数日前、テレビドラマ 「警視庁強行犯係 樋口顕―遠火―」を見た。
この番組に限らず、いつもBSの再放送で若き頃の俳優女優ばかり見ているが、新聞の番組欄で紹介されていた、警視庁捜査1課の実直な警部・樋口顕を演じる内藤剛志の顔がそれなりに老けていたので、これは新作かな? と興味がわいたのだ。
別に刑事物が好きというわけではない。
船越英一郎系のちょっとふざけたもの、仲村トオル系の重く陰湿なもの(どっちも再放送)等は、他に見る番組が無くてもスルーする。
でも、この警視庁強行犯係はほとんど見ているように思う。
樋口を演じる内藤剛志、親友であり、樋口と組んで事件を解決に導く生活安全課の氏家を演じる佐野史郎、他に榎木孝明、矢田亜希子、河相我聞がレギュラーだが、この人達のファンでもないし、内容が特別面白い訳でもないが、まったくのところ、自分でも笑ってしまうような理由から、チャンネルを合わせる。
その理由とは?
親友二人と同じ名前の「樋口さん」と「氏家さん」が登場するから。
それだけのことで?
そう、それだけのことで。
樋口さんは、一番の親友だ。
出会いは1993年6月。まだ東京にいた頃で、受講した「中高年の初心者山歩き講習会」の初日に、同じテーブルについた時。多分お互いに一目ぼれ(男女でなくてもそういう関係ってあるんだね)。
樋口さんは、夫と同じ2022年に帰らぬ人となってしまったけれど、今でも永遠の「一番の親友」に変わりない。
氏家さんとは群馬に越して来てから出会った。
夫以外に知り合いのいないこの町での日々を、おもしろ可笑しくしてくれた最初の友。
夢を見させてくれたし、実りの喜びもおしえてくれた。彼女のもっているものを惜しみなく与えてもらったことで、55歳から始まった新天地での不安な日々も、いつしか遠いものとなり、今では当たり前のように、この地にとけこめている。
氏家さんは元気いっぱい。同じ年齢なのにカッコ良すぎるけれど、天然ぶりも垣間見せてくれるから、ヤキモチも焼けない。
ドラマの二人が「樋口」「氏家」と呼び合うたびに、内容そっちのけで、樋口さんを想い、氏家さんを連想しては、二人からの友情に包まれているかのような気持ちになるのだ。
刑事ドラマを見て親友たちを思い浮かべる、かなり変だけど……。
気持ちがほっこり出来ました。