With the I Ching

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喜忌について~忌み枝~

2010-05-09 23:01:10 | 四柱推命
この間、「喜忌って何だろう?」でグダグダ書いたばかりですが、今日の日運である火雷噬こうに関連して再度書きます。(正確には、多層的に見るために僕は必ず二つ卦を出します。今日は噬こう&家人の五爻変でした。)

先日の記事では、喜忌を線引きすることは不可能では、という感じの論点で書きました。その意味では否定的な見方だと言ってもいいです。で、今回のは逆に肯定的な面からの記事です。

とはいいつつ、基本的に僕は昔から喜忌だとか物事の吉凶についてはあまり意識しない人間なので、肯定面と言いながら実はそこまで思ってない、という文章を書くかもしれません。その辺は予め割り引いてください。

さて。
今日の昼、かつて自分が使っていて父親に譲ったWindowsMEをメンテナンスしました。もう10年以上も前のマシンなので、PDFファイルなどの比較的重いファイルを開こうとするとフリーズしたり、メモリー不足でエラーが出たりで、なんだかんだと呼び出されては(僕が悪いわけではないのに)“いちゃもん”を付けられていたからです。

…で、それらの主な原因がアンチウイルスソフトにあることは前々から感づいていたので、セキュリティ的にはダメですが、思い切ってアンインストールしました。(「ファイルを開く度に検査する」という機能をオフにするだけでも良かったかもしれませんが、それでもバックグラウンドで動いている時の負荷がMEにはキツイ感じでしたので、仕方なく全消去した)

現実問題、今となってはMEは多くのケースで対応が見送られ(見捨てられ)ているので、普段使いにはもはや耐えられなくなっています。例えばネットの動画やFlashが観られなかったり、高スペックを要求されるソフトやゲームなどはできません。また、今回のgooメールの仕様変更でもMEは問答無用で切り捨てられてしまっているし。

まあ、時代の流れからすれば仕方のないことなので文句は言えません。
(実際、僕自身がExcelで作ったフリーソフトもMEには対応してませんしね)


それはともかく、今は喜忌の話です。
一通りメンテを済ませた後で、父親の趣味の一つである庭木いじりのサイトを何気なく見始めたとき、そこに「忌み枝」というのが出てきました。何か直感するものがあって詳しく読んでいくと、これは四柱推命の喜忌の概念に通じるものがあるのでは、と思えてきました。

剪定については、時折父親に話を聞く分でロクに経験のない僕が述べることはできませんので、皆さんで検索してみてください。参考までに、次のサイトなどはイラスト付きで分かりやすいと思います。

「庭木・花木の剪定」

この植物への剪定作業を、人間それ自身の行動への対処法と似せて見れば、どことなく喜忌の考え方に近いかもしれないと思ったわけです。“何を伸ばし、何を取り除く(不要とみる、他のためにあえて切る)のか”という視点は共通しているので。

考えてみれば、四柱推命というのは多分に植物的な要素というか構成が組み込まれたものになっています。
そもそも干支というのも、元々は「幹枝」だという説がありますし、支における“根の概念”にしてもそうです。こうしたことを踏まえると、四柱推命は、太陽(光や熱)と水と大地(栄養分)という、植物における重要な成長条件を備えているとも考えられなくもないです。

各植物――野菜や果物でもいいかも知れませんが、それらは季節(太陽に対する地球の公転と地軸の傾きに関係)に応じて、また土壌や水質や養分に応じて、出来不出来が変わってきます。(あるいは、占星術的には月の位相も生育に関係していると云われる)

で、問題は、ここに人間の手が加わる場合です。

特殊な農法でない限り、多くは農協やホームセンターなどで仕入れた肥料・農薬を撒いたり、周囲に生えて水や養分を奪っていく雑草を除去したり、本当に伸ばしたいものを伸ばすために間引いたりしていきます。ただ、農法については様々なことが言われており、多くの実験や改良がなされているので一概には言えません。方法論は環境の条件に応じた数だけある、といってもいいくらいです。

もっとも、生態系を破壊したり人体に有害だったりする農薬もあるので、それ相応の規制をするか、場合によっては使用および製造自体を禁止することも必要なのでは、というのもあります。
例えば、僕が注目する方の一人である古武術研究家の甲野善紀さんが関心を持たれている日本ミツバチの問題のように。「ほころび」の連載記事や甲野さんの公式サイト「松聲館」の随感録にも度々触れられています。

ちょっと本論から脱線しました。

とにかく、その人にとって「真に伸ばしたいもの、あるいは伸ばすと良い資質」を見極めること。そしてそのためには「何が阻害要因になっているのか、何を剪定・除去すれば良いのか」ということを考える、というのが、過去、中国の四柱推命で探求されてきたことなのかも(つまり僕は思い違いをしていたのかも)、と今更ながら思っています。そんなこと当然だろ、と言われるかもしれませんけど^^;

ありていに言えば、長所と短所とか、得意科目と苦手科目という話に置き換えるとイメージしやすいと思います。得意なことを伸ばすか、苦手を潰して平均点を上げるのが良いのか。つまり、優位性を取るか、バランスを取るかという選択。

あるいは神の視点というか、社会と個人との調和という目的において、個の矯正が求められることも時にはあるのかもしれません。あたかも庭全体の調和を図るために整枝するかのごとく。

四柱推命的には、いわゆる外格と内格(特別格局と普通格局と呼ぶ方もいます)の違いということですが、どちらを取るかで喜忌が正反対になってきます。悪い面(忌神)には目をつぶるか排除して良い面(喜神)をどんどん伸ばすという手法と、喜神と忌神を自らの中で咀嚼しながら全体のバランスを量るという手法、となるでしょうか。しかしこの辺、現状ではいまいち実感が伴ってないため、判断が難しいです。

先日の記事でも書いた「喜忌は不可分ではないか」ということは、言い換えれば「長所と短所もまた不可分ではないか」ということ。世間的にも、欠点とか短所、あるいは苦手だと思っていたことが、発想の転換などによって逆に自分の最大の武器になったという人がいるわけで、こうした内容をどう踏まえるか、まだまだ考えなければならないことは多いです。

ところで、「四柱推命白帯」における喜忌の取り方は、一般に知られている考え方そのものではありません。

通常、喜忌を取るには命式と大運を基準にしますが、この場合、何が喜で何が忌なのかを限定することが多いために(必ずしも固定というわけではないのですが)、割り切り感が強くて僕は馴染めませんでした。そこで、各時期のそれぞれで動的に喜忌を出すという方法を用いています。

また、外格と内格の条件に関しても、幾らかオリジナリティを入れています。
例えば、あまりに外格すぎるケース(自行+印行が95%以上)では再反転させているとか。裏の裏というのかな(実際には、色んな条件を入れています。正しいかどうかは検証不足なのもありますが。ただ、もう既にどんな条件を入れたか忘れてしまってます…コードを見ないと思い出せない)。

内格の場合も、極端度(偏向性)50%の身平=中庸を基準にするのではなく、中強から身旺の間をボーダーにしていたりと、ちょっと教科書の方法論とは異なっています。

その辺りのことは今まで特に書いてこなかったので、自分で思っていた喜忌と違っている方は、今述べてきた条件に当てはまっている可能性があります。
まだまだ試作段階であり、現実と符合しないケースもあるだろうと思いますので、ユーザーさんからのフィードバックを取り入れて、より良いものにしていきたいです。特に具体的な使用報告を頂けると大変助かります。

ともかく、「忌み枝」そして剪定における考え方は四柱推命に応用できそうなので、熟考してみる価値はあると思います。


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