ことのはのはね~奈良町から

演劇、アート、短歌他、町家での出会いまで、日々を綴ります。

短歌往来9月号書評 『ラビッツ・ムーン』

2016-09-05 | 短歌
短歌の世界に入り驚いたことは、短歌結社の数が多いことと、(劇団数くらいある?!)月間の短歌誌も割合多いということ。全く短歌を知らない人には、へえ、こんなに歌を詠む人がいるんだ!という印象を持つかもしれないですね。
さて、そんな月刊誌の一つが『短歌往来』。こちらの最新号、9月号に私の歌集『ラビッツ・ムーン』の書評を、歌人の村島典子さんが書いてくださいました。
村島さんは、琵琶湖の近くに住み、詩的イメージ豊かな歌を発表されています。村島さんは私の芝居を昔からよく観てくださっている方の一人。なので、今回の書評も緊張というよりは、わくわく、拝見しました。「宇宙へのノスタルジー」と題して評してくださった村島さん。『ラビッツ・ムーン』の核心に触れてくださり、本当に有り難く。一部抜粋します。「(歌集は)手塚治虫のSF漫画「鉄腕アトム」を題材にした「アトムの子」で始まる。(略)科学とコンピューターの時代、現代ははやSFを越えたかのように錯覚するけれども、実際は、1951年に書き始められた「アトム」時代の展開を再認識せよとうたっている気がする。(略)歌集の中の時空は、昭和初期に止まらず、ずっと生命の発生にまで遡っていく気配がする。」村島さん、ありがとうございました。以下、村島さんの歌集よりの歌と、『ラビッッ・ムーン』より「アトムの子」から。

語らむと水辺に寄ればことばみな忘れてそよぐわれも水草    村島典子 『タブラ・ラサ』より

白足袋を履きてねむりて夏の夜をわれもやさしき獸のなかま     〃  『遊子』より

こんなにも小さき地面でありけるを十数本は森を成しゐき      〃  『地上には春の雨ふる』


アトムは原子 むかし原っぱで転がり飛んで跳ねていた子ども  おの・こまち 『ラビッツ・ムーン』より

心持つロボットアトム苦悩するアトムほどにも悩まぬかわれら    〃

肌色の胸張りアトム飛んでゆく 息をいっぱいしたい青空      〃




    



東アジア文化都市2016奈良市 開幕 にぎわいの家でも初日

2016-09-03 | アート
本日開幕した東アジア文化都市2106奈良市、にぎわいの家でも初日を迎え、大勢のお客様が来館されています。昨日9/2には、ならまちセンターで、展示作家紹介の催しがあり、参加しました。我が、にぎわいの家の展示作家、岡田一郎さん、林和音さんも世界的なアーティストさんと肩を並べ、堂々たるものでした。ちょっと鼻が高いような…まるで親目線でございます。さて、今回の美術部門を統括するアートディレクターが、北川フラムさん。北川さんは、瀬戸内芸術祭始め、その土地の力、地域の力を増幅し、開拓するようなアートイベントを企画、牽引されてきた第一人者です。瀬戸内の小さな島に若者たちが大勢くる…なんて、アートという切り口がなければ、あり得なかったことでしょう。これらの成果から、瀬戸内芸術祭は、昨年のジャパンツーリズムアワード大賞を受賞しています。
その北川さんが、本日、にぎわいの家に来館しました。大安寺で行われた開会式の後、来られた北川さん、つし二階の岡田さんの作品を見て降りられてきたら、大変な汗。それで私は、「先生、すごい汗ですね!」となんだかお気楽に話しましたら、北川さんは、「そうなんだよ、見終わったら着替えようと思ってね。」と気さくに返して下さいました。北川さんの故郷、新潟の町家の風景と重なるところもあったようで、通り庭の梁の近くの林さんの作品を見上げておられました。座敷の作品の下で記念写真をご一緒して…。(奈良町にぎわいの家のフェイスブックにアップしています。)
この後、韓国慶州の市長さんの来館やテレビ取材や、初日がバタバタと過ぎていきました。来週はお天気が少し心配ですが、皆様、ぜひ、ご来館ください。(下の写真は、林和音さんの作品の一部です。)


追記…舞台芸術部門のディレクターの劇作家の平田オリザさんにもご挨拶した折、平城京跡での演劇、維新派は完売だそうですが、静岡芸術劇場「SPAC」公演「マハーバーラタ」にはまだ少し余裕があると伺いました。皆さん、平城宮跡のスペクタクル!にも足をお運び下さい。(小劇場演劇とは違い、予算があっていいなあ…とこれは私のつぶやきでございます…)