奇門遁甲の十干の組み合わせ――戊己篇です。
意味合いについては、「キーコードから導く、あなたへの語録集 β版~」を、
戊と己の大意については「奇門遁甲の十干の意味合いの考察」を併せて参考になさってください。
§ 戊
戊甲 41 |
自己過信の気が強く、どんな状況でも独力で切り抜けられると思い込みがち。しかし、身の程知らずで孤立無援の状態になると、その脆さが露呈します。権威的な人と衝突したり、障壁(問題)や批判、責任による重圧により、心身や技量の限界を超えるほど無理をする傾向。「出る杭は打たれる」的な頭打ちの状況。隠喩的な意味で「頭上注意」。行為が空回りして思うように理解されないことに不満や焦りを感じたら、融通性と誠意を示すことです。それで徐々に信頼を得ていけるはず。 |
戊乙 42 |
友人知人や家族、気の合う仲間、恋人といった周りの人々との連帯によって今の自分があり、そして為すべきことが為せることに改めて感謝する時。苦難はあっても、助け合って生きることで人との絆や信頼の大切さに改めて気がつき、尊ぶようになる体験。ウェブのような無数の情報源とのリンクを有効活用するのもいいし、サポーターとして水面下で活動しても喜ばれるでしょう。また、悠久と刹那――フレキシブルな時間の概念と、その中での良い意味での心理的葛藤を経験することも。 |
戊丙 43 |
新たな展開の幕開けに伴って人間関係が再構築されたり、周りの人達との関係で、より深く自分自身について考察し始める時。熱意の持てることに積極的に挑戦する中で進路を見出しましょう。目的意識が高ければ、次第に周りの理解と応援を得られる可能性が高いです。一方で、如何ともしがたい運命もあるのですが、それでも進行を阻害するような諸問題に対処する中で結束力が強まったり、楽しみを共有することで改めて意欲を湧き立たせることもできるはずです。 |
戊丁 44 |
力の衰退や絶対量の不足を感じる体験、あるいは能力を発揮できない行き詰り状態になって初めて、そこで大きな転換が促されます。必要は発明の母。画期的な技術や方法論を武器に、一般認識の度肝を抜くようなことをやってのける力を持ります。最終的には総力を結集する場合でも、適切な時と場が訪れるまでは、各自の持ち味を生かしながら不用意に干渉しない関わり方が選択されることが多い感じです。ベンチャー・ビジネスのような少数精鋭的な活動に向きます。 |
戊戊 45 |
条件による制限や指示された規範に従うことを要求されるために、本質的な選択(行動)の自由が損なわれる傾向。意に沿わない仕事の強制。問題の原因を見抜くことができないまま階層的な支配に従属したり、疑問に思わずに全体の情勢に流されてしまいやすい。「私はこうする!」という意思を明確に表現することができないことに戸惑い、動きたいように動けずに逡巡するという具合です。しかし一旦決心してしまえば、そこから解決策や展望が拓かれ、自発的に問題に立ち向かえるようになるでしょう。 |
戊己 46 |
何か重要な意義(将来の希望など)を秘めている人や物を保護しようとして、かえって甘やかしてしまう傾向。子供を育てるための経済的事情で共働きや残業を余儀なくされたり、他者を助けるために自らの財産を切り崩してしまうなど。心優しくしても行為が裏目に出て依存させるようになってはいけません。重要なことは、保護されている人がやがて機会を捉えて自分の役割を果たすようになることです。惰性的な場のフィーリングに流されてしまわないよう、自覚的に生きましょう。 |
戊庚 47 |
人を含む森羅万象は、それに呼応する磁力や引力(魅力)を持っています。人は、遺伝として受け継いだこと以外に、どのような環境や人達の中に入っていくか、そしてそこで何をするか、どのように行うかという後天的な生き方の選択によっても個別化が図られます。しかし、その際の判断を誤って悪い仲間に加われば惨めな思いをするはめになります。また、それとは知らずに悪事に利用される恐れもあるので、心を強く持ち、良識に基づいて判断しなければなりません。 |
戊辛 48 |
関わる人達や組織との付き合いが深まると、それにまつわる色々な問題点――粗が見えてくるものです。そんな時、正義感のある人ならば内部告発という形で是正を試みるかもしれません。ただし、個人的な憂鬱感や憤りが表面化して相手への辛口批判となった時は、ちょっと振り返って自分自身にも原因がなかったか考えてみる余裕も必要です。わざわざ亀裂を生み出し、生活に明るい話題が出づらい状況を自ら作り出さないためにも。真実をどう伝えるか、その手段に苦心する傾向。 |
戊壬 49 |
心を悩ませていた一連の出来事が一段落することで、経験に対してより大局的な視野で捉えられるようになります。本音で人や物事と向き合ってみて初めて、恐れの正体やそれを克服することについての理解を得られます。モヤモヤが晴れてスッキリした気持ちになったり、心の整理が付くという一種の悟り体験。呪縛からの解放。問題に対するアプローチ法に迷いがなくなり、解決への道筋が明確になるなど。信頼でつながれた人脈(ネットワーク)をフル活用するとよいでしょう。 |
戊癸 50 |
秘伝のような「隠されてこそ意味がある」と考えられているものがテーマになりやすく、それを巡って意見が対立しやすい時です。個人的に胸の内に収めておくべきものを含め、表面化しては困るものに対し、手順の不備や人為的操作などの影響も相まって結果的に公にされないケースが多いです。反面、不信感や展望のない状況に不満が生じ、人間関係のクーデターが起きることも。コミュニケーションの機能不全による活動の頓挫。子供の家出や反抗、組織脱退とその報復(奪回・反発行動)などが見られました。 |
§ 己
己甲 51 |
