発達障がい・こころのやまい

専門外ながら相談を受けることがあり、その際に読んだ本や集めた情報を書き留めました(本棚9)。

自殺企図後も生き続けるためのプロセス

2017-03-16 06:29:34 | 自殺企図
 自殺企図、どん底から抜け出す方策を検討した報告を紹介します。
 概念的なのでピンときませんが、自己コントロールのスキルが関係するようです。
 すると、日本で行われている認知行動療法も有用ということになりそう。

■ 自殺企図後も生き続けるためのプロセス
2017/03/16:ケアネット
 うつ病は、自殺や自殺企図の強力な危険因子である。これまでの研究では、自殺企図へのパスウェイについて検討されてきたが、自殺克服のために重要な点について検討した研究はほとんどない。スウェーデン・ルンド大学のLisa Crona氏らは、自殺企図後、生き続けるための個人の戦略について検討を行った。BMC psychiatry誌2017年2月13日号の報告。
 理論に基づく定性的なアプローチを用いた。1956~69年に重度のうつ病と診断された元入院患者13例を対象に、最後の自殺企図(21~45歳時に経験)から42~56年フォローアップを行った。2013年6月~2014年1月までに1度、半構造化インタビューを用いて調査した。

 主な結果は以下のとおり。

・自殺企図へのパスウェイは「抵抗できないほどの状況に追い込まれた」と定義した。
・回復プロセスは「プロフェッショナルケア」「個人の状況での緩和」「生き続ける決断」の3つのカテゴリで構成されていた。
・これらのカテゴリから「コントロールを取り戻すことによって自分自身をケアする」とラベルされたコアカテゴリが浮かび上がってきた。
・うつ病からの回復とは無関係に自殺の克服が起こっていた。

 著者らは「自殺企図後のケアは、非常に長期的であり、回復プロセスは多面的かつ変動的である。適切な治療、他者とのつながり、意思決定問題の克服が必要となる」としている。



<原著論文>
Crona L, et al. BMC Psychiatry. 2017;17:69.

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