子育てが終わったご家庭には、このような古びてしまった絵本が残されているお宅も多いのではないでしょうか。『ピーターラビットの絵本』といえば石井桃子さんの名翻訳が有名ですが、明治39年(1906年)なんと!世界最古の翻訳が日本で成されていました。このニュースを聞いたのはは2007年5月のことでした。それ以来、この翻訳を読んでみたいと思っていましたが、今回機会を得てそのコピーを見ることができました。
この最古の翻訳は国立国会図書館に所蔵されている『日本農業誌』明治39年(1906年)11月発行に「悪戯な小兎」として掲載されていて、手続きをすると閲覧も可能です。古くて貴重な文献なので担当の職員さんと共に別室での閲覧になり、複写も可能ですが申し込み制になっていて数日後に郵便で届けられるシステムになっています。
明治時代の翻訳なので日本向けアレンジがされているのが、この翻訳の楽しいポイントです♪
むかしむかし、あるところに…と御伽噺風に物語は始まります。キャラクター紹介は次の通りです。
・ペター=旋毛曲の我儘者
・エロプシー(原文のママ)=駈落者
・モプシー=始終ふて口をしている佛頂面
・コツトンテール=木綿の尾
・マグレガーさん=杢平爺さん、赤鬼青鬼よりも恐ろしい
以下は、物語の中でパセリが見つからず、癇癪をおこしたシーンのペターの悪態です。明治という時代を感じます。
「此の廣い畠に
阿蘭陀芹だけ無いとは可笑しいナ
何を差し措いても彼れだけは作ら無ければならぬ物だのに
杢平爺奴め大分耄碌したとみえるな」
まるで「カチカチ山」のタヌキの様に悪態の限りを尽くしています、対する杢平爺さんも負けていません(笑)
「やい、盗賊兎奴、待たう。汝打殺つてやんねえけれ、承知出來ねえだ。」
この後もペター&杢平爺さんの攻防戦は続きます。ピーターラビット・ファンの方は、是非ご一読を
このニュースの詳細→
YOMIURI ONLINE・2007年5月 asahi.com・2007年5月
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