狷介不羈の寄留者TNの日々、沈思黙考

多くの失敗と後悔から得た考え方・捉え方・共感を持つ私が、独り静かに黙想、祈り、悔い改め、常識に囚われず根拠を問う。

情報隠蔽による被曝被害の拡大・・・政府、東電、NHK、自治体、医学者の責任・・・「福島 原発と人びと」を読んで

2012-11-29 23:46:42 | 災害・地震・戦争
 総タイトル:【情報隠蔽による被曝被害の拡大・・・政府、東電、NHK、自治体、医学者の責任・・・「福島 原発と人びと」を読んで】

 パレスチナ等の困難な地域で長年取材をされて来られた経験を基に、福島原発事故の問題と現在までの日本の体制の問題を、現地直接取材に基づいて鋭く突いた本を読みました。
 「福島 原発と人びと」(著者:広河隆一氏、出版社:岩波新書、出版日:2011/8/19)
 著者は青年期から、パレスチナ問題ユダヤ問題等と西欧帝国主義も含めた中東問題において、直接の現地取材におけるフリーランスのフォトジャーナリストとして活躍されて来られました。その中でも、イスラエルにおいて支配階級に存在する偽ユダヤ人のアシュケナジー・ユダヤ人(カザール人)から、アブラハム―イサク―ヤコブの血統で本当のユダヤ人であるパレスチナ人が虐げられている矛盾を、パレスチナ人の視点に立ってパレスチナ難民キャンプ等で取材をして来られました。他にもチェルノブイリ原発事故に関する取材もされて来られ、原発の危険性を著者自身の月間発行誌「DAYS JAPAN」等によって発信されて来られました。福島原発事故の直前(同誌2011年1月号)においては、著者自身と年齢・出身大学が同じで反原発活動家で作家の広瀬隆氏の執筆により、今後に必ず起こる東海・東南海・南海連動型地震による浜岡原発事故による爆発の危険性を、その予見力から世に警告されておられました。そして、同年3月11日の福島原発事故によって、その予見通りに水素爆発が起こりました。
 此度の原発事故によりセシウム換算では、広島・長崎原発の800発分が放出されたとされています。しかし、情報の隠蔽と遅延と洗脳によって、出来るだけ遠方に早く避難しなければならなかったにもかかわらず地元に引き留め、正確な情報が伝えられるまでに住民は猛烈に被曝してしまいました。政府、東電、自治体、医学者、NHKを始めとしたマスコミ責任は重大です此れまでも人命より経済的利益を優先し、原発政策を推進してきた政府と財界の責任は重大です。前者らによる原子力産業の巨大な体制の根本的な問題としての原発を全廃する事が必要です。
 2011年3月11日14時46分、三陸沖にて長さ600kmの3つの断層の動きによるマグニチュード7の地震が発生し、其の後に2時間程津波に覆われて福島第一原発の非常用ディーゼル発電機が機能を失って交流電源を喪失し、緊急炉心冷却システムが停止しました。その4時間以上後になって、日本で初の「原子力緊急事態宣言」が発令されました。発生6時間後に初めて半径2km圏内に避難指示を出し、その1時間後に3km圏内に変更して10km圏内での屋内待避指示を出しました。発生7時間後からNHKが官房長官の発表を元に、「放射能は漏れておらず、念の為に避難を」と言う内容が繰り返されました。その日の夜は、東京においても帰宅難民が発生しました。
 翌日(2日目)朝6時40頃の時点での東電資料による福島第一原発正門付近では4.9μSv/時となり、同じ頃にNHKが保安院の言葉として、「1号機から放射能が微量が漏れ始めているが、住民への健康にはただちに影響が無いと予想される事から、住民は落ち着いて避難してほしい。」と伝えました。10時17分、1号機の格納容器の圧力を下げる為に、放射性物質を含んだ蒸気を大気中へ逃すベントを行なった。此の時、其れによる住民の被曝が予想されたにもかかわらず、避難指示区域が拡大されず、避難方向も指示されませんでした15時36分、1号機が水素爆発を起こしました。その3時間後避難指示区域が10km圏内から20km圏内に拡大されました。
 3日目、朝5時に3号機の冷却機能の停止8時半に第一原発敷地内にて放射線量が急上昇して3号機のベントを開始しました。しかし此の時も、放出される放射線量は微量との報告が繰り返されました。又、この時点では未だ検問所が設置されていませんでした。著者がこの日に第一原発の在る双葉町役場前にて測定すると、1000μSv/時(1mSv/時)まで計測可能な計測器の針が振り切れてしまいました。因みに一般人の放射線の年間許容値は1mSv/年、其れの時間当たりの換算で0.11μSv/時です。しかし此の頃、住民の方達にはこの深刻な状態であると言う事の情報はもたらされていなく、その間に多大な被曝に見舞われていました。
 4日目、午前11時、3号機が水素爆発を起こし、13時25分、2号機の冷却機能停止で空焚き状態になりました。21時、官房長官より、1・2・3号機共に炉心溶融(メルトダウン)の可能性が高いと発表されました。21時半頃、第一原発正門付近で、3130μSv/時(3.13mSv/時)が計測されました。此の時に、東電からの全員退去の要望を、政府は認めませんでした。
 5日目、日付が変わった頃に2号機のベントを開始しました。午前4時、南に40kmのいわき市で23.7μSv/時、6時前に80km離れた茨城県北茨木市で5.5μSv/時が計測されました。6時頃、4号機の使用済み核燃料プールにて爆発、その直後に2号機の圧力制御室で水素による可能性が高い爆発、9時40分に4号機で火災が発生しました。10時22分に3号機周辺で40万μSv/時(400mSv/時)、4号機周辺で10万μSv/時(100mSv/時)を計測したと発表されました。11時頃20~30km圏内の屋内待避の指示が出されました。夕方頃、著者が30km圏外の北西に位置する伊達市でも60μSv/時が計測されました。後に同じ北西30km圏外の飯館村が計画的避難区域に、伊達市が特定避難勧奨地点に指定されるまでは、北西方向の風の流れの事については隠蔽され、その地域の住民は多大に被曝し続けました。此の日の夜に政府が双葉町の隣の浪江町にて330μSv/時を計測しましたが、地名を伏せて公表した為に屋内待避の人達には情報が伝えられず、多量に被曝されてしまいました
 其の後、3月25日20~30km圏内の自主避難促進発生1ヶ月後の4月12日に放出放射性物質量がレベル7と発表、4月22日計画的避難地域等を30km圏外で指定しました。又、発生2ヶ月後の5月12日に、東電が事故最初の数日中に炉心溶融していた事を認めました。
 福島第一原発は営業開始から32~40年、数多くの問題が発生してトラブルの隠蔽も有りました。竜巻・台風対策として津波に弱い地下に非常用発電機が作られ、その危険性を指摘されながらも利益を優先して改善されませんでした。又、同様に必要とされていた耐震性の向上も図らず、定期検査も期間を短くする等で、安全よりも利益を優先した東京電力の経営体質が有りました。末端の社員は様々な事で板挟みとなり、その経営体制の中に組み込まれていました。地元では殆どの人が原発関係の仕事に携わっており、原発に関しての批判をする事がタブーでした。2010年10月からプルサーマル計画によるMOX燃料(ウランとプルトニウムを酸化物の形で混合した燃料)が導入され、其れに反対していた佐藤栄佐久氏が冤罪によって逮捕されました。他にも、原発を批判していた管理職の女性が暗殺された東電OL殺人事件等、原発関係者の不審死が今までに数多く在りました。
 官邸、原子力保安院、東電が情報管理して隠蔽したり伝える事を遅らせ、国に利用される「御用学者」長崎大学教授達等の医学者が安全だと繰り返して被災者を騙したり世論を鎮静化させ、政府や東電が認めた情報が正しいとされてそれをただ垂れ流すNHK、世間からの信用度が高いNHKはその情報を追認する事となって、被災者は洗脳されて騙されました。又、事故発生2日目以降、直ちに影響が無いと言っていたのは急性疾患のみを対象としていたもので、其の後の20~30年後に晩発的に癌等で発症する内部被曝については考慮していません。著者の様なフリーランスの記者の場合は、会社・組織の制約を受けない為に記者クラブ等と違って自由な取材と報道が出来ますが、それでも出演のテレビの番組に対して電気事業連合会等が原発批判等をする事で広告費を出さなくなる等の圧力が有りました。新聞・雑誌等の原発関連記事を監視する為に政府が外部委託費を払っていたり、震災後にもインターネットやツィッター等の監視の為に予算の計上を行なっています。マスメディアは広告費の欲しさと保身から、原発を擁護して来ました。
 福島は自然豊かで、地元の住民は長年の土づくりを通して有機農業を行なって来ており、無農薬で化学肥料を使わず、地産地消で虫食い野菜等の合成添加物無添加の食品を地元の自然食レストラン等で提供し、自然の中にあって環境や健康に対する関心も非常に高い人達でした。他にもワクチン接種を控えるとか、レントゲン写真を出来るだけ撮らない、サプリメントに頼らない等と気を使っていました。それが、原発事故によってそれらが全て破壊されてしまい、原発周辺地域には永遠に戻る事が不可能となって、その土地は死んでしまいました。元々その様な自然環境や健康に敏感であった人達は、早々と他所の地へ避難しました。
 放射線防護服とされる白い服は、放射線を透過します。透過を防ぐ物としては透過力の弱い順に、α線は紙1枚程度、β線は厚さ数mmのアルミニウム板、γ線は厚さ10cmの鉛(厚さ2.5cmで1/10)か厚さ50cmのコンクリート、中性子線は更に分厚い厚さで水分の水素原子を多く含むコンクリートが必要とされています。しかし、内部被曝の場合は身体の中に遮蔽物を置くことが出来ない為に、人体に対する作用の大きさにおいてx線を1とした場合に、γ線が0.6~1、β線が1、陽子線が1~10、中性子線が2~10、α線が15~20(放射線荷重係数)の大きさで人体に影響を与えます。放射線から身を守る事としてはそれらに対してだけでは無く、政治家、官僚、原子力産業界、IAEA、放射線医学の権威者、マスコミから身を守る事が必要で、それらを当てにして頼ろうとせずに市民団体、NPO、NGO、インターネット等からの正しい情報等を得て自らが勉強して判断する事が必要です。薬やワクチン、ガン等の治療法、食品、生活物資等、自己責任を持って自らが考えて取捨選択し行動する事が必要です。又、放射線や病原性ウイルス・細菌、合成化学物質等に対する免疫力の増強を図って、規則正しい生活やバランスの良い栄養価の高い食事の摂取、十分な睡眠、適当な運動、そして身体の内部から体温を上げて代謝力を高める事が防御となります。
 著者は、チェルノブイリや此度の福島の原発事故において、食品検査用放射能測定器の寄贈等、多くの支援を行って来ました。中東地域等で、子供や弱い立場の人達を取り上げて支援して来ました。常に下層の人達に交じって同じ目線に立って、現地で活躍されて来られました。その行動力と姿勢・思想はすばらしいと思います。
 
