ことのはのはね~奈良町から

演劇、アート、短歌他、町家での出会いまで、日々を綴ります。

にぎわい・アーティストトーク開催!

2016-09-10 | アート
本日、夕方から、東アジア文化都市2016奈良、ならまちアートプロジェクト、奈良町にぎわいの家「FLOW」展示作家の岡田一郎さん、林和音さん、そしてお二人をにぎわいの家につないで下さった、Gallery OUT of PLACE代表の野村ヨシノリさんのトークライブを開催しました。今回の東アジア文化都市…は、「古都祝奈良」(ことほぐなら)がサブタイトルです。ところが、この言葉、何のことだかわからないという声も。それで、少しはそのイメージがつかめないかな、と「言祝ぐ奈良」として、私が書いた詞章を、トークの始めに読みました。岡田さん、林さんの作品「FLOW」(流れる)にかけて、日本語の「ふろう」が出てくる歌のような詩のようなものを作ったのですが、読む稽古をしていると、私が「ふろう、ふろう」と言ってるので、岡田さんは、「小野さん、まさか不老長寿の不老?!」というので、「不老不死です。」と答えるという、なんだかギャグのような前振りもありました。流れ、ふろう、不老、浮浪、振ろう、など、英語のFLOWが、魂をふろう、まで行き着きました。それはあくまで、前座として…。
本番のトークは、中々、充実の内容でした。岡田さん、林さんの作品に対する解説から始まり、作っている風景なども紹介。岡田さんはにぎわいの家の井戸の作品がありますが、事前の調査に深さを測り、撮影のためのカメラをセットする台を沈め…。私たち、施設の者より、余程、当館の井戸のことを知り尽くして下さっています。会場から笑いが出たエピソードとしては、井戸に設置したカメラ撮影は、人が覗き込んだらダメなので、休館日の水曜日に設置して撮影したのですが、このところの不安定な気候で、雨が降らない日にあたるかあたらないかが、作品を作る上での至上命題?!で、よし、今日は天気だから大丈夫だと設置して帰ったところ、うちのスタッフが、井戸の蓋が空いているのを危険と思って、気を使い蓋をしてしまい、映像がとれてなかった…など、苦労話も披露して下さいました。また、林さんは、大きな「編む」作品ですが、一人で編むのは中々しんどい作業だが、それを現場で構成していくのはとても楽しい、と。まるで空間と共に作品が今、呼吸をし始め、大きくなっていくような…そんな感触を受けました。後、林さんのファンというご婦人の方が最後にお話して下さったのですが、林さんの作品を知ったのは、以前開催された「木津川アート」で、それから注目して、見にいくようになった。自分は芸術の専門家でも何でもないけれど、身近にアートを見るのは楽しいから、こういう場が沢山あったらいいなと思う、と感想を述べられました。
また、野村ヨシノリさんは、アートディレクターとして、奈良の現代美術の牽引者として、ラジカルな視点からのお話を。今回のアート展示も、あまりに知られていない、もっと交流し、広めるための努力が必要と。そして、野村さんの発言で印象に残ったのは、「必然」という言葉。沢山の地域発のアートイベントがあり、レベルも様々ですが、野村さんの言われるように、「必然」性があるものが残っていく気がします。となると、今回の「東アジア文化」という括りの「必然」は?という大きなハテナが残ります。国家事業であるのですが、本来は、文化から平和につながっていこうという気持ちがあってのものでしょう。ならば、やはり国を超えた交流の場であることが「必然」といえます。今回、ここが弱いということを、野村さんは指摘くださったと思います。また、当館事務局長の藤野さんも、にぎわいの家でなぜアートか、というあたりの経緯も説明下さり、ようやくこの展示の全体像も、皆さんにお伝えする場になったかなと思います。今日はトークのおかげで、夜の展示風景も味わえました。来月23日まで続きます。他の奈良町会場のアートも中々楽しいです。また、その感想は後日に。本日のトークの皆様、お客様、ありがとうございました。