ことのはのはね~奈良町から

演劇、アート、短歌他、町家での出会いまで、日々を綴ります。

ラジオ「前登志夫~森の時間」放送終えて

2017-04-10 | 短歌
ラジオ番組は、小町座でオリジナルドラマを何本か作り(近畿コミュニティー放送賞優秀賞作品他)、奈良町にぎわいの家でも作り、慣れてはいるのですが、前先生の番組で、しかも1時間ものとなると、それなりに緊張し、考えつつ作ります。一昨年も一時間番組を作ったのですが、その折も今回も、とにかく、リスナーの方はまず、歌人、前登志夫を知らないという前提で作りますので、なるべく、わかりやすく紹介し、歌や文の解説も、聞いてわかるようにというのを意識して書きます。
今回は、先生の唯一の小説『森の時間』の朗読ということで、こちらも耳で聞いてわかるように…と思いますが、まさか、先生は放送されると思って書いてらっしゃったわけでないので、読んでみると、中々、大変なのです。
今回、朗読のメインを努めてくれたのが、前川俊介さん。彼は、写真を中心とした作品を作る、ピン前川 というアーティスト。なぜ、前川さんにオファーしたかというと、かつては漫才人として舞台に出られていたという経歴と、声の良さ。私が時間がないので、前川さんがあらかじめ稽古下さったところを、ここはこう、と言いながら、「口立て」しながら進むんですが、どうしても違うというところは、何通りも読んでもらい、それを、後で、編集の西村さん(小町座)が、切り貼りするといった、声のツギハギをしていくわけで、本当に時間がかかりました…。
というか、「文」は「せりふ」でないので、大仰に言ってもだめだし、かといって、アナウンサーのような読みでは、この度の企画ではちょっと違う…。その中間をどう料理していくか、本当に出演者、編集者、ご苦労かけました。
耳からのドラマは、効果音と音楽がとても大事です。これまでにオリジナル曲を作ってくださった、作曲家の皆さんのおかげで、ドラマが立ち上がりました。
前先生の声には、毎回作業しながら、いい声だな、役者だな、大きな人だな、と感じるところ多く…。娘のいつみさんの歌も今回入れましたが、お二人の呼吸の大きさには、なんというか、まま、山の息吹を体現なさった、希有な父娘であったのだなと、声を聞きながらつくづく惜しく、悲しくなってしまいました。けれども、先生の「歌」がある限り、「山人」の呼吸はずっと残るのです。これをなんとか、声にする活動を今後も続けていけたらと思います。
さて、出演の前川さんの作品展、奈良町にぎわいの家の現代アート企画ですが、つし2階アート企画「あぁ、わからない」が、4/13(木)より開催、シニカルで可笑しい?!写真展になりそうです。是非、ご覧ください。

 CDジャケット

 奈良町にぎわいの家・蔵展示「前登志夫~森の風景展(終了)

 ピン前川 奈良町にぎわいの家・つし2階展示 4/13~