福島 原発と人びと (岩波新書)福島 原発と人びと (岩波新書)価格:¥ 798(税込)発売日:2011-08-20



瓦礫のばらまき・・・20~30年後に発症する、内部被曝によるガン・・・「内部被曝の真実 」を読んで

2012-11-28 21:16:03 | 災害・地震・戦争
 今後の生命の危険性から、原発全廃と、瓦礫のばらまきを阻止して被災地に瓦礫を留めておく事の必要性を思いながら、本書を読みました。
 「内部被曝の真実 」(著者:児玉龍彦氏、出版社:幻冬舎新書、出版日:2011/9/8)  
 本書が出版された福島原発事故の半年後の時点で、広島・長崎の20倍の放射線量の放出と言われていますが、セシウム換算では800倍チェルノブイリ原発事故の何倍とも言われています。種々の放射性物質の摂取によって影響の出る身体の組織・器官の部位に違いが有り、「ヨウ素131」は甲状腺に対し影響力が有り半減期8日「セシウム137」は水溶性で尿管上皮・膀胱で強力なγ線・β線を放出し半減期30年「ストロンチウム90」は骨髄でβ線を放出して半減期29年肝臓の造影剤「トロトラスト」に使われていた「トリウム232」肝臓や肺臓、膵臓でα線を放出して半減期140億年等と、身体の体内に長期間残留して蓄積内部被爆を起こします。放射線の中で最も人体に対する作用が大きいのはα線です。人体に対する作用の大きさにおいてx線を1とした場合に、γ線が0.6~1、β線が1、陽子線が1~10、中性子線が2~10、α線が15~20です(放射線荷重係数)。
 比較的半減期の短いヨウ素131も、チェルノブイリ原発事故の際にはガンと原発事故との関連性が認定されるまでに20年を要しました。その際には前例が無くデータが不足してエビデンスが得られなかった事もあって、癌や慢性疾患、急性疾患等の原発事故が原因であるという判断がし難かったと言う事も有りました。しかし、福島原発事故の場合にはチェルノブイリのデータが有り、ある程度のエビデンスが存在しているはずです。原発事故由来の疾患の認定には、政治や企業の利権も関係します。又、20km内の警戒区域、30km内の緊急時避難準備区域、その範囲外の計画的避難区域が政府によって指定され、その地域の方の避難に対しては補償金が降りますが、その指定から漏れた地域の方が遠方の地域に避難した場合には国からの補償金が出されません。内部被爆は瓦礫のばらまき飲食品・大気の摂取など様々な形で人間の体内に摂取されますが、政府の指定している範囲内だけでは無く、より広範囲に影響が出ます。茶葉においては、静岡の辺りにまで基準値を超える影響が出ています。又、ガン等の発症には20年~30年かかり、原発事故との関連性が認められるまでにも時間を要し、其々のエビデンスが得られるのも時間の経過と共に被災者を始めとした周辺地域、及び物流等によって広がった放射性物質を摂取した可能性の有る人々を監視して調べていく事による為に、事故が起きてからすぐに必要な補償金・賠償金が出してもらえず、最悪の場合、亡くなってからの補償・賠償となってしまいます。
 富山県神通川下流域におけるイタイイタイ病発生原因のカドミウムの除染に対する国費が、3000ha(1万'u)の半分実施の時点で8000億円かかっており、福島原発の除染は1000倍の範囲に必要だとされ、単純計算だけでも800兆円がかかるとされています。又、空間の放射線測定値はその場所の平均値であり、雨樋の下やすべり台の下等の部分的に放射線量が多く溜まっている「ミニ・ホットスポット」が在り、一概に、平均的に対処する事が出来ません。先述の放射線物質の種類によって身体の中の蓄積する部分が違ってくる事があり、携帯型の簡易放射線量計測器で身体の表面の放射線を計っただけでは詳細な部位等までが解らない事も併せて、其々における個々に応じた対応・処置・治療等が必要です。一つの根拠、一つのパターンに当てはめて診る事は出来ません。それらの現段階で根拠とされているものに当てはまるものだけが原発事故と関係が有る訳ではありません。その根拠には、政治・官僚・財界・外国権力等の利権が関係しています。因みに原発の利権問題や批判から、管理職の女性が暗殺された東電OL殺人事件やその他冤罪事件等の不可解な事件が数多く起こされて来ました。
 放射性物質の摂取により遺伝子が損傷を受けます。細胞の中の核には多数の染色体が存在し、染色体の中に多くの遺伝子が存在します。その遺伝子を構成するのが二重らせん構造をとるDNAであり、細胞分裂の時に二重らせん構造がほどけて不安定となった時に放射線によって切れやすくなります。普通は「p53遺伝子」によって、各細胞内でDNAの修復や細胞増殖の抑制、アポトーシス(細胞死)を起こして癌細胞の増殖を抑制しているのですが、放射線によってこの癌抑制遺伝子が損傷を受けてしまって、生体の恒常性を失ってしまい癌を引き起こしてしまいます。セシウム137の場合、腫瘍マーカーとしてNF-κBとp38マップキナーゼの活性化や、p50、p65遺伝子の増殖が有ります。
 施設によって放射線核種の取扱に制限が有り、著者は法律違反を犯して事故後の緊急時から除染作業を行っております。緊急時に行政に頼るだけでは間に合わず、法律の改正を求めております。
 元々地球上にはセシウム137は無く、ストロンチウム90も殆ど存在しませんでした。第二次大戦前の1940年から原爆実験が始められ、広島・長崎原爆の1000倍の放射線を放出する水爆実験を第二次大戦後に行って来ましたが、猿橋勝子博士の働きかけで1963年に米・英・ソによって部分的核実験禁止条約が締結されて、其の後にそれらの放射性物質の月間降下量が減少化しました。しかしその後も、核保有国の地位を認められている以上3ヶ国以外のフランスや中国と、認められていないイスラエル、北朝鮮、インド、パキスタンが水爆実験を繰り返して地球上に放出されました。因みに1963年レイチェル・カーソンの働きかけで米国での有機塩素系殺虫剤であるDDTの全面禁止や、1961年から1975年までの米軍によるベトナム戦争でのダイオキシンを含んだ枯葉剤の散布を行なっていた背景があります。当時の米国大統領はケネディで、その1963年に亡くなっています。レイチェル・カーソンも翌年に亡くなっております。
 著者は、内部被曝の原因となる食品検査に、医療で用いられるPETやSPECTで使われる検出器を応用する事を提案しています。それらは陽電子や光子を用いたCTで、身体の内部からの放射線を外部で検出して画像として表す物で、非常に感度が良く試作品も短期間で比較的安価で作る事が出来ます。
  科学を今後は経済・産業の限りある成長に用いるのでは無く、人間が地球上に出してしまった放射性物質の処理や除染、廃棄物の処理、再生可能代替エネルギー等の自然環境の回復と保護に用いるべきで、発展途上国等の不足する地域への広い限りない発展が必要です。自然環境の回復と保護が、その生態系の一部である人間の回復と保護にも繋がります
 著者は言います、「・・・みんなが専門家に聞きたいのは、何も政治家みたいに折り合いをつけることじゃない。危険を危険だとはっきり言うのが専門家なのです。今までの原子力学会や原子力政策のすべての失敗は、専門家が専門家の矜持を捨てたことにあります。国民に本当のことを言う前に政治家になってしまった。経済人になってしまった。これの反省なくしては、・・・日本の科学者の再生もありえないと思っています。」。マスコミも含めて、権力者に迎合したり媚びへつらったりせず、真実を述べられる事が望まれます。 
 
