建交労長崎県本部

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石綿肺取消川名訴訟控訴審第2回弁論・・1月28日に結審

2013年12月12日 21時53分20秒 | 活動報告
石綿肺労災不支給取り消し川名訴訟第2回控訴審
宮崎地裁に集まった支援者

 石綿肺労災不支給取消川名訴訟の第2回控訴審弁論が12月11日、福岡高裁宮崎支部で開廷され、支援者30人が傍聴しました。
 裁判では、成見暁子弁護士が原審判決(平成25年5月24日宮崎地裁)後に出てきた新たな証拠などを基に、疫学リサーチセンターの海老原勇医師を証人として採用するよう陳述しました。さらに、深堀寿美弁護士が12月10日福岡地裁で石綿肺管理区分の低位決定裁判で、海老原医師が鑑定人として立証したことで勝訴を勝ち取った事件の経験から、同医師の採用を重ねて求めました。深堀弁護士は石綿肺の決定的証拠となる胸膜肥厚班を裁判所が認識するうえで医師の説明を聞くのは不可欠であると強調しましたが、採用されませんでした。しかし、原告弁護団が裁判官に画像の説明を第3回裁判期日である1月28日の進行協議で行うことになりました。また、第3回裁判は1月28日午前11時20分から行い、結審することになりました。
原告側は、新たな画像で「血管炎より石綿肺が先に発症していた」ことを立証
 原告側は、11月21日付で提出した「控訴審準備書面」で、故川名國男さんの死亡(平成18年8月10日)に至る機序と石綿ばく露との関連性について一審判決時にはなかった平成16年5月17日と同年8月23日に撮影されたレントゲン写真を海老原医師に読影してもらった結果、石綿肺1/2型に相当する不整型陰影と胸膜肥厚班が認められたことから、原審判決が故國男さんの死亡原因を「『顕微鏡的多発血管炎』のみによるものとしたことは誤りである」と述べています。
 海老原医師は「基礎疾患である石綿肺による肺の線維化が、顕微鏡的多発血管炎発症により急激に増悪したもの」「石綿肺だけでも十分に起こりうるものであるが、本件は顕微鏡的血管炎発症により、MPO-ANCAの数値が陽性になり、間質の線維化も急激に進んだものと考えられ、それが画像上でも明らかになった」と意見書で述べています。
長期間繰り返しの石綿暴露は多くの石綿肺を発症
 一審判決が高濃度ばく露(職業的ばく露)はなかったので、石綿肺は発症しないとした点についても海老原医師は意見書の中で「一般にそれほど高濃度に石綿に暴露する作業とはいえない作業でも、長期間繰り返し暴露(川名さんは16年7か月間)によって多くの労働者が石綿肺を発症している」と豊かな経験から述べています。
裁判所に公正判決求めるハガキにご協力を
 裁判後、宮崎中央法律事務所会議室で報告集会がおこなわれ、弁護団からの報告と原告川名勝代さんからのお礼のあいさつがありました。建交労九州支部長崎分会の中里書記長が、福岡高裁宮崎支部に対し「公正な判決を求めるハガキ」に取り組むことを提案しました。全国のみなさんのご支援ご協力をよろしくお願いします。

お礼を述べる川名勝代さん
裁判の報告をする深堀寿美弁護士