1955年の映画
トコリの橋 に箱根宮ノ下・富士屋ホテルが登場するので、写真を撮りに行ってきました。この映画はウィリアム・ホールデンとグレイス・ケリーの出演で、朝鮮戦争がテーマになった作品です。
朝鮮戦争で闘うハリー・ブルーベイカー中尉が、休暇を日本で過すというシーンに「フジサン・ホテル」として富士屋ホテルが登場します。主人公の乗った空母が横須賀に寄港するのですが、その歓迎風景がツボです。アメリカ軍の軍楽隊の演奏に合わせて和服の日本女性が踊ります♪ブラスバンドの“あてぶり”というのを始初めて見ました!
※現在も少しも変わっていないホテルの全景(映画より)
横須賀から箱根に到着したブルーベイカー中尉一家はホテルに入ります。この風景は今とほとんど変わっていません、庭木が少し変わったくらい…感動です~♪
※正面入り口、ホテルのロゴが消されています(映画より)
こちらは現在の正面入り口です、木の回転扉も変わっていません。ロケはこのシーンまでで、後は全てセットになります。日本に撮影のために来たのはウイリアム・ホールデンだけの様で、グレース・ケリーは来日していないのでしょう。
※中尉一家はロビーへと入ります(映画より)
男性従業員は洋服なのに、女性はみな和服です!!特徴的な龍の彫刻のついた赤い手すりが忠実に再現されています。
こちらは映画セットのモデルとなった実際のロビーへの入り口、2匹の龍も健在です。実際はガラス張りのサンパーラーになっています。
※一家が休暇をすごす本館2階の部屋(映画より)
一家が休暇を過す部屋、位置的に本館2階の北側の部屋なのだと思います。セットではありますが、窓の外にメインダイニング“ザ・フジヤ”の写真が貼られていて、かなりリアルです。
実際は、このような部屋です。モデルと思しき部屋は空いていなかったので、反対側に位置する部屋を撮影してきました。
※中尉一家と日本人家族が日米友好~♪(映画より)
この映画の中で印象的なシーンに登場する、「ドリームプール(夢の湯)」のセットです。最初は他人と一緒にお風呂に入ることを頑なに拒否していた中尉一家も、やがてうちとけて異文化交流~♪日本人のお母さんが流暢な英語&カタコトの日本語で日米交流に活躍します。
ホテル内に展示されていた「ドリーム・プール(夢の湯)」の写真です、セットのお風呂にちょっと似ている気もします。奥には「白糸の滝」が造られ、松の木の装飾のある微温泉プールだったそうです。
マッカーサーの息子も遊んだという「ドリーム・プール」も現在は改装されて「フェニックス」という宴会場になっており、天井のフェニックスの装飾だけが当時を偲ばせるように残っていました。
朝鮮戦争時には、実際にたくさんのアメリカ人将校が休暇を富士屋ホテルで過したそうです。ハリウッド映画なのに、かなりリアルにセットが作られているのに感動しました。きっと当時のアメリカ人の間でも良く知られたホテルだったからでしょう。それにもともと富士屋ホテルの造りがハリウッド映画に出てくるニッポン風ですから、現地のスタッフにも分かりやすかったのかも知れません。