内部被曝の真実 (幻冬舎新書)内部被曝の真実 (幻冬舎新書)価格:¥ 756(税込)発売日:2011-09-08



一握りの支配層による「益」と「害」の決めつけの結果の環境破壊・・・「沈黙の春」を読んで

2012-11-27 23:52:24 | 社会・経済
 アメリカ政府をも動かした次の名著を読みました。
 「沈黙の春」(著者:レイチェル カーソン氏、出版社:新潮文庫、出版日:1974/2/20(改版・文庫版))  
 1962年に生物学者である著者によって本書が出版され、当時のアメリカ大統領J・F・ケネディが本書を読んだ事をきっかけとして、翌年、有機塩素系殺虫剤のDDTが全面禁止になりました。しかし、其の全面禁止となった翌年の1964年4月に癌で亡くなられました。因みに、ケネディも前年の1963年11月に亡くなられました。当時、DDT等の有機塩素化合物の人間への毒性や残留性による環境悪化について認識されておらず、著者がその啓蒙活動に励んでおられました。しかし、アメリカの保守層から著者の理論に対して当時から現在まで批判が有り、発展途上国においてのDDT禁止後のマラリアの再興に繋がったと言うせいにされて批判されています。因みに、ベトナム戦争下の1961年~1975年には、有機塩素化合物のダイオキシンを含む枯葉剤の散布をアメリカは行いました。又、有機塩素系殺虫剤や有機リン系殺虫剤は元々化学兵器等の軍事利用で考えられていたものを応用して作られたもので、その神経ガスはサリンやVXガスの開発に至りました。
 世間の大多数の人々は、少数の先見性・洞察力のある研究者等によって問題提議がなされたり警告を伝えられたりして、その中の一部の人々はその危険性に察知して目覚め、その他の人々は鈍感にも気付かない、或いは気付いても不快に思ったり自分に都合が悪いと言う等で嘲笑したり無視します。製薬会社は有機塩素系合成薬品や有機リン系合成薬品、ネオニコチノイド等の毒性の有る天然物由来合成薬品で利益を得る為に、それらを使わない農業における生物農法等の他の方法の研究には消極的です。大抵の人々は日々忙しく過ごしており、仕事等の自分の専門分野以外に興味を持たず、又は気に掛ける暇もなく、気付いても金銭面や社会的地位、雇用等を考慮して現状の安定と真実とを天秤に掛けて、判断し、妥協したり、迎合したり媚び諂ったりしてしまいます。しかし、自然環境は悪化し続けています別の道を探る必要が有ります。
 一握りの支配層による「益」と「害」の決めつけの結果の環境破壊であり、人間本位の考えによって動物や植物等が、家畜や食物、資源、エネルギー、害虫等に決められました。それによって自然環境や生態系の均衡が崩れ、河川の氾濫や山崩れ、新たなウイルス・細菌のもたらす疫病の発生、一部の昆虫の大発生等の自然災害に繋がったり、食料飢饉、エネルギー不足に繋がっています。元々自然界には環境抵抗が存在して其の都度ある一方に偏りが生じていないか点検し、捕食者と被食者とのバランスが取れるようなシステム・構造が成り立っていました。そのシステムを傲慢な人間が、自分達の都合・欲望によって破壊して来ました。
 自然・生態系には循環システムが有り、その一部でも狂うと全てに影響が出てしまいます。人間も身体の一部の不調によって、その人の他の部位の不調に繋がったり生活の質(QOL)が落ちてしまいます。植物が光合成をして糖・エネルギーを形成し、それを植物自身や人間等の動物が利用して、解糖系、クエン酸回路系、電子伝達系へと流れ、動物においては肝臓のオルニチン回路で尿素が生成されて排出されます。土壌の細菌によって生物の死骸や排出物が分解されて、窒素同化や窒素固定が行われてアミノ酸が形成されます。その他に様々なシステムが複雑に加わって、その様な生態系全体の代謝循環システムが成り立っています。
 殺虫剤や農薬はその成分の毒性が利用されて作られていますので、その毒性に抵抗力・免疫力が有るか否かでその影響の出現の有無と言う結果になっています。人間が害虫と決めつけた昆虫と同程度かそれ以下の抵抗力しか持たない益虫は、殺虫剤や農薬で同じ様に絶えてしまいます。また農業においては、益虫の他にも土壌の中の有益なバクテリア(細菌)や微生物までも根絶やしにしてしまいます。更に、害虫が耐性を強める事に対して製薬メーカーは薬効を強め、また害虫はより耐性を身に付けると言うイタチゴッコを永遠に続けなければなりません。対症療法ばかりで根本的な解決にはなりません。
 前述のDDTは先進諸国では禁止されて使用されていませんが、中国やインドでは現在も製造され、その輸出された物が発展途上国マラリア対策の為に使用され、一部に農薬としての使用も起こっています。マラリアは蚊の内の一種であるハマダラカを媒介として、其れに寄生したマラリア原虫が人に移されて感染します。DDTは発癌性や催奇形性が有り健康被害を伴います。他に、抗マラリア剤や治療薬等による対象療法も行なわれています。その根本的な解決の為に、マラリアに感染しない、或いは感染しても人の感染への影響の出ない程に潜伏期間の短いハマダラカや、科学による遺伝子操作により原虫を寄生させないハマダラカを作って自然の媒介源と入れ替える研究が進んでいます。
 日本においてはマラリアの感染はほぼ有りませんが、蚊にはよく悩まされます。物理的対策としての網戸、蚊帳等が在り、天然の除虫菊の成分ピレトリンを使用した蚊取り線香や殺虫スプレー、ハーブの製油・抽出成分を使用した天然殺虫剤が在ります。他に、BT剤と言う天敵微生物を利用した生物農薬が在り、標的とする害虫がその結晶タンパクを取り入れて体内で消化されて毒素となるものです。それは遺伝子組み換え作物への実用化がされています。又、蚊を捕食するトンボ、クモ、メダカ、ウナギの稚魚等が生物駆除として役立っています。また発生の予防として、ボウフラの発生源である水溜りを無くす事も有ります。発展途上国において、ピレスロイド系殺虫剤を練り込んだ蚊帳を普及しようとしています。
 天然物と言う良いイメージは誤解で、有毒生物であるフグや毒キノコ、マムシ、タバコ、大麻等が在ります。毒は有機塩素や有機リン等の有機合成化合物だけでは無く、無機化合物にも在ります。
 単体としての毒は、ヒ素、フッ素、リン、塩素、カドミウム、水銀、鉛、プルトニウム、ボロニウム、セレン、タリウム、オゾン等が在ります。
 無機化合物としての毒は、フッ化水素、シアン化水素、硫化水素、一酸化炭素、シアン化カリウム(青酸カリ)、シアン化ナトリウム、水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)、アジ化ナトリウム、塩化水銀、二クロム酸カリウム、塩化金酸、硝酸銀等が在ります。
 生物由来の有機化合物としての毒には、ニコチン、テトロドトキシン、ボツリヌストキシン、コルヒチン、リシン等が在ります。
 合成の有機化合物としての毒は、化学兵器・神経ガスに使用されたり、現代の様々な石油由来合成化学製品に含まれています。化学物質の摂取で、生殖障害や精神障害、遺伝子損傷、発癌等が起こります。又、頭痛、不眠、食欲不振、倦怠感等の不定愁訴、自律神経失調症、更年期障害、うつ等の現代病の原因に化学物質過敏症等が考えられます。又、乳幼児期や幼少時に化学物質に被爆すると、自閉症や学習障害、注意欠陥・多動性障害等の発達障害に繋がる事も考えられます。
 限界の有る成長の為に科学を使うのでは無く、対症療法よりも前記の様な根本原因を無くす根治療法に利用したり、発展途上国への利用等の為の進歩と利用、発展が必要です。原発を無くす事は勿論ですが、既に出してしまった放射性廃棄物の処理や除染等に科学を向ける必要が有ります。自然環境の回復・保護の為に科学を使う事等が必要で、人間の貪欲の為に科学を向ける事は間違いです。
 ブリ―イエ博士の言葉、「私たちが危険な道を進んでいる事は疑うまでもなく明らかだ。・・・私たちは他の防除方法を目指して研究に励まなければならない。科学的防除では無く、生物的防除こそ、とるべき道であろう。・・・私たちは心をもっと高いところに向けるとともに、深い洞察力を持たなければならない。・・・生命とは、私たちの理解を超える奇跡であり、それと格闘する羽目になっても、尊敬の念だけは失ってはならない。・・・自然の力をうまく利用すれば、暴力など振るうまでも無い。必要なのは謙虚な心であり、科学者のうぬぼれの入る余地などは、ここには無いと言ってよい。」。
 また著者の言葉、「人におくれをとるものかと、やたらに、毒薬を振りまいたあげく、現代人は根源的なものに思いをひそめることが出来なくなってしまった。・・・生命にひそむ、この不思議な力など、化学薬品を振りまく人間は考えてもみない。『高きに心を向ける事なく自己満足におちいり』巨大な自然の力にへりくだることなく、ただ自然をもてあそんでいる。」。
 生命の奇跡・不思議な力、高きにある根源的なものに心を向ける...それは、唯一の万物の創造主に立ち返る事です。
 
沈黙の春 (新潮文庫)沈黙の春 (新潮文庫)価格:¥ 704(税込)発売日:1974-02-20



真実・予見・発明に対する嘲笑・・・ 「カサンドラのジレンマ ~地球の危機、希望の歌」を読んで

2012-11-27 01:55:27 | 災害・地震・戦争
 「カサンドラのジレンマ ~地球の危機、希望の歌」(著者:アラン・アトキソン氏、監訳:枝廣淳子氏、出版社: PHP研究所、出版日:2003/11/13) 
 現在、世界各地で様々な問題が起こっており、終末論が当てはまる程に世の終末的な様相を呈する様になっています。70億の人口は限界を感じ、それによる食料飢饉、エネルギーの不足・枯渇、自然破壊、そして人間も壊れ様としています。人口は幾何級数的に成長を続け、産業も急速に成長をして来ました。科学を過大に評価し、科学を持って行えば何事も叶えられると勘違いし、人間の貪欲・傲慢さによって有限資源を利用して、自然を破壊して来ました。有機塩素・有機リン合成化学製品の使用でも環境破壊をし、癌や神経性の病気につながっています。環境破壊によって異常気象が発生し、新たな疫病も増えました。又、人々にはその貪欲を満たす為の様々な楽しみ、グルメ、ファッション、レジャー、メディア、セックス、ドラッグ等がもたらされ、道徳や倫理観が壊され、社会も犯罪が多発する様になって壊れて来ました。又、政府がかつてのローマ帝国の「パンとサーカス」の様に、社会保障をばらまき、先述の娯楽を与えて、国民の人間性を壊して来ました。世界の裏で支配するエスタブリッシュメントは、より多くの富を持つ様になり権力もより大きくなって、各国を自分たちの都合によって操作をして、民族心やアイデンティティー、誇り、文化等を破壊して来ました。
 その様な現状の問題を、先見性の有る予見者が早くから予見して警告を発して来ましたが、一般庶民はマスコミの垂れ流す裏の支配階級の意向の働く情報を鵜呑みにし、それが世間に広まって多数派の考え・意見となって常識となり、希に映る警告を無視し嘲笑して来ました。2発の原爆を米国に落とされたにもかかわらず、その痛みを直ぐに忘れて米国のプロパガンダ映画等によって世間の人々は洗脳され科学や近代化は素晴らしいと賛美して原発等を作りました。そして先見者の言う警告を無視し嘲笑した結果、福島原発事故の起こった後に対処する方法が無く、直接痛い目に遭ったり今後の内部被爆で痛い目に遭う事となり、放射線廃棄物の処理にも困っています。そしてその痛みを他人事として全く感じていないかのごとく、経済界を中心にしてその原発を維持しようとしています。政財界の偉い方々にとっては、生命よりもお金の方が大事な様です。勿論、そこにも裏の権力の意向が働いています。日本のエスタブリッシュメントが核抑止力の下に真の独立を果たそうと考えて、世界で最も保有量が在り福島で使用していたプルトニウムによる核兵器を作ろうとしているとの情報も有ります。あの阪神淡路大震災の前には被災地の人々に地震が来る等と言っても誰も信じなかった位に、世間の人々は危機意識を持つ事の無い常識を持って「平和ボケ」していました。マスコミが支配階級の意向の下に、国民を洗脳して希な珍しい意見に対して鈍感にさせている訳でもあります。
 しかし、中にはその様な先見者の意見が取り入れられて変えられたり意識として注意をする事に繋がる等をして、その警告内容を結果的に避ける事が出来た事も有りました。しかし、其の場合にも結局は、先見者の言っていた事が外れたからと言って、世間一般の人達は嘲笑する訳です。あくまでもその先見者の警告があったからこそ、それを取り入れた指導的立場の者が対策を取ることが出来て難を逃れる事が出来た訳であり、無知な人々にはその有難味が解っていません
 因みに「先見者」や「予見者」は、自分の持っている洞察力や豊富な知識、判断力、考え方、そしてそれらの基の根拠を持つ事等によって其の先見の明がある訳ですが、飽く迄も「預言者」では無いと言う事を知っておく事も必要です。「予言」は前述の持っているものによって人間が予想しているだけで、「預言」は神様から託された言葉と言う意味で全く異なったものであります聖書にはイスラエルの民が神様に背を向けて悔い改めをせずに、其の都度神罰を与えられていた事が書かれています。モーセ、イザヤ、エレミヤ、エゼキエル、ダニエル等の、創造主の唯一神から御言葉を託された預言者達の言う事を聞かなかった王や祭祀やその指導者に導かれていた民々は、神様に立ち返らずに神様から離れ、北のイスラエル王国の崩壊で民が散らされた事や南のユダ王国のバビロン捕囚等が有りました。新約時代にはキリスト(救世主)として降臨されたイエス様の御言葉を聞かずに妬みを持っていたサンヘドリンの指導者達、それに煽られる群集によってイエス様を十字架に架け、其の後にユダヤ人は世界に散らされました。
 世界の富は一部に偏っており、最上位の2割が世界の富の80~90%を占め、最下層の2割が1%強しか持っていません。最上位層が自然を破壊して大量に消費し、最下層の人々は貧困・飢餓に苦しんでいます。人口問題の前に、富の分布のバランスの悪さが有ります。上への成長を止めるか緩やかにし、バランスよく横への発展を行なう必要が有ります。発展途上国においては、衣食住や教育、医療、インフラ等、不足するものが幾らでも有ります。逆に先進国では満ち足りている上での貪欲によって、必要性の無い物までをも贅沢に消費しています。そして科学に頼って限りない成長を夢見る勘違いをしています。人間には限界が有り、科学にも限界が有ります
 忙しくしていると思考する事も少なくなって気付く事も少なくなり、社会生活を送る上での世渡りの良さを得る為にも、周囲に妥協して偽善的になったり媚び諂ったりしてしまいがちです。しかし真実に気が付いている人達は現状に満足しておらず、どこかで変えたい、動きたいと願っています。終末論が起こってくるのも、キリストの再降臨天変地異によって世界が根本から変わって欲しいと言う願いから出ているのであって、根本に存在する世界権力を持つ支配階級に対しては言いたい事も言えずに、只々妥協し媚び諂うしか無いと思っているからです。
 支配階級を頂点にした世界のシステム・構造に組み込まれて、その末端の人達は使われ、動かされ、働かされて来ました。知識が無い、気が付かない、洗脳されて自虐史観に陥り自責の念に陥る、或いは気が付いていても自己保身、雇用の維持の為に、そのシステムに従わざるを得ない等です。高度成長期の頃の様に忙しく成長一辺倒であった時は偏りが生じたり思わぬ方向へ進んで間違う事も有り、公害等の環境問題が起こりました。システム・構造にフィードバックの機能が働いて成長を止めて後ろに戻って点検する事で、その軌道を修正してより正しい道を進む事が出来る様になります。そのフィードバックにより作られるループは、生命の循環システムに通じます。出来るだけゴミを出さずに再利用化し、自然を壊さず資源を減らさない、再生可能な天然のエネルギーの使用によって永遠に持続可能な生活・産業システムとなり、科学は今までの様な自然環境を壊す為では無く、その循環システムの手助けとして利用する事としての進歩と発展が必要となります。
 マーガレット・ミードの言葉「思慮深く熱心な少人数の市民が持つ、世界を変える力を疑ってはならない。実際に世界を変えることができたのは、その力だけだったのだ。」。
 著者が「…人類が大地を耕し、摩天楼を築き、そして大気組成にまで手をつけてしまったこの歴史上で、まだ見たことのない《何か》が必要である。…生涯それに従いたくなる力を持った《何か》が必要なのである。…しかし、幸いなことに、私たちには『それ』を表す《言葉》がある。」と言っていますが、私は、《何か》には「創造主」を、《言葉》には「聖書」を当てはめます。
 
