一人で抱え込まないことが大切であることを忘れないでほしい。
● 専門家プロフィール:笹木 正明(ささき まさあき)
キャリアカウンセラー。大学時代にレスリスバーガーの「人間関係論」を勉強。会社勤務しつつ、40歳から転職相談業務に従事。57歳で退職後、放送大学大学院修士全科生として入学。68歳まで人材紹介会社に勤務。現在は放送大学の学習センターでボランティアの学習相談を務める。
教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)
事例にあった『50代の女性が経験した職場いじめ』が、まさしく自分も経験したこと。
会社に退職願を出すまでになったけど、今は別の部署に異動となり、何とか会社を辞めずに済んだ。
休職中に、大型免許の取得やフォークリフトの講習も受け、ちょっとは自信がついた…かなぁ。
自分が窮地に陥ったことで、同僚の本心もある程度わかったしね。