022年(第33回)なくせじん肺全国キャラバン
=長崎実行委員会便り・第7号=
2022.10.14 実行委員会事務局 Tel‐095-801-8800 Fax-829-1680<Eメールkenkouro-nagasaki@d9.dion.ne.jp>
長崎労働局要請行動
第33回なくせじん肺キャラバン長崎労働局要請行動は10月12日10時から行われました。実行委員会は横山巌代表世話人をはじめ8団体15名が参加、労働局は監督課長、健康安全課長、労災補償課長をはじめ6名が出席しました。
横山代表世話人が監督課長に要請書を手渡し、中里事務局長が「33回目にわたって様々な運動を展開してきた。建設アスベスト給付金制度ができたのは画期的だと認識している。労働者やフリーランスの健康・働く条件について一層の改善を求めたい」と主旨説明をおこなった後、担当課長から全国統一要請と長崎実行委員会独自要請に回答がありました。
本省所掌事項については「本省に伝える」「提言に盛り込まれているので本省に伝える」との回答で昨年同様でした。
トンネル工事の36協定については問題を指摘
全国要請のうちトンネル労働時間短縮を目的とする36協定の内容に、具体的事由を記載させるよう指導を求めた項目については「トンネルに限らず定める労働時間の延長すべき事項の主旨に基づいて具体的内容を盛り込むよう窓口で求めている」との回答でした。「工期内完成のため」については、「西九州新幹線工事などでは、工期が迫られていることからかなり無理があったのではないか」との質問に「その可能性はある」と監督課長が回答しました。
長崎独自要請のうち、令和3年度における解体等のアスベスト作業現場への立ち入り調査件数は42件、指導事項としては覆いの設けられていない携帯用研削用砥石の使用、石綿作業に係る掲示物がないことの指導、作業足場の墜落防止対策が不十分、足場の組み立てに関して作業主任者の氏名などの掲示がないことの指導をおこなっているとのことでした。
間質性肺炎は石綿だけではない
また、遺族補償不支給取消訴訟でも問題になった間質性肺炎についての要請事項に対して、現時点ではじん肺合併症・石綿関連疾患にかかわる国の取扱い自体は変更していない旨の回答がありました。中里事務局長は「間質性肺炎の原因は石綿だけではない、結晶質シリカとの関係も様々な文献・外国でも明らかになっておりアメリカでは炭鉱労働者のガイドラインも出ている。個別事案ではなく、職歴調査を関係機関・医療機関にもっと呼び掛けて欲しいと要請しました。
建設アスベスト給付金・泉南型アスベスト給付について
三菱長船じん肺患者会の塚原代表からは、建設アスベスト給付金の対象者を把握している人数に対する質問と、じん肺法が運動によって変わった経過も鑑みて欲しいという要望が出されました。労災補償課長は「人数把握はしていないが、基金に該当すると思われる対象については本省に報告している」と回答しました。
じん肺管理1のフォローもしてほしいと要求
三菱長船じん肺第3陣原告団の白木事務局長からは、「じん肺健康管理区分1とされた人たちのフォローをしてほしい」という要望がありました。
また、長崎市内の建物跡地や今後取り壊しが決まっている庁舎などについても、飛散防止に不安があり、周辺住民や周知する働きかけをおこなってほしい旨の訴えが、参加者数名から出されました。