カサンドラのジレンマ 地球の危機、希望の歌カサンドラのジレンマ 地球の危機、希望の歌価格:¥ 1,785(税込)発売日:2003-11-13



悪の根源、イルミナティ・フリーメーソン

2012-11-26 20:27:56 | 国際時事 2012~
 現在は政治、社会、経済、環境、エネルギー、食糧、疫病、異常気象、軍事、金融、あらゆる面において地球全体が限界、終末的な様相を呈しています。そして、それに加えて12月21日からのフォトンベルトの到来と、惑星ニビルの接近が有ります。人間は科学を信奉し、科学の進歩を持って行えば何事も叶える事が可能だと信じて傲慢に自然環境を破壊し、限りない成長を疑わずに今日まで来ました。その結果、様々な問題を生じて地球全体が危機を迎えています。その様々な問題についてマスコミは、その内の一部の表面的な部分のみを伝えています。全体の問題、そしてその其々の問題の裏側、奥深い根本の部分は隠して一般の人々には伝えていません。その根本的な問題を捉えなければ何時までも本当の理解をする事は出来ず、其れによる対処を行なう事も出来ません。
 現在の世界の根本に存在して支配し動かしているのは、イルミナティ・フリーメーソンと言う強大な権力を持つ秘密結社・カルト組織です。その根本を頂点にして、その傘下に様々な各国の組織が繋がり、末端の私達一般庶民が存在します。支配階級の下に政治家、官僚、財界、マスコミ等が存在し、支配者側が下層の者を使って様々な問題に繋がる事を行なって来ました。マスコミの伝える表面的な情報のみを捉えても、実際の処の本当の内容は解らない訳です。
 日本は敗戦後アメリカの占領を経て一応形としては独立しましたが、実際は戦後レジームに縛られてアメリカの追従ばかりを行なっており、アメリカの奴隷国家であります。GHQによる被占領時に米国から教育、情報、エネルギー、農業、医療等、全てにおいて押し付けられ、又、我国の一般庶民も米国の「近代化」や「自由」を喜んで受け入れて来ました。近代化によって天然・自然の物が失われて石油合成化学製品が溢れる様になり、がんを始めとした様々な疾患が生じ、自然破壊によって新しい疫病がもたらされました。自由によって戦前の修身に在った様な道徳・倫理観が失われ、セックス、ドラッグ等に関するものがもたらされ開放されて、自律する事も出来なくなって来ました。マスコミ大衆受けする様な情報しか流さず、大衆の喜ばない情報は流しません。ドラマや映画の中でもセックス場面が満ち溢れ、ニュース番組や情報番組でも音楽や映画、スポーツ、芸能人の事等のエンターテイメントの情報が殆どで、テレビはその他にバラエティー番組やクイズ番組の様な意味の無い虚しい番組が多いです。それらも戦後の米国によって強いられて一般庶民が喜んで受け入れたものばかりです。政治や社会不安・社会問題に関心を持たせず、第二次大戦における日本の戦争責任を国民に持たせ、自虐史観を植え付けて来ました。
 しかし、日本が米国、CIAに操作されて来た訳ですが、そのアメリカも裏でコントロールされて来た訳です。アメリカ合衆国は歴史も浅く、独立前はイギリス、フランスの植民地でした。其の後、英国が米国において優勢となって、米国の独立後も英国の組織のWASP(ホワイト・アングロサクソン・プロテスタント)によって実際は支配されていました。米国の歴代大統領フリーメーソンのメンバー、或いは裏・側近でコントロールされていた者ばかりです。因みにJ・F・ケネディもフリーメーソンのメンバーでした。ケネディは米国がコントロールされている事を表している、連邦準備銀行(FRB)という私立銀行から国に貨幣の発行権を取り戻そうとして、裏切った為に暗殺されました。かつては英国王家を中心としたクラブ・オブ・アイルズというヨーロッパ王家の血筋で固めたグループが頂点にいましたが、いつの時代にも有る様に支配階級の内部の権力闘争等で色々と変わり、現在ではイルミナティ・フリーメーソンが其の頂点に存在し、其の中のメンバー、或いはそれに組み込まれたりその下に加わる事等で、ヨーロッパ王家やTC(三極委員会)、CFR(外交問題評議会)、西欧エスタブリッシュメント、シオニスト、アシュケナジー・ユダヤ人等が存在しています。そして、その支配階級の傘下を構成する様々な分野での組織・団体が、支配階級の意向・指示で動いています。日本が、特に戦後に一般庶民でアメリカの大衆文化を好んで受け入れて来た人達が、自由と民主主義の手本の様に崇めてきた米国は、今やその支配階級に完全に握られて、ファシズム化、共産主義化されて来ています。かつてのソ連は庶民を低平準化して奴隷化する実験であって、それを今後は米国、そして世界支配に生かそうとしています。
 最近の中東での民主化と言う名目の下での内戦等でも、NATOや米国の西欧諸国が裏で煽って既成の体制を崩し倒して来ました。その西欧諸国の背後には勿論イルミナティ・フリーメーソンが存在します。あのカダフィ大佐は教育・医療・住宅等、自国民に対して愛と徳の心を持って致誠のある政治を行なっていました。又、金貨によるアフリカ統一通貨を発行して、金との兌換紙幣ではない不換紙幣で輪転機で限りなく印刷をする事の出来る紙切れのドルによる支配から逃れ様としました。しかし、その様なカダフィ大佐の真実を日本の表のマスコミは一切報道せず、逆に独裁者と言うレッテルを貼って悪のイメージを庶民に植え付けました。この様な事はアメリカ、その背後のイルミナティ・フリーメーソンの意向で行っています。
 東アジアでの紛争、尖閣諸島や竹島の問題も、裏で米国、その裏のイルミナティ・フリーメーソンが煽っている訳です。つまり、その事で中国や韓国、日本がお互いを攻撃して騒いでいるのは、米国、イルミナティ・フリーメーソンに踊らされているだけです東アジアがお互いを敵として見るのではなく、本当の敵である西欧諸国、その裏のイルミナティ・フリーメーソンに目を向ける必要があります。アジアの国々が西欧諸国に植民地にされていたのは、長い世界の歴史の上で未だ100年も昔の事では無く、つい最近まであった事です。日本の戦後レジーム同様、アジア全体においてもその植民地時代の体制が存在している訳です。中国は、今や反イルミナティ・フリーメーソンとなって、アヘン戦争等のかつての屈辱の経験と、米国とは反対に長い歴史と文化を持つ事による誇りを合わせて、妥協することなく軍事力や産業の成長を今後も続け様とするでしょう。習近平は、青年時代には地方の現場に降りて下積みをして苦労しました。中国のナショナリズムを持ち、西欧諸国、イルミナティ・フリーメーソンに妥協せず、より力を付けていくでしょう。因みにロシアのプーチンも反西欧諸国、反イルミナティ・フリーメーソンであり、今後は中国、ロシアが注目されるでしょう。米国は潰れかけ、ヨーロッパもユーロの危機が有ります。
 根本的な原因のイルミナティ・フリーメーソン、それを頂点とした構造・体制によって終末的な様相を呈するに至りました。その事を念頭において、様々な情報を読んでいくと真実が見えて来ます。
 


