鎌倉も藤沢も師走の様相、この時期は小さいときから嫌いだった。
あの頃は父も母も店からの帰りが遅く、僕は小学生の低学年、弟は入学したばかり、二人で何時も留守番だった。
ラジオドラマ「ヤンボー、ニンボー、トンボー」を聞き、貸本屋さんで借りた「冒険ダン吉」や、「リボンの騎士」を読んで待っていた。
街にジングルベルが響く中、父も母も喜んだり悲しんだりと感情の起伏が激しくなり、
僕たちの気持ちも寒さと相まって縮こまっていったのを思い出す。
大晦日の夜遅くに両親がお肉や蒲鉾や伊達巻などを達成感に満ちた顔で買って帰ってきた。
僕たちもほっとして嬉しい気持ちだったのを覚えている。
その挙句の正月。曇りや雨の日もあっただろうが何故か思い出は何時も素晴らしい晴天だ。
今、自分が父になり自営業を営んでいる。あの時の様な正月を子どもたちに与えているのだろうか、
不安な師走も味あわせていない代わりに、新年の喜びも与えていないのではないか。
師走を真剣に新しい年へ向かって送ることが、また 大好き な晴天の正月を迎えるのだろう。
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あの頃は父も母も店からの帰りが遅く、僕は小学生の低学年、弟は入学したばかり、二人で何時も留守番だった。
ラジオドラマ「ヤンボー、ニンボー、トンボー」を聞き、貸本屋さんで借りた「冒険ダン吉」や、「リボンの騎士」を読んで待っていた。
街にジングルベルが響く中、父も母も喜んだり悲しんだりと感情の起伏が激しくなり、
僕たちの気持ちも寒さと相まって縮こまっていったのを思い出す。
大晦日の夜遅くに両親がお肉や蒲鉾や伊達巻などを達成感に満ちた顔で買って帰ってきた。
僕たちもほっとして嬉しい気持ちだったのを覚えている。
その挙句の正月。曇りや雨の日もあっただろうが何故か思い出は何時も素晴らしい晴天だ。
今、自分が父になり自営業を営んでいる。あの時の様な正月を子どもたちに与えているのだろうか、
不安な師走も味あわせていない代わりに、新年の喜びも与えていないのではないか。
師走を真剣に新しい年へ向かって送ることが、また 大好き な晴天の正月を迎えるのだろう。
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