ことのはのはね~奈良町から

演劇、アート、短歌他、町家での出会いまで、日々を綴ります。

次回小町座公演 2022.8.27 「十六歳」

2022-07-07 | 演劇
2010年に上演した、小町座2人芝居「十六歳」を再演します。キャストは当時とは違い、小町座代表の西村智恵と、中学生の2人が「十六歳」を演じます。この戯曲の初稿は、2001年のアメリカの同時多発テロ事件が起きた時に書きました。当時は次男が一歳で、演劇の現場にもいなくて、かろうじて、短歌で書くことにつながっていました。怒りを書くことで鎮める…そんな感じでした。9年後、小町座で上演するとは、その時は思ってもなく、そしてこの度の再演…。
ウクライナにロシアが侵攻して、2/24、侵攻のニュースを聞いた日にこのブログで書いてから、まもなく五ヶ月に…。この「十六歳」は、この度の戦争のことではないですが、西村が演じる、戦いに身を置いていた若者の声が、何かしら、代弁してくれるのではと願っています。
そして、今回は、「十六歳」の前に、あの文豪トルストイの「イワンの馬鹿」を朗読します。文庫版の原作を脚本化したものを読みます。100年以上前、近代はまさに戦争の時代。帝国主義、領土拡張…現代の問題につながる、多くの戦争があった時代。それでも、ロシアの文豪は、自分の国の民話から、自らの思想である「非暴力主義」を訴えます。幼い頃、「馬鹿なんて言葉、言ったらだめなのに。」と思ったものですが、この「馬鹿」こそが、真実、王であることを理解するには、時間がかかりました。「馬鹿」に託したトルストイの矜恃、面白く楽しく朗読劇にできたらなと思います。
というわけで、この暑い夏を、熱い稽古で乗り切ろう!?と一同、励んでいます。今回も、素晴らしいスタッフが支えてくれます。
どうぞ、是非、ご覧ください。詳細は小町座フェイスブックへ。→https://www.facebook.com/komachiza

 イラスト…川田葉子(初演時のイラストを使用)