【衆院予算委】民進党、審議より政権批判 参院選にらみ経済、保育などで追及 安倍首相も憤慨
平成28年度補正予算案を審議した16日の衆院予算委員会で、民進党は熊本地震対応より安倍晋三政権批判に終始した。夏の参院選に向けて政権に打撃を与えようという思惑からだ。質疑では、民進党の山尾志桜里政調会長が「男尊女卑政権」と発言し、安倍首相の怒りを買う場面もみられたが、追及は空回りが目立った。
日本は「落第生」
「党首同士で議論して、はぐらかしばかりというのは極めて残念だ」
民進党の岡田克也代表は予算委での質問後、記者団にこう述べ、首相の答弁ぶりを批判した。この日の衆院予算委に続く17日の参院予算委、18日の党首討論は、野党にとって今国会最後の見せ場となるだけに、何とか政権にダメージを与えたいという焦りがにじむ。
岡田氏は質疑で、安倍政権の経済政策「アベノミクス」を追及。日本の経済成長率は低いと指摘し、「落第生の日本が財政出動しなきゃいけないと騒いでいる」と批判した。さらに岡田氏は「国民の大半が景気回復を実感していない。安全保障法制にエネルギーをつぎ込んで経済がおざなりになった」と、批判の矛先を安全保障にも向けた。
首相は26、27両日の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)で、世界経済を下支えする財政出動の必要性を訴える構え。岡田氏にはそれを前に「アベノミクスは失敗」と国民に印象づける狙いがある。
岡田氏の質問に対し、首相は「3年半で110万人の雇用をつくった。民主党政権はマイナス10万人だ。良くなった数値を聞くのは不愉快かもしれないが」と、民主党政権時代を持ち出して皮肉った。
「男尊女卑政権」
続いて質問に立った山尾氏は、民進党などが提出した保育士の処遇改善法案などが審議入りしていないことについて「逃げるな」と迫った。「保育園ブログ」で脚光を浴びた経験から、得意分野で政権を追及した形だ。しかし、首相は「議会運営を勉強した方がいい。国会の議論は委員会で決める」と取り合わず、保育士については「全産業の女性労働者との差を踏まえ、賃金差がなくなるよう処遇改善をする」と述べた。
この答弁に、山尾氏は賃金は男女合わせた平均を目指すよう求め、首相の姿勢を「女性活躍政権ではなく、男尊女卑政権だ」と決めつけた。これには首相も「誹謗(ひぼう)中傷だ。議論をすり替えている。だから議論が軽薄になる」と声を荒らげ、民主党政権時代より積極的に取り組んでいることを強調した。
「男尊女卑政権」発言には、おおさか維新の会の馬場伸幸幹事長も「懲罰に値するくらいひどい発言だ」と批判したが、山尾氏は「セクハラをしている人は、自分がセクハラをしていることに気づかない」と悪びれずに記者団に語った。
一方、民進党の大西健介氏は金銭授受問題で辞任した甘利明前経済再生担当相の問題を取り上げた。ただ、首相は「甘利氏は説明責任を果たすと言っている」と従来通りの答弁に終始し、盛り上がりを欠いた。(沢田大典)
やれやれ、『国民』と言いながら、やっぱり『政局』が大事なんだねぇ、民進党。
友人と選挙の話をしていても、「あの民主党にはこりごり」と言う反応が多いからね。