皇室を「王家」 適切なの? NHK大河「平清盛」に疑問の声
http://sankei.jp.msn.com/life/news/120124/art12012411250003-n1.htm
「平清盛」物語そのものというより、その周辺の問題だが、一部で、皇室のご先祖様たちをなんと呼ぶべきなのかという問題がかまびすしいのは知っていたが、同番組の時代考証担当のセンセからの正式の(?)コメントが出たようだ。
なぜ天皇家、皇室という言葉を用いなかったか→清盛の時代に使われていなかったから、
しかし、その時代には「王家」も定まってはいなかった。でも、その後鎌倉時代以降では「王家」という語が定着していった、または、普通に躊躇なく使われていた、
だから、これでいっかな、という感じだった模様。
個人的にはこの説明で満