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シックハウス症候群について考える

2012年12月14日 | 『本物の健康住宅』にかける思いです。

シックハウス症候群が社会的に大きな問題になってから20年近く経ちます。住まいと健康の関係はとても重要な問題ですから、ここであらためて話を整理しておきましょう。

シックハウス症候群は、建物の材料に含まれていた化学物質が人間の身体に悪影響を与えることで起こります。ここでいう化学物質とは、主に木材の殺虫や防腐、防カビを目的とした薬剤に含まれる成分のことです。

あるいは、合板などをつくるときに使う接着剤も含まれます。

たとえば、海外から輸入される木材は長い時間をかけて運ばれますが、その間に虫に食べられたりカビが生えたりしないよう、多くは薬剤の力に頼ります。薬剤処理された木材は長旅を終えても期待どおりの品質を保持しますが、それをアシストしている化学物質や、合板などの接着剤に含まれる有害物質が

揮発して室内に充満すると甚大な健康被害が引き起こされます。これがシックハウスの要因の一つで、住宅の着工棟数が増えていく一方、

20年くらい前からこうした報告が相次ぐようになりました。

同様に、ビニールクロスを貼る接着剤に含まれる防カビ剤が毒性をもっていたということもありました。

皮肉にも、快適な暮らしを約束するはずの新しい住まいが、恐ろしい毒を撒き散らしていたわけです。

現在は、使用する薬剤を毒性の少ないものに変えているため、以前のような健康被害は出にくくなりました。

ただ、どのような物質がシックハウスの症状を誘発するかは人によってまちまちで、誰が住んでも安心という「シックハウスフリー」な家は残念ながら存在しません。

これは、自然素材を多用した木の家も、例外ではありません。

信じがたい話ですが、毒性があるとされる化学物質には

平気でも、木材から出る天然の精油成分にアレルギー反応を示してしまう人もいるからです。

このように、個人差もありますので、接着剤を使ってつくられる集成材や合板の使用をすべて否定する必要はないと思います。

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