糖尿病治療の辛さは、血糖自己測定の辛さでもある。
現在の主流は、穿刺針で指先などから微量の血を出し、それを測定チップにしみこませ、測定器で血糖値を読み取る方法。でも、採血の痛みがつらいとか、測定に費用がかかるなどの問題がある。
そこで、採血なしに血糖値を測定する技術の研究が進んでいる。アメリカでも、レーザー式の血糖値測定器が開発されたが、測定結果が不正確であったり、皮膚がレーザー光で炎症を起こしたりと、なかなかいいのができなかった。
英国のバース大学の研究チームが開発したのは、皮膚にパッチを貼るだけで、痛みがなく、10~15分ごとにグルコース値を連続測定するという新しいタイプの血糖測定システム。でも、実用化が何年先になるか分からない。
やはり、最も期待できるのは、京都府木津川市の量子科学技術研究開発機構関西光科学研究所のチームが発表した レーザー式血糖値測定器だろう。今年から、本格的な臨床研究を開始し、4年後の商品化が予定されている。血を出さないので痛みがなく、測定には単3電池を使うだけで費用はいらない。