占領下、米国の押しつけの「近代化」・・・農薬、化学、ガン治療・・・「悪魔の新・農薬「ネオニコチノイド」―ミツバチが消えた『沈黙の夏』」を読んで

2012-11-26 01:06:50 | 食品
 総タイトル:【占領下、米国の押しつけの「近代化」・・・農薬、化学、ガン治療・・・「悪魔の新・農薬「ネオニコチノイド」―ミツバチが消えた『沈黙の夏』」を読んで】

 養蜂家の怒りは勿論、戦後レジームに対する怒りが含まれた本を読みました。
 「悪魔の新・農薬「ネオニコチノイド」―ミツバチが消えた『沈黙の夏』」(著者:船瀬俊介氏、出版社:三五館、出版日:2008/5/22) 
 「蜂群崩壊症候群(CCD)」。一夜にして死骸を残す事も無く、ミツバチが原因不明に大量に失踪する現象の事です。原因として電磁波や遺伝子組み換え食物等が挙げられていますが、有機塩素系殺虫剤有機リン系殺虫剤でもない「ネオニコチノイド」が原因とされて、フランスが2006年に使用禁止の最高裁判決を出した事を始めとして、デンマーク(2000年)やドイツ等のヨーロッパで使用禁止が広がって来ています。しかし、日本では全く規制の考慮にも入っていません。「新しいニコチンの様な物質」です。ニコチンは、たばこに含まれている物です。
 有機塩素系殺虫剤や有機リン系殺虫剤発癌性や催奇形性等を含む為に問題になった事から、其れに代わる農薬としてネオニコチノイドが登場しました。しかし、そのパッケージには「ミツバチ・カイコを飼っている付近では使用しない事」と注意書きがされています。ミツバチが少なくなる事により、ミツバチの媒介による受粉での繁殖が難しくなって、その事を必要とする植物が少なくなり、食料飢饉にも繋がる事にもなります。水溶性が有り、土壌深くに浸透し、野菜や果物がその土壌から水分を吸収する為に、その食物表面を洗っても内部に残留します。
 ヨーロッパで禁止されている農薬を日本でその余剰分を売ろうとしているのか、製薬会社の利権、其れに繋がる農林水産省の官僚、農水族の政治家、農協等、その利権構造によって、一般庶民の健康や命よりもお金儲けしか考えていない様です。この事は、医療におけるガン治療(抗がん剤や放射線治療)やワクチン接種と同じ様な内容・構造です。著者はこれらの事を、「農薬マフィア」「ガン・マフィア」と呼んでいます。農薬メーカー医薬メーカーも同じです。
 日本からネオニコチノイドの農薬を中国に輸出し、其れを使用して栽培されて輸入された茶葉には、それが80ppm残留している物も在ります。日本の茶葉における残留基準値50ppmとされています。小エビは1ppmで死に、土壌の有益な生物であるミミズは、0.05ppmで遺伝子の損傷が起きて死んでしまいます。そして、ミツバチはたった0.2μgだけで死んでしまいます
 かつての農薬100~数百m程の範囲に影響が出ましたが、ネオニコチノイドは4km程の範囲にまで広がって影響が出てしまいます。ミツバチは方向感覚、神経回路が狂わされて、巣の周辺に死骸が見つかる事も無く消え去ってしまいます。
 害虫は耐性を獲得し、製薬メーカーは更に強力な農薬を開発し、害虫は更に強い耐性を獲得すると言うイタチゴッコが延々と続いて、土壌は延々と悪くなっていくばかりです。農家は効かない農薬よりもより効き目のある農薬を使おうとする為に、製薬会社の利益に繋がります農薬は害虫を絶やすだけではなく、ミミズ等の益虫も絶やしてしまいます。又、益虫の死骸やふん等も残らずに、且つ化学肥料ばかり使う為に土壌はやせていくばかりです。水分は地下深くまで浸透し、また農地から河川や湖、そして海に流れ出て、プランクトン等の水生生物も居なくなります。それら食物連鎖の下位に存在する生物の死滅で、上位の鳥や魚も絶えてしまい、人間の食料飢饉に繋がります。
 米は農家が出荷する時に検査が有り、カメムシによる斑点が有る場合に商品価値が下がるという理由から二等米、三等米にランクを落とされ、安く買い叩かれてしまいます。しかし、その後に選別機械の光センサーによって斑点の有る米粒を取り除き、ランクに関係なく混ぜてしまって、原価に大きな差額を加えた上で消費者に売られています。その差額分から、農協、官僚、政治家に回っています。其の為に、農家は斑点米を出さない様にしようとして、農薬のネオニコチノイドをより多く使っています。しかし斑点の出る割合は小さく、光センサーで選別出来る為に、その事の為に農薬を使う必要性は有りません。つまり、先述の製薬メーカーを始めとした利権構造が浮かぶ訳です。巨大資本を持つ製薬メーカーマスコミ等にも圧力をかけて、其の利権を守ろうとしています消費者を保護してくれるはずの生協も、国や自治体、製薬会社の言う事を鵜呑みにして信じてしまい、低農薬に繋がる等と言われて受け入れていますネオニコチノイドの危険性が解っていません。 
 戦後の占領下1947年にアメリカによって農協が設立されましたが、化学肥料合成化学殺虫剤農薬がもたらされました。有機リン化合物化学兵器に使用され、サリンやVXガス等が存在します。有機リン系殺虫剤は第二次大戦前後から使われていますが、元々その神経ガスは軍事利用の為に開発された様な物です。そしてそれを応用して、農薬家庭用殺虫剤を産み出しました。又、DDT等の有機塩素化合物も同様に人間にも影響を与え、化学兵器も作られました。洗剤や住宅の建材、食品添加物、プラスチック等、石油由来合成化学物質が生活用品・食品にあふれる様になり、化学物質過敏症等の健康被害が多く起こっています。石油由来合成化学製品化学薬品も、アメリカの石油メジャーの利権に繋がっています更に健康被害が製薬メーカーの利益に繋がります。
 動物・植物が絶やされ、人間においても生殖障害や精神障害、遺伝子損傷、発癌等が起こります。又、頭痛、不眠、食欲不振、倦怠感等の不定愁訴、自律神経失調症、更年期障害、うつ等の現代病の原因化学物質過敏症等が考えられます。又、乳幼児期や幼少時に化学物質に被爆すると、自閉症や学習障害、注意欠陥・多動性障害等の発達障害に繋がる事も考えられます。空気や飲食物、化粧品、石鹸等から経口・経鼻・経皮的に摂取し、身体の免疫系・体液系(ホルモン)・神経系を犯して、生体の恒常性が損なわれて様々な症状となって表れます。これらに対して精神薬等を処方され、効かないばかりか代謝されずに体内に残留する事も有り、症状が慢性化するばかりか副作用が出たり余計に悪化する事も有ります。そしてそれが、製薬会社の利益に繋がります。因みに巷で疑われている、パソコンのアンチウイルスソフトのメーカーが自らウイルスをばらまいて、それに対応するウイルスパターンを持っているソフトを売っている事と同じで、バージョンアップをして毎年更新しないとより強力になっているウイルスに効かなくなってしまう事と同じ構図です。セキュリティーを高める為のバージョンアップの繰り返しで、ソフトのメーカーは利益を揚げ続ける事が出来ます。一度購入してしまうと必要無くなるのではなく、常にメーカーが利益を揚げられる様に考えられている訳です。ものづくりにおいても、余り耐久性の有る物を作ってしまうと長持ちして修理する事も無く買い替える事も無くなってしまう為に、儲からなくなってしまいます。全て同じ事です。
 著者が薦める「自然農法」として石灰、酢、自然由来の天然農薬、海水、木酢液、混植、天敵・生物農法、光農法、酵母、米糠、散水、天ぷら廃油等を挙げています。又、住宅に天然の建材を使ったり、殺虫剤に天然除虫菊(ピレスロイド)等を使用する事等を薦めています。ピレスロイドは衣類の防虫剤や蚊取り線香に使用されていますが、これには、ハロゲン(塩素、フッ素、ヨウ素、臭素等)が入っていません。又、揮発した後に速やかに分解・失活します。そして、屋上緑化壁面緑化天然木造住宅、そして屋上での養蜂を挙げています。
 著者は元々、九州の田園地帯の田舎で育ち、農業とも触れ合って来ました。二毛作、三毛作、牛の引く鋤、麦踏み、レンゲの緑肥、フナ、アメンボ、タニシ、ツチガエル等、牧歌的な環境で幼い頃を過ごしました。その様な経験が身に染みる記憶として残っている事と、優れた洞察力の才能から、食品・健康・環境問題においてのジャーナリストとしての活躍に表れている様に思います。
 その場しのぎで一時的な利益を揚げる事ばかり考えず、自然環境も人間も悪化する事無く、100年、200年、もっと先まで続ける事が出来る、ゴミの極力出ない、有限エネルギー・資源を減らす事の無い、永遠に持続可能な生命の循環システムの構築が必要です。
 
悪魔の新・農薬「ネオニコチノイド」―ミツバチが消えた「沈黙の夏」悪魔の新・農薬「ネオニコチノイド」―ミツバチが消えた「沈黙の夏」価格:¥ 1,470(税込)発売日:2008-05-22



化学物質無添加・天然で安全(6)・・・「ピレスロイド」

2012-11-25 18:32:32 | 健康・医療・暮らし 2012~2017
 天然の除虫菊に含まれる有効成分の総称であるピレスロイドは、日本でも明治時代から蚊取り線香として利用されて親しまれて来ました。衣類の防虫剤や害虫駆除剤等に使われています、昆虫・爬虫類・両生類には毒性の威力を発揮しますが、鳥類・哺乳類には比較的効果は少なく安全です。勿論大量に吸入・摂取すると、様々な急性症状、呼吸器疾患、皮膚症状、神経症状等が起こり、重症の場合は呼吸停止に陥る場合も有ります。しかし、有機塩素化合物有機リン化合物を使用した殺虫剤や農薬等を利用するよりは有益です。
 又、>天然ピレスロイドのピレトリンは、環境中に揮発すると速やかに不活・失活する短時間作用型の防虫剤ですので、残留性が有りません
 ピレスロイドはピレトリン等の6種の化合物の混合物で、菊酸(テルぺノイド)が構造の中に含まれています。テルペン(C10H16O2)イソプレン(C5H8)を構成単位に持っている炭化水素で、ハロゲン(塩素(Cl)、フッ素(F)、ヨウ素(I)、臭素(Br)、アスタチン(At)、ウンウンセプチウム(Uus))が含まれていません。フッ素はリン酸塩から作られます。
 因みに、臭素は猛毒ヨウ素は毒物・医薬用外劇物です。又、アスタチンは半減期は短いですが、放射線の中で最も人体に対する作用が大きいα線を放出します。人体に対する作用の大きさにおいてx線を1とした場合に、γ線が0.6~1、β線が1、陽子線が1~10、中性子線が2~10、α線が15~20です(放射線荷重係数)。


