ニケとミケ

捨て猫にゃん子2匹と、先輩捨てられ犬チョコの日々の記録

舞茸爺ーちゃん

2010-08-26 13:59:22 | ペット
                       
 昨日は8月25日という事で、前にブログで書きましたが、平取町の山の中で立派な舞茸が発生しているであろう日です。普通舞茸の発生は9月10日前後からなので、平取は早いですね。
 舞茸といえば、昨日のブログで書いた定山渓の工事している辺りも、かなり有名なんです。定山渓に札幌から向かって左側が「一の沢」、右側が「百松沢」です。どちらも、舞茸と熊で有名です。
 この辺りの舞茸採りの名人として有名なお爺ちゃんが居ます。身長は1メートル50位でしょうか。背は低いのですががっしりとした体形で、かなりのがに股で、素晴らしく早く歩きます。いつも帆布製の大きなリュック(中に1斗缶が入っています)を背負って、手にはかなり大きな鎌を持ち山の中をうろうろしています。山で会うと、かなり驚きます。日に焼けた真っ黒な顔ですが、話をして仲良くなると人なっこい笑顔を見せてくれます。

 12年ほど前に私は初めて山の中で会いました。9月20日くらいだと思うのですが、椎茸を採ってラクヨウや畑シメジを探していたところに、お爺ちゃんが山から下りてきました。山で会ったら必ず挨拶をする事にしているので、声を掛けると「何か採れたか」と言われたので、素直に椎茸やラクヨウを見せながら話しました。それが良かったのか「これをやる」と言ってリュックから舞茸の大きな株を取り出してくれました。リュックの中には1斗缶が入っていて、その中にふきの葉を挟んで舞茸が5個入っていました。その中で一番大きな株でした。
 その時ハタと気づきました。きのこ仲間の間で噂になっていたキノコ爺さんであることに。大きなリュックに、大きな鎌。バスで毎日のように山に通っていると言われていました。聞くと、やはりバスに乗ってきたそうです。バス停から私達が会ったとこまでは10キロ以上はあるでしょう。朝9時に山に入って午後3時まで山を縦断してきたそうです。大変な健脚です。春先には行者にんにくを採るために一泊(山の中にです)する事もあるそうです。
 何を気に入られたのか、30分以上立ち話をしながら、色々な事を教えてもらいました。勿論舞茸の出る木も教えてくれました。林道から見えている木ですが、とても行けそうにありません。お爺ちゃんは「行くんなら連れて行ってやる」とまで言ってくれました。これはキノコ採りの世界ではあまり無い事です。みんな自分のシロ(採れる場所)は秘密にするのが普通ですから。みんなの噂で聞いていたのでは偏屈そうだと言われていましたが、全然違いました。
 帰り、「バス停まで乗っていきませんか」と勧めましたが、「山の中をユックリ歩いていきたい」と言う事で、お爺ちゃんがいつもキノコ類を売っている場所を教えてもらって分かれました。
 その翌年、同じ時期にまた同じ場所で偶然会いました。お爺ちゃんの方は覚えていませんでしたが、話をすると、「ソウカ、ソウカ」と言って「今日はたいしたのがなかったんだ」と言いながらリュックから舞茸の小さめの株を取り出し、又くれたのでした。
 翌年は会えませんでしたが、その次の年に又会って、三度舞茸をいただきました。その後は中々会えず、5年位前、定山渓に向かっている時に道を歩いているお爺ちゃんを見かけたのが最後でした。年齢も聞いていなかったので、もう山は無理だろうな~と思っていたのですが、この時は嬉しかったですね。

 さて、今年の5月、山で行方不明になっていた100歳のお爺ちゃんが翌日無事保護されたと言うニュースが新聞やテレビで報道されました。このお爺ちゃんが誰あろう、舞茸爺ちゃんその人だったのです。(たぶんネットで調べると出てくると思います)
 今年100歳にもビックリしましたが、と言う事は、私と会った時にはすでに、90に近いくらいだったと言う事で、これも驚きでした。おじいちゃんもまさか山で迷子になるとは思っていなかったでしょうが、お爺ちゃんにすれば、山で死ぬのはきっと本望なんだろうな~、と思いますね。

 今日私はこれからホームグラウンドになるであろう山の探検に行ってきました。手前だけ見ていると、細い雑木しかない感じでしたが、林道を(誰も入っていないのが雑草の茂り方で分ります)奥に入っていくと段々太い立派な広葉樹が増えてきました。残念な事に、カメラにSDカードを入れ忘れていまして、写真はこの次ですね。今度いく時は双眼鏡を持っていき、なんの木か確認しようと思っています。林道の真ん中に・・・熊の糞、ありました。ハエがたかっていたので、それ程時間は経っていなかったかもしれません。熊は怖いですが・・・最近は、おじいちゃんの心境に近づいているようにも思えます。ま~兎も角人に迷惑だけはかけないようにします。
 舞茸に関しておじいちゃんから教えてもらった事は又の機会に書こうと思っています。