余計なプライドや自己過信(慢心や高望み)が邪魔をして、物事の自然な進展を阻害してしまう傾向。精神的な未成熟さが露呈しやすい時。また、恐怖・挫折感・劣等感・卑下・異性・仲間との確執などが障壁となって脱皮できない状況も。請け負った仕事の失態をごまかそうとして取り繕い、かえって酷い事態を招いてしまったり、必要となるものを勝手な判断で軽視したり失くしてしまうなど。言い訳やつまらないプライドのような利己的な心を捨てれば、殻を打ち破れるのではないかと思います。 |
己乙 52 |
内側と外側、自と他という異なる視点が焦点化されやすい時です。一方の側では自分のプライバシーやテリトリーを守ろうとし、他方では同じようにしている相手の懐へ潜ろうと試みる。この時、双方の同意の下に協力体制が築けると、互いに利点を享受し合える有意義な関係になります。才能と興味の一致でつながる異性関係。外面を補強・改造することで内面の安心感を得ようとする心理もあり、整形手術やリフォーム、インテリアの配置換え(模様替え)などに凝る人もいます。 |
己丙 53 |
慶事と忌事とが混在するような状況(ネガ・ポジのせめぎ合い)。ポジティブな方向に進んでいた所へ、憂慮すべき問題が顔をもたげるといった具合で、例えば結婚・妊娠と乳ガンが同時に来たようなもの。今はまだ面倒な事態には発展していなくても、その兆しのある時なので注意して下さい。誤解や誰かの策略によって思わぬ傷害を負わせられたり、揚げ足取りをされて社会的評価の低下を被る恐れがあります。その一方で、そもそも誤解を招いたり醜態を曝すような言動をしてないか自問することも必要そうです。 |
己丁 54 |
油断大敵。思わぬところに問題の因子が潜んでいます。幸せのために用意周到に積み上げてきたことでも、一瞬の気の緩みで台無しになってしまいかねません。目的を成就するその時まで集中を途切れさせないようにしましょう。時々、法の目を潜って私腹を肥やそうと誰かに罪を被せたり、ずる賢い手段で相手をやり込めようとする人がいますが、いずれ悪事の証拠が挙がって破綻することでしょう。現状認識の甘さと、常識的な思慮を失ったことによる判断ミスが危険を招く時です。 |
己戊 55 |
交際能力を発揮して仲間を作ったり、経験の幅を広めようとする心理。様々な方面からの協力者、多くの支援者の存在が鍵となる時。状況に対処するために結束するしかないという状況か、人徳のなせる業とでも言うべき展開で危機を回避したり、事態の改善(問題の解決)に至る場合が多いです。特に、技術者などその道のプロや必要な情報・権限を持つ人間とのコネクションがあると助けになります。そうした人脈を有意義に生かしつつ、恩恵への感謝も忘れないようにしましょう。 |
己己 56 |
大切な人や物を失ったり、責務を果たせなかった精神的ショックなどで気力が著しく低下し、軟弱化したり病気になる傾向。また磁力的作用として、不意の怪我やトラブルで他の人に仕事の代行を頼まざるを得なくなったり、本人が生気を失っているのを見て周囲の人間がなんとかしようと奔走することも。悲嘆に暮れてばかり、あるいは諦めきって意気消沈していては救いはありません。自堕落に陥ったり現実逃避するよりは、少しでも希望を見出せることをしたほうが気分が良くなります。エゴの衝突に注意。 |
己庚 57 |
身近な環境とは全く異質な地域から来た人や、刺激的な魅力を持った相手(何か)に惹かれる傾向。そのこと自体は構わないのですが、他の面で蔑ろにされるものがないかに配慮する必要があります。仮に当事者は良くても、その親や家族、知り合いに心配を掛けることもあります。確かな理由があるのならともかく、歪んだ欲求から行動した場合、それが苛立ちや憎しみを生み出すことも。目先の楽しみや周りを顧みない態度が、結局は自分だけでなく皆にも迷惑をかけてしまうことに早く気がつかなくてはなりません。 |
己辛 58 |
なぜこうなったのか一向に理解できないような、複雑で混乱した状況に置かれる可能性のある時。納得できないことや問題の原因を責任転嫁する(される)かもしれません。でも、自分の至らない所を直視せず、一方的に相手に罪を擦り付けるのは恥ずかしいこと。反省すべき点があれば潔く改めましょう。ただ、それにも関わらず不可解な現象や忌わしい出来事に煩わされるとしたら、そこで何かを学び取れとのサインです。その場合、いったん受け止めた上で対処していくことになるでしょう。 |
己壬 59 |
基本的に自分の視点からしか物事を見ないために、世間的に常識とされるやり方に馴染めず、自己流――利己的とも言える流儀を通す傾向のある時。人との付き合いにもその態度は貫かれ、融通性に欠け気味。現実的な価値よりも精神論にこだわりやすく、意に沿わないことには感情的な反応をしがちです。頭では愚かなことだと分かっていながら判断を誤るようなバランスの悪さがあります。年齢的・身体的・境遇的に弱い立場の者を虐待せず、優しく接してあげることが大切です。 |
己癸 60 |
進取性が伝統などの保守性と衝突して雲散霧消するか、徹底した抵抗に遭う経験をしやすい時。完膚無きまでに打ちのめされて自信を失ったり、意欲が減退する傾向。こだわって取り組んできたことが一つのミスをきっかけに台無しになったり、予定をキャンセルされて無駄骨に終わったり、機械を故障させてしまうなど。特に、自分で「これをしたら“水の泡”だ」と思うことを敢行して唖然としてしまう一面もあるので、全てがご破算になって後悔する前に手を止めて考え直しましょう。もしダメになってしまったら、気持ちを切り替えて出直しです。 |
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