化学物質無添加・天然で安全(5)・・・「塩素」の危険性の追記

2012-11-25 17:04:58 | 健康・医療・暮らし 2012~2017
 有機リン化合物と同じく毒性、残留性の有る有機塩素化合物は、殺虫剤プラスチックだけでは無く、医薬品や食品添加物にも使用されています。現在百何十種類ものが医薬品として認可されており、抗うつ薬、抗てんかん薬の精神薬、抗ヒスタミン薬、吸入麻酔薬等が在ります。又、ダイエット食品の甘味料等にも使用されています。他に、電気絶縁体、熱媒体等の工業製品にも多く使用されています。それらの焼却によるダイオキシンの発生殺虫剤の散布による環境への残留・蓄積、そこから連鎖された食料品の摂取、また医薬品の摂取等で、上位生物への高濃度の毒性物質の蓄積が起こります。生体内ではそれらは脂肪組織に蓄積され、代謝による分解が出来ません。又、胎盤を通しての胎児への移動や、母乳を通しての連鎖も有り特に乳幼児や子供への影響が有ります。地下水や土壌に吸収・蓄積される為に、野菜や果物の内部に含まれており、表面を洗っても取れません。又、 有機リン化合物と同じく、有機塩素化合物も化学兵器に利用されています。


大和の中央政権に対する播磨人の反骨精神・・・「播磨国風土記―古代からのメッセージ」を読んで

2012-11-25 16:26:13 | 歴史・伝統・文化
 播磨人に元々在る、「気概」・「気骨」・「反骨精神」が解る次の本を読みました。
 「播磨国風土記―古代からのメッセージ」(監修:上田正昭氏、編集:播磨学研究所、出版社:神戸新聞総合出版センター 、出版日:1996/08) 
 古墳時代の4世紀前半頃までに大和政権が畿内に成立し、其の後に周辺地域を順に支配して統一していきました。其の後、飛鳥時代のA.D.645年に大化の改新があって現在まで続く日本の支配階級・権力者層が作られ、694年に藤原京へ遷都710年に平城京へ遷都して奈良時代になりました。そして、712年に古事記が編纂され、713年には風土記編纂命令が朝廷から地方の諸国に出され、715年に「播磨国風土記」が編纂され、720年には日本書紀が編纂されました。
 風土記編纂命令律令制度の基、行政の一環としての税制の基準を定める為に各国に出されたもので、其々の国の中の地名、地名の由来、昔話・伝説・神話、資源・産物、土地の状態を朝廷に報告させる為に編纂させた物です。現存する風土記は播磨国の他、出雲、常陸、豊後、肥前の五つが写本の形で残っています。其々の特徴として、常陸や九州の豊後・肥前は中央系で大和政権が地方の在地の勢力を征伐した事、出雲は在地系で中央の征伐に関しては全く触れていません。播磨の場合は中央系と在地系が半々に書かれています。大化の改新で中央集権化された律令制度の基、皇族・豪族等の私有地・私有民を公地・公民化し、それらを管理する為に五畿七道を定めて交通を整備し、地方を国・郡・里と分け、里の中に50戸戸毎に戸籍を持たせました。班田収授法によって豪族への土地の集中を防ぎ、公民に最低生活を保障し、国と地方の政府の税収を確保しました。公民は米や特産品等の物納と、兵役・雑役等の労役重い税を負わされました。しかし、平安時代の925年に風土記編纂督促命令が出されている事から、税負担を初めとして余り詳しく中央に報告したくない、中央に余り従いたくないと言う様な事から、其の頃でも未だ風土記の提出を拒んでいた国が存在した事が解ります。
 記紀は中央政権の権力者の都合の良い様に編纂されましたが、播磨国に関わる神話・伝承は余り書かれていません。出雲国風土記は在地の神話のみを記し、また播磨国風土記においては記紀神話に登場しない土着・在地の「伊和大神」が記されています。伊和大神は出雲大社の大国主命(葦原志許乎)の兄だとされています。在地の伊和大神は、九州から東遷して来た新羅の王子の天日楯(アメノヒボコ)と何回も戦って勝利した事が記されています。天日楯は其の後、近江、若狭と移って、但馬の出石に納まります。伊和族は出雲系の民族でした。3~4世紀頃に最も勢力を誇った伊和族は、宍禾郡(宍粟郡)一宮を根拠地として海岸部の播磨平野の方まで勢力を拡大し、餝磨郡(飾磨)・揖保郡・宍禾郡(宍粟)・讃容郡(佐用)・神前郡(神崎)・託賀郡(多可)に登場します。播磨には山陽道が通って、畿内・播磨・出雲を結び、又畿内・播磨・九州を結んでいた為に、国内での移動や渡来人の移動によって数々の文化や産物、技術が入ってきました。
 出雲人の相撲の野見宿禰がおり、現在の龍野に葬られていますが、その子孫に土師氏、その末裔に菅原氏、大江氏、秋篠氏がいます。土師氏は皇族の葬祭を司り、埴輪や古墳を作りました。大和政権の支配地が広がる事に伴って前方後円墳が各地に作られましたが、揖保川上流の宍禾郡や千種川上流の讃容郡(佐用郡)には4世紀末~5世紀初めに作られた前方後円墳が在ります。それまで抵抗・反抗していた土着の伊和族が大和政権に其の頃支配され、在地の豪族では無く畿内から派遣された中央の者が行政を執り、その者が其の墓に葬られた事が解ります。
 伊和族は宍禾郡・讃容郡にて古くから力を持って大和政権と対抗し抵抗・反抗を続けた為に、其の後、宍禾郡・讃容郡には重い税が課されました。藤原京や平城京からは宍禾郡・讃容郡からの税や貢ぎ物の記された荷札である木簡が大量に発見されている事から、大和政権からの圧政があった事が解ります5世紀中頃に21代雄略天皇は地域国家連合体であった国家を大和王権に臣従させて中央集権を進めるために、最大の地域政権の一つで大和政権に対抗し得る勢力を持った吉備(岡山県)に対して反乱鎮圧の名目で屈服を迫り、播磨の加古川の西まで勢力を伸ばした事もある其の勢力を削減していき、飛鳥時代には備前・備中・備後、のち奈良時代に備前から美作分割しました。 
 千種川沿い、揖保川沿いは砂鉄が多く産出し、製鉄・鍛冶が盛んでした。其の鉄製の武器や農具により勢力を持ちました。隣の吉備国も製鉄が盛んでした。因みに、製塩も播磨国と吉備国共に盛んでした。
 加古川以西が反天皇・反朝廷であった事に対し、加古川以東は親朝廷でありました。土着・在地系に対する中央権力播磨国神話に対する記紀系列神話でありました。播磨人の気概・気骨・反骨精神が伺えます。   
 15代応神天皇の父で日本武尊の子の14代仲哀天皇が亡くなった時に、その妻の神功皇后印南郡の伊保山(高砂市)に棺を納めるのに良いと見定められたと書かれていますが、仲哀天皇の在位は2世紀最後とされています。現在の仲哀天皇陵は岡ミサンザイ古墳(大阪府藤井寺市)と一応されています。後年になってからそちらの大きな天皇陵としての古墳に移したのかもしれません。明石郡の五色塚古墳も同様にして後年に作られましたが、結局誰も葬られていません。其の後に、伊保山の麓の石の宝殿の石は石棺として作られ様としたらしいですが、これは聖徳太子の時代に弓削氏との関わりの深い物部守屋が作ったとされていますが、聖徳太子が摂政となったのが593年で物部守屋が其の前の587年に亡くなっている為に矛盾が有ります。神話は書いてある事を鵜呑みには出来ませんが、其の当時の背景は知る事が出来ます。
 播磨国には12の郡が存在していましたが、明石郡は2,3か所のみ記載され、赤穂郡に関しては全く書かれていません。隣の備前に含まれていたのではないかとも言われています。聖徳太子の側近であった秦河勝が、622年の聖徳太子の死後に政権を握った蘇我氏から逃れる為に赤穂の坂越まで来て647年に大避神社を建て、千種川沿いを上流に向かって開発を進めていきました。大化の改新後に蘇我氏が滅んで藤原氏系となり、元々中央の支配層にいた秦氏が開発を進めた事で、税の負担等が優遇されていたのではないかと思います。
 
播磨国風土記―古代からのメッセージ播磨国風土記―古代からのメッセージ価格:¥ 1,835(税込)発売日:1996-08



古事記・天孫降臨、イザヤ・ナギード(イザナギ)

2012-11-25 04:32:45 | 歴史・伝統・文化
 出雲系の兄・伊和大神(伊和族)と弟・大国主命(葦原志許乎)から、出石に納まった新羅系の王子の天日楯、そして天孫降臨と、土着・在地系から渡来系へと神話が遷移しますが、古事記・日本書紀の神話の天孫降臨は、イザナギとイザナミの夫婦以下、天皇の系図について述べられています。この天孫降臨神話は、アブラハム―イサク―ヤコブの系統に似ており、古代ユダヤ人の作った可能性が高いです。
 ヘブル語解釈をすると、イザナギは「イザヤ・ナギード」で意味は「グループの長であるイザヤ」イザナミは「イザヤ・ナオミ」「イザヤと共に居るナオミ」となります。神主の長である禰宜も、ナギードの転化したものです。イザヤは旧約聖書のイザヤ書を書いた、モーセと並ぶ最大の預言者です。B.C.810年~B.C.697年に書かれましたが、ユダヤ人がバビロンに捕囚されるより前に契約の箱を運び出し、シルクロードかインド洋を通って日本に契約の箱を持って来ました。
 イザナギ・イザナミの子アマテラスの孫のニニギノミコトは初代神武天皇の先祖で、高天原から高千穂に降臨したとあります。高天原は、アブラハムの子イサクの子のヤコブが長期間住んだ「タガーマ州ハラン」で、高千穂は「タカ・ツィヨーン」で意味はエルサレムの「シオンの丘」です。
 又、黄泉の国から帰って来たイザナギが最後に生み落した3柱の3貴子は、アマテラス(太陽神)、ツクヨミ(月神)、スサノオ(海原神)ですが、旧約聖書の最初の創世記1章1節「初めに、神が天と地を創造した。」とあり、ヘブル語では、神を表す「エル」の複数形「エロヒム」となっており、三位一体を意味しています。
 
