癒しの映像「中秋の名月」
今夜は「中秋の名月」、月は日本の古典文学において「花」と並んで賞美される景物です。街灯など無かった時代、夜空に輝く月は身近な存在でした。和歌や連歌、俳諧では「月」といえば秋の月を指します。「中秋の名月」として沢山残されておりますが、私の特に好きな俳句があります。「鯛は花は見ぬ里も有(あり)けふの月」井原西鶴の句ですが、西鶴といえば「好色一代男」などの作者として江戸時代を代表する文学作者ですが、この西鶴の句は「月」はどこからでも見えるものと強調してるのが特徴です。「鯛を食べられない」「桜の花が見られない」けれど今夜の名月はどこの里からも同じように鑑賞できるもので、身分の差、貧富の差、住む土地に関係なく月は平等に人々を照らします。西鶴さんのおっしゃる通りであります。今夜はお月見団子を食べながら、中秋の名月に願いをこめて鑑賞しましょう。
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jidai