手術が終わって夕方6時半頃主治医が補助医と若い男性2人の医師とナースを連れ回診がありました。大学病院並みです。
「部長先生の回診は、たくさんの子分ですね」
ナースは笑った。
唇に挟んであったガーゼを外し創部を診察、ガーゼを交換され、経過は良いと診断され
「組織検査をしますか」と聞かれました。
「確定診のため入院手術したようなものなので希望します。組織検査と細胞診とは違うのですか?」
「違います」「手術室で組織標本渡したよね」
「いえ、何も貰っていません」
連れの誰かに言われたのかしら。主治医もお疲れのようでした。帰宅して病理組織検査と細胞診とはを検索すると少し違うようです。
入院翌日、補佐される担当の若い女性医が病室へお見えになったとき、研修医かと聞いたら、当りでした。
「専攻は未だ決めていないんでしょう」
「いえ、私は歯科医なのです」
「なるほど、それで昨日口腔ケアもやっていただいたのか」
「末は歯医者を開業だね、家は歯医者さんですか」
「いえ、違います」
身元調査すると嫌われるのは長い盛り場経験で知っていて、どうもこのお爺さんは余分なことを聞き過ぎです。
3日目の夕方病室前廊下での会話
「貴方は医師か歯科医と結婚するといいよ、出身はどこ」
「埼玉です」
「埼玉?で大学はどこですか」
「鹿児島です」
「国立鹿児島大、頭良いんだね、どうして岐阜に研修医で途中下車したの」
「私、もう結婚しています。同じ大学の先輩の医師と学生結婚して、彼は市民病院で医師をやっているのです」
「あら~まぁ、そうなの、それは良かった。お幸せにね」
夜の担当ナースに
「結婚されてるんだって・・」
「まあ、ビッグニュース、驚きました。鹿児島大と聞いていたけど・・」
3日目の夕方と退院日の朝の診察はナースセンターの診察室だった。彼女がいつも呼びに来てくれる。歯科椅子に掛けて主治医が来られるのを待つ間、
「岐阜は埼玉のように東京に近くないし、ダサい街ですが落ち着いています。どうか岐阜を好きになってください。私は今日退院すると主夫です」
「奥様と早く別れたのですか」
「もう16年になります」
彼女は優しく美人で気さくな先生だった。帰宅して、ネット検索すると岐阜市民病院に若いハンサム研修医の旦那様の写真を見ることができました。どうかお幸せに。この県病院は託児所もあるし子育て共働きにも適しています。