古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第十章 地震・津浪乃記・その三十三

2012年02月29日 09時23分19秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

地震津浪乃記第八ページ(上の写真の五行目六行目)

解読   近辺ニ而袋二部二色ホハ浪高く荒強し。袋ハ家納屋

      土蔵ホ不残流亡す。一片のものも残ル所なし。人にハ損ジ

読み方  近辺にて、袋、二部、二色等は浪高く荒れ強し。袋は家、納屋

    土蔵等残らず流亡す。一片のものも残る所なし。人には損じ

解説   「ニ而」・・・にて。 「袋・二部・二色」・・・現串本町内の字名。串本浦と有田浦の中間に位置します。中でも「袋」はその名の様に、袋状の地形で、津浪の時には被害が大きい地区です。現串本町の無量寺は昔串本町が発達していない頃、この袋地区にありました。宝永の地震の津波で流失し、その後串本の現在地に移築しました。 「流亡春」・・・「春」は変体仮名の「す」です。このブログは古文書の初歩の学習ですから、同じ事を何度も繰り返して説明しています。御了承下さい。 「人尓ハ」・・・人には。「尓」は変体仮名の「に」。 「損ジ」・・・損害。 二部・二色は昨日説明しました。読み方は「にぶ・にしき」