短歌の世界に入り驚いたことは、短歌結社の数が多いことと、(劇団数くらいある?!)月間の短歌誌も割合多いということ。全く短歌を知らない人には、へえ、こんなに歌を詠む人がいるんだ!という印象を持つかもしれないですね。
さて、そんな月刊誌の一つが『短歌往来』。こちらの最新号、9月号に私の歌集『ラビッツ・ムーン』の書評を、歌人の村島典子さんが書いてくださいました。
村島さんは、琵琶湖の近くに住み、詩的イメージ豊かな歌を発表されています。村島さんは私の芝居を昔からよく観てくださっている方の一人。なので、今回の書評も緊張というよりは、わくわく、拝見しました。「宇宙へのノスタルジー」と題して評してくださった村島さん。『ラビッツ・ムーン』の核心に触れてくださり、本当に有り難く。一部抜粋します。「(歌集は)手塚治虫のSF漫画「鉄腕アトム」を題材にした「アトムの子」で始まる。(略)科学とコンピューターの時代、現代ははやSFを越えたかのように錯覚するけれども、実際は、1951年に書き始められた「アトム」時代の展開を再認識せよとうたっている気がする。(略)歌集の中の時空は、昭和初期に止まらず、ずっと生命の発生にまで遡っていく気配がする。」村島さん、ありがとうございました。以下、村島さんの歌集よりの歌と、『ラビッッ・ムーン』より「アトムの子」から。
語らむと水辺に寄ればことばみな忘れてそよぐわれも水草 村島典子 『タブラ・ラサ』より
白足袋を履きてねむりて夏の夜をわれもやさしき獸のなかま 〃 『遊子』より
こんなにも小さき地面でありけるを十数本は森を成しゐき 〃 『地上には春の雨ふる』
アトムは原子 むかし原っぱで転がり飛んで跳ねていた子ども おの・こまち 『ラビッツ・ムーン』より
心持つロボットアトム苦悩するアトムほどにも悩まぬかわれら 〃
肌色の胸張りアトム飛んでゆく 息をいっぱいしたい青空 〃
さて、そんな月刊誌の一つが『短歌往来』。こちらの最新号、9月号に私の歌集『ラビッツ・ムーン』の書評を、歌人の村島典子さんが書いてくださいました。
村島さんは、琵琶湖の近くに住み、詩的イメージ豊かな歌を発表されています。村島さんは私の芝居を昔からよく観てくださっている方の一人。なので、今回の書評も緊張というよりは、わくわく、拝見しました。「宇宙へのノスタルジー」と題して評してくださった村島さん。『ラビッツ・ムーン』の核心に触れてくださり、本当に有り難く。一部抜粋します。「(歌集は)手塚治虫のSF漫画「鉄腕アトム」を題材にした「アトムの子」で始まる。(略)科学とコンピューターの時代、現代ははやSFを越えたかのように錯覚するけれども、実際は、1951年に書き始められた「アトム」時代の展開を再認識せよとうたっている気がする。(略)歌集の中の時空は、昭和初期に止まらず、ずっと生命の発生にまで遡っていく気配がする。」村島さん、ありがとうございました。以下、村島さんの歌集よりの歌と、『ラビッッ・ムーン』より「アトムの子」から。
語らむと水辺に寄ればことばみな忘れてそよぐわれも水草 村島典子 『タブラ・ラサ』より
白足袋を履きてねむりて夏の夜をわれもやさしき獸のなかま 〃 『遊子』より
こんなにも小さき地面でありけるを十数本は森を成しゐき 〃 『地上には春の雨ふる』
アトムは原子 むかし原っぱで転がり飛んで跳ねていた子ども おの・こまち 『ラビッツ・ムーン』より
心持つロボットアトム苦悩するアトムほどにも悩まぬかわれら 〃
肌色の胸張りアトム飛んでゆく 息をいっぱいしたい青空 〃