ことのはのはね~奈良町から

演劇、アート、短歌他、町家での出会いまで、日々を綴ります。

小町座絵本「いすものがたり」

2020-08-26 | 映像
小町座のイベントで、折にふれ、朗読する、オリジナル絵本「いすものがたり」。2007年、小町座の旗揚げ公演・二人芝居「いすものがたり」の劇中に用いた絵本で、私家版として制作し、来場のお客様に配布しました。二人芝居「いすものがたり」は一人は、戦前の「母」と現代の「ママ」を演じ、もう一人は、戦前から現代に伝わる一つの椅子を演じるもので、二人芝居といっても、一人はセリフが膨大で、もう一人は「椅子」なので話さない、という変わった構成です。初演時のキャストは、現在の小町座にはいませんが、子育て中の母親2人、本当に良く演じたと思います。演劇「いすものがたり」は、2011年の国民文化祭京都でも上演、全国の七劇団とともに、河原町通りの京都府立文化芸術会館で演じました。確かキャパが400人だったと思いますが、2人、頑張りました。その苦労たるや…子育て中の母親が戦時と現代の母を演じ分け、早変わりもし…。それを支えるスタッフも母親たち。そして子どもたちがまだ幼稚園でした。その子どもたちが、難解な構成の戦争や震災が出てくるこの2人芝居を、一時間と少し、集中して見ていた風景は、一生、忘れられません。本当に子どもが喜ぶような芝居でないのに…です。そんなこんなで、私の中では特別な1作。
さて、絵本と芝居の内容は、全く違いますが、この絵本は劇の中で戦争に行く息子が描いたという設定で登場します。ラストシーン、これまで全く台詞もなかった「椅子」が、この絵本を読んで幕となります。絵本は、川田葉子さんの素晴らしい絵もあって、芝居とはまた独立した世界を作っています。この度、小宮ミカさんに新たに絵本をイメージした曲を作っていただき、朗読作品として、YouTubeにあげました。ぜひ、ご覧ください。
それにしても、あれから13年たったのかと、やや唖然としています。その年、2007年の夏、短歌の夏行で前登志夫先生にこの絵本を差し上げたら「いやいやレベルが高いな。」との言葉。何といっても、木の椅子の話ですから、樹下山人と言われる先生にお誉めいただけたのは、本当に嬉しく…先生が亡くなる前年の夏のことでした…。
この頃、前後して、小町座絵本を三作作りました。この「いすものがたり」、「ソランちゃんの雪」(温暖化で冬のこない世界)、「空の声月の声」(月をゴミ捨て場に)。この二作は、子どもの向けの演劇として上演したものです。引き続き、紹介していけましたら。

いすものがたり 画像をクリック

小町座絵本vol.1 いすものがたり

●小町座第1回公演/二人芝居「いすものがたり」(2007)で劇中で使用し、観客に配布したオリジナル絵本を朗読版として新たに制作。
●朗読…西...

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