金閣寺から龍安寺、仁和寺まで世界遺産が続く衣笠山のふもと、きぬかけの路を少し歩いてみました。
懐かしい龍安寺、蝉時雨に青もみじ夏らしい爽やかな境内は昔と余り変わりません。
観光客は暑さのせいか団体客は皆無、1人か2人連れが多く京の歌にもあるような女ひとり旅でしょうか?目につきました。
山門から鏡容池を巡るように石庭にむかいます。途中何故か弁財天の鳥居がありますが、豊臣秀吉が鏡容池には霊力があると礼拝した弁財天が祀られているとの事です。
さてご存じ石庭です。方丈庭園は全部で15個の石が配置されていますが何処から見ても14個しか見えないという不思議な造り、東洋の世界で完璧を表す15と言う数字から1つ少なくすることで不完全な庭を表現していると言われています。
そう言えば、どこかのバスガイドさんに教えてもらったような有名なお話です。
方丈の裏側にある手水鉢の知足の蹲踞です。かつて茶室に入る前に、手と口を清めるために使われていたと言うことです。
さて、方丈内の襖絵を堪能した後は庭園散策です。四季折々の美しい風景が楽しめる鏡容池を中心に回遊式庭園になっています。
のんびりと睡蓮の花を楽しみながら廻ってみました。途中、湯豆腐茶屋も見つけました。
訳あってこの時はひとりでのんびり、1時間ほど楽しませていただきました。
きぬかけの路、ゆるやかにカーブの続く道ですが、2月も初めの寒い時期に受験にやってきて、山門近くの道路際に腰掛けて凍えるようなお弁当に冷たいポリ茶瓶で昼食をとった記憶が蘇りました。
1960年後半の大学紛争真っ只中の学生生活、少し落ち着いた1970年に在籍した学部は衣笠の地に移転しました。
この路は平成の初めに、きぬかけの路と命名され今では観光道路として、隣接する大学の正門からキャンパスが広がり周辺は学生の街として賑わいを見せています。
当時を思い起こすと、大きな時代の移り変わりを感じた、きぬかけの路でした。