 


化学物質無添加・天然で安全(4)・・・「塩素」の危険性

2012-11-24 16:26:18 | 健康・医療・暮らし 2012~2017
 医療現場等でも滅菌・消毒に使われている次亜塩素酸ナトリウムは、家庭用漂白剤や殺菌剤にも入っています。次亜塩素酸ソーダとも呼ばれて、強アルカリ性で取扱には注意を要します。酸化作用がある為に、金属を腐食させてしまいます。又、強酸性の塩酸等と反応すると塩素ガス(塩素分子:Cl2)が発生し危険です。他にも、「アンチホルミン」と言う名の水溶液の添加物を、食品・歯科医療・植物培養等に殺菌・洗浄の為に利用されています。しかし、其の使用によって有機物との遊離塩素による塩素化反応によって、トリハロメタン等の有機塩素化合物を生成します。トリハロメタンには発癌性、催奇形性が有りますが、其の内の代表的な物としてのクロロフォルムには、肝障害と腎障害を引き起こす作用が有ります。此の為、酸素系漂白剤やオゾンによる消毒によって、この生成を避ける事が出来ます。又、単体の塩素は強い毒性を持ち、目・皮膚・呼吸器等の粘膜を損傷します。更に、塩素はオゾンホール形成の原因にもなります。フロン等の塩素を含む物質が紫外線と反応する事で塩素ラジカルが発生し、此れがオゾン(O3)を分解して酸素分子(O2)とし、オゾン層を破壊します。そして、有機溶媒等が環境中に放たれた場合に化学分解され難く、ポリ塩化ビニール等のプラスチックを焼却する事で、ダイオキシンを発生させます。 又、次亜塩素酸ナトリウムは不均化反応によって容易に塩素酸ナトリウムを生成し、これが乾燥して結晶化した物は爆発性を持ち危険です
 トリハロメタンは、メタン(CH4)を構成するの4つの水素原子の内の3つがハロゲンに置換された化合物の総称です。ハロゲンとは、塩素、フッ素、ヨウ素、臭素、アスタチン、ウンウンセプチウムのことです。ハロゲンはギリシャ語の造語で、塩を作るものと言う意味があります。アルカリ金属と反応して塩を生成します。
 又、同様の物として、炭素・水素・ハロゲンを多く含む化合物である、総称フロンが有ります。日本以外ではフレオンと言い冷媒・溶剤等に使われて来ましたが、オゾン層の破壊や温室効果ガスの原因であるという理由から、大幅に規制される様になりました。中には、トリクロロエチレンやクロロホルムよりも毒性の強い物も在ります。因みに、釣り糸に使われているフロロカーボンはポリフッ化ビニリデン(PVDF)を素材とする糸の通称ですが、これは塩素を含んでいません(水素・炭素・フッ素のみ)


化学物質無添加・天然で安全(3)・・・「フッ素」の危険性

2012-11-24 13:33:36 | 健康・医療・暮らし 2012~2017
 一般の歯磨き剤には、歯の強化・虫歯予防の為として「フッ素」が含まれています。此のフッ素は、リン酸塩(リン鉱石)から脱フッ素化させて精製されます。フッ素の食品摂取基準の上下限の範囲が狭く特に乳幼児や年少になる程、其の摂取は危険です。主な摂取源は水道水、動物の骨、そして歯磨き剤です。アメリカでは虫歯予防の為にサプリメントを市販したり、政府が水道水にフッ素の化合物であるフッ化物を添加し、其の過剰摂取により、歯のフッ素症(歯に茶色の点・染み、小さな穴が出来る)、骨肉腫、骨粗鬆症、骨硬化症、脂質代謝障害、糖質代謝障害等に繋がると言う事や、選択権の無い集団投薬となる事が問題になっています。歯磨き粉には、万一豆粒大の大きさの歯磨き粉を飲み込んだ場合に専門医に診てもらう様にとの注意書きが書かれています。しかし、アメリカのコップ1杯分の水道水には豆粒大のフッ素が含まれていますイルミナティー・フリーメーソンの傘下にあるWHOは、「適切な量の水道水フッ化物添加やフッ化物塗布はう歯の予防に、多大な利益がある」と表明しています。
 又、フッ素が含まれていたリン酸塩は、有機リン化合物として利用されますが、これは自然界には存在しない為に、その放出により環境悪化に繋がります。リン酸塩は合成洗剤の水質軟化剤に使われ、化学肥料を使った農地からもリンを含んだ水が流出し、元々限られた量しか存在しない水環境にリンが大量に供給されて富栄養化し、植物プランクトンや藻が大量に発生して赤潮やアオコが起こり、魚が酸素欠乏による窒息死を起こしてしまう事等、生態系のバランスが壊れる環境破壊が起こります。
 更に、有機リン化合物は第二次大戦前後から「殺虫剤」として「農薬」に使われ、化学兵器(毒ガス)としての「神経ガス」に利用されています。農薬によって害虫のみでなくミミズ等の益虫も無くしてしまい害虫はより抵抗力を付けて其れに対する農薬もより強力な殺虫力を持つ様に開発されて来たというイタチゴッコにより、自然環境が一層悪化して来ました。環境残留性もあり、人間にも神経ガス同様に影響が有ります。神経ガスはサリンやVXガス等を開発し、呼吸器系や皮膚から身体に吸入され、筋肉の収縮と痙攣により呼吸困難、吐気、嘔吐、失禁、身体全体の麻痺となり、最終的には昏睡状態となって全身が痙攣して窒息死してしまいます。
 少し話が逸れていきましたが、このフッ素についてはアメリカでも多くの方が問題が有るとして取り上げておられますが、其の内に以下の方の事が有ります。
 映画監督スタンリー・キューブリック氏は、1964年映画「博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか」(1963年制作・1964年1月30日公開)にて、「水道水へのフッ化物添加は共産主義者の陰謀」だと唱えました。又この映画では、上映直前のケネディ大統領暗殺事件に起因すると見られる変更箇所が、完成版には少なくとも2つ有ります。
 キューブリック氏は開業医を営むオーストリア=ハンガリー帝国に起源を持つユダヤ人の両親の長男としてニューヨークのマンハッタンに生まれました。映画「2001年宇宙の旅」(1966年5月撮影終了、1968年4月6日公開)は20世紀Foxにて撮影されましたが、1969年7月16日アポロ11号が月面着陸したとされる映像はキューブリック氏が同じハリウッドのスタジオで撮影しました。公開前の変更点の内、黒い石碑モノリスがヒトザルたちの前に出現しますが、大元では異星人が月に残していった装置はピラミッド型でした。。アポロの宇宙飛行士3人は元々石工集団であった秘密結社フリーメイソンの会員で、実際に三角定規とコンパスが描かれたフリーメイソンの旗を月面に立てました映画「アイズ・ワイド・シャット」(1999年7月16日公開)はキューブリック氏の遺作で、その中の妖しくエロティックな秘密パーティーの描写がフリーメイソンの儀礼そのものである様です。この映画が完成した直後の1999年3月7日にキューブリック氏が急死しましたが、秘密を暴露した為であると言われています。フリーメーソンが会員のモーツァルトにオペラ「魔笛」を書かせましたが、其の中でフリーメイソン儀礼の真相を公開したために変死したのと同じであると言われています。
 俳優・映画監督のメル・ギブソン氏映画「陰謀のセオリー」(1997年8月8日公開)にて、「政府が水にフッ化物を入れるのは、私たちの意思を削ぐためだ」と唱えました。
  メル・ギブソンはアメリカで生まれましが、父親の事業の失敗で1968年に家族でオーストラリアに移住しました。熱心なカトリック教徒であり純潔運動家としても知られており、避妊や妊娠中絶への反対をメディアに公言しています。
 教皇空位論(空位:名ばかりの位。実際には誰もその位に就いていない事と同じを意味します。)を信奉する、超伝統主義カトリック教徒としても知られ、その信仰の篤さは自宅近くの丘にチャペルを建設してしまった程であります。映画「パッション」(2004年2月25日公開)では、イエス・キリストの処刑までの12時間をリアルに描きました。公開前から、ユダヤ人団体等がこの映画が人々を反ユダヤ主義的な行動に駆りたてるのではないかとの懸念を表明しました。イエスへの拷問シーンが緻密に描かれているため、アメリカでの公開時にはキリスト教徒の女性観客が心臓発作で死亡する事件があり、また公開阻止デモが行われました。その一方で、ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世が「聖書の内容に忠実だ」とコメントしました。
 世界の支配階級が、世界人口の限界、食料・エネルギー量の限界等を背景にして、NWOの方針の元、人口削減や洗脳の為の一環としての工作の一部であると解釈されます。世界全体のバランスと持続可能な生命の循環システムの一歩としての、私達消費者としての正しい姿勢が必要に感じます。


化学物質無添加・天然で安全(2)・・・「EM菌」

2012-11-24 11:21:26 | 健康・医療・暮らし 2012~2017
 天然無添加石鹸と同様、持続可能な生命の循環システムの構築に役立つものとして「EM菌」が在ります。
 EM菌(エフェクティブ・マイクロオーガニズムズ)は乳酸菌、酵母、光合成細菌を主体とする微生物の共生体とされる「有用微生物群」の事で、1982年に琉球大学農学部教授比嘉照夫氏が、農業分野での土壌改良用として開発した微生物資材の名称です。悪玉菌や遺伝子組替技術によって作出された微生物は使用していません。嫌気性・微好気性の複数の有用な微生物を集め培養し、抗酸化力の強い有用な微生物群(EM)を投入することで、酸化微生物の力を弱めて酸性化しがちな土壌の改良等に利用されます。酸素の多い現在の大気中においては、酸素を使って有機物を分解する好気性の酸化微生物の勢力の方が強く、其の悪玉菌によって腐敗、腐蝕という環境悪化を招いています。そのEM菌を利用して、農業・畜産・水産・環境衛生・土木建築・医療等に用いられ、土壌改良、排水浄化、生ごみ・糞尿の堆肥化、ゴミ処理・予防医学等に役立てられています。
 植物の病気や害虫に対する農薬、動物の病気に対する抗生物質、河川等に堆積したヘドロに対する浚渫(しゅんせつ)等の対症療法は根本的な解決にはならず、それらを何時までも続けなければならないばかりか、薬を使う事でウイルスや細菌、害虫等の耐性力が強まってより強力な合成化学物質から作る殺虫剤や薬を使わなければ効かなくなり、イタチゴッコとなって且つ、余計に悪くなっていきます。根本的な解決の為には、其の深い部分・内部に存在する根本原因を取り除く、或いは変えていかなければ、表面に現れている結果は何時までも変わりません。このEM菌の酵素によって醗酵させる事で、有機物が栄養分や抗酸化物質に分解され、環境の根本的な改善に役立ちます。


化学物質無添加・天然で安全(1)・・・「石鹸」

2012-11-24 11:09:52 | 健康・医療・暮らし 2012~2017
 無添加石鹸と言う物が在ります。天然の材料のみを使用し、化学物質、合成添加物を全く加えていません。入浴用、手洗い用、洗剤、歯磨き粉等、各種販売されております。手肌に優しく、身体に優しく、自然環境にも優しいです。
 大抵成分が水、カリ石ケン素地のみとなっています。原料に牛脂やパーム油、パーム核油、米ぬか油等の天然油脂を使用しています。香料、着色料、酸化防止剤、合成界面活性剤等の石油由来の化学物質や合成添加物を使用していませんので安全です。又、釜炊き職人の方が石けん素地を炊き、熟成を繰り返し、一週間から十日をかけてじっくりていねいに石鹸を炊き込んでいきます。丹念に時間をかけることで天然の保湿成分が残り、洗い上がりのしっとり感が有ります。
 界面活性剤は水と油を混ぜる乳化作用(エマルション)が有りますので、人間の身体の中に経皮的に自然のものでない有害な合成化学物質が浸透し、癌やアレルギー等の発症が考えられます。又、排水として河川等に流す事によって、人間より抵抗力・免疫力の弱い魚等の生物の生命が絶やされてしまう事になります。
 牛脂は「ケン化法」(塩析)によって、釜炊き製法による高熱処理と、強アルカリ性(強塩基)の苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)を加える事を何回も繰り返す事により、純度の高い石鹸に仕上げていきますが、其々によりタンパク質が熱変成とアルカリ変成を起こし、例え牛脂の中に含まれている可能性が有る異常タンパク質のプリオンが存在しているとしても、変成により異常機能の活性が失われて安全の様に思います。 
 人間に優しく、自然・自然界の多様な生物にも優しく、消費者としてその様な商品を使う事が、自然を保護して持続可能な生命の循環システムの構築に役に立ちます。


占領下、一九五二年日航機「撃墜」事件

2012-11-24 00:28:53 | 歴史修正
  「一九五二年日航機「撃墜」事件」(文庫版、著者:松本清張氏、出版社:角川書店、出版日:1994/12/2)
 社会派推理小説の巨匠である松本清張氏が、自ら間違いに気付いて2回も改訂して書き直したノンフィクションです。
 国内初のジェット機日本航空マーチン202型双発「もくせい号」が伊丹経由福岡行として、1952年(昭和27年)4月9日午前7時34分に荒天の中、羽田空港を離陸しました。その直後の8時過ぎ、米極東空軍ジョンソン基地(埼玉県入間基地)の管制官とノースウェスト社のパイロット(副操縦士と共に米人)との交信後に、三原山外輪山(東京都大島)に衝突しました。同日15時50分に米極東空軍・横田基地(東京都多摩、現在の米第5空軍司令部)からの通信を受けた米第5空軍・小牧基地(愛知県、当時の米第5空軍司令部)が航空庁に誤報を伝え、機体の発見と乗客乗員全員救助を発表させました翌日8時半、機体の発見と乗客乗員37名全員の死亡が確認されました。
 事故当時米軍機10機が上空を訓練飛行し、離陸前に羽田空港コントローラー(米側管制官)から、上空の米軍機の存在により館山(千葉県)通過後10分間、高度2000フィートでの飛行を命じられました。通常は6000フィートでの飛行です。三原山は高さ2500フィートで、館山からは10分以内の距離に在ります。悪天候下で三原山の南の差木地(東京都大島)のラジオビーコンの電波帯を頼りに飛行していましたが、米軍機がもくせい号を仮想敵機として攻撃し、右補助翼タブが損傷してフラッタリングを起こし、右側に航路が逸れて三原山に衝突しました。客室乗務員に異常は伝えられず、乗客はシートベルトもせずに水平飛行したまま衝突しました。この米軍機の演習では、もくせい号の飛行ルートを朝鮮北軍の飛行ルートを想定しています(米軍演習のシュミレーションは早朝、北側による攻勢が始まり北側が38度線を越えた制空権を維持している局面に国連軍(米軍)が南から反撃に転じた状況です)。
 米側の情報の偽装により、事故原因と米軍のスキャンダルが隠蔽されました。ジョンソン基地のコントローラーと、もくせい号のスチュワード機長、クレベンジャー副操縦士との交信記録テープが米軍から提供されませんでした。GHQ司令部が第一生命ビル、ノースウェスト東京支社が近くの明治生命ビルにあり、交信の「東京モニター」が明治屋(明治生命、明治生命ビルとは別)にありました。「東京モニター」は、ノースウェスト社が米軍に懐疑的であったり、GHQ内での内部抗争からマッカーサー解任の後のリッジウェイが総司令官就任(1951年4月~1952年4月)となった事が背景にあって存在しましたが、国会の事故調査委員会には先のテープ同様に生かされませんでした。CAA(米国民間航空局)ハワイ駐在員ウェーン・ブッシュが事故4日後に三原山に現地「調査」に入り、その翌日の記事で「視察」したと表記を変え、其の後の記事でブッシュと言う名前は消されました。結局米国は事故調査に協力しませんでした。ICAO(国際民間航空機関)の発行した1953年の航空機事故資料には、もくせい号の事故は記載されていませんでした
 乗客の中に唯一の女性客(烏丸小路万里子)が含まれ、米軍のリード大尉が中心となって日本銀行や交易営団から盗んだダイヤの横流しを手伝っていました。烏丸小路万里子は戦後、英仏語が出来る事から山梨県の米軍駐屯施設で働き、そこでパトロンと繋がりました。目を発表の静岡県浜名湖西南に向けさせておいて機体が発見される前に、米軍が烏丸小路の持参していたダイヤの押収と事故原因に繋がる機体の破片(右補助翼タブ)を回収しました。烏丸小路は三沢基地(青森県)や板付基地(福岡県)に、横領ダイヤを売り捌きに度々訪れていました。後に横領した者の内の一人のマレー大佐が横領罪で起訴され、横浜の軍事裁判で懲役10年・重労働10年・軍役剥奪・年金給与停止の判決が下されました。軍法会議の判事はチェイス少将を代表に7人、検察官にはバチソン大尉等2人、弁護官にも米軍人2人が選任されていました。烏丸小路の写真は公表されませんでしたが、本書には掲載されています。又、日航広報部も烏丸小路に関する資料を公表しませんでした。
 かつて航空機大国だった日本1945年(昭和20年)に太平洋戦争に敗北すると、GHQによって航空機の研究・設計・製造を全面禁止されました。GHQによって航空機産業を始め重工業全体を弱体化させ、日本が農業小国となって米国に経済依存し続ける様に図られました。しかし1950年(昭和25年)の朝鮮戦争の勃発により(1953年休戦)、日本の旧航空機メーカーに米軍機の点検・修理の依頼が増えました。翌年の1951年(昭和26年)に民間航空会社の日本航空がGHQの意向で発足しました。社長には柳田誠二郎(元日本銀行副総裁)、専務取締役に松尾静磨(元航空庁長官)が就任しました。同年9月8日にサンフランシスコでの講和会議にて署名された、日本国と連合諸国との平和条約と旧日米安全保障条約が、翌年1952年(昭和27年)4月28日に発効されて日本は一応独立しました。それで航空機の運航や製造の禁止の一部が解禁されました。同年7月には航空法が施行されました。又、其の直前の1952年2月28日には、日米安保を基にして日米行政協定が締結されました。この協定は後の1960年(昭和35年)の新日米安全保障条約に付随する日米地位協定に継承されるものであります。その様な背景のあった米軍の占領下において、航空管制は全て米軍により行われていました。『日航機「撃墜」』はその様な中で行われました。
 作者の松本清張氏は、1960年(昭和35年)「日本の黒い霧」(文芸春秋)で最初にこの事件について発表し、其の後1972年(昭和47年)「風の息」(赤旗、及び単行本(朝日新聞社))にて改版して発表、更に2回目の改版として1992年(平成4年)4月本書(単行本)を出版しました。その直後の同年8月4日に82歳で亡くなられました。2回の改版の理由として、1971年(昭和46年)7月30日全日空機雫石衝突事故(岩手県岩手郡雫石町、航空自衛隊機との衝突により乗客乗員162名全員死亡)、1983年(昭和58年)9月1日大韓航空機撃墜事件(ソ連領空侵犯に米ソ両国からの警告無く米国スパイの疑い、269人全員死亡)、1985年(昭和60年)8月12日日本航空123便墜落事故(円高バブル形成の為のプラザ合意9月22日G5により発表される直前、群馬県高天原山(=タガマ・ハラン、御巣鷹山)にて524名の内520名死亡)があった事により、旧版の誤りに気付いた事によります。
 一説によると、松本清張氏は山窩(サンカ)の出であるらしいです。生まれが福岡県企救郡板櫃村(現・北九州市小倉北区)と一般的にはされていますが、実際は広島県広島市であるらしいです。祖父の田中雄三郎氏は鳥取県南西部の内陸部にある日南町で生活し、父の峯太郎はそこで生まれた後に鳥取県米子市の松本家の養子となりました。青年期に広島へ移住しそこで清張氏が生まれました。其の後直ぐに下関に引越し、子供の頃に小倉に引っ越しました。多民族の古代日本において、原住民族や渡来系民族で大和政権の中央の権力に従う事を嫌った人々が山へ逃げて、その存在自体を隠す様にして暮らして来ました。1952年(昭和27年)に住民登録法が施行されるまで、その一部は戸籍を持ちませんでした。清張先生の権力に反抗する強大な力は、サンカの血が流れているからかもしれません
 参考文献として、「KE007応答せよ!大韓機事件の真実」があります。1994年にフリーライターの著者が自費出版された書籍をWeb版に再編したものです。
 http://www.isao-pw-okinawa.ecweb.jp/ke007/
 このホームページの中に、「もくせい号事件の考察」が在ります。著者は松本清張氏に1985年頃「KE007応答せよ!」の資料を研究されることを希望して資料を送った経緯を持っています。沖縄では、米軍機と民間機とのニアミスが頻繁に起きています。
 
一九五二年日航機「撃墜」事件 (角川文庫)一九五二年日航機「撃墜」事件 (角川文庫)価格:¥ 580(税込)発売日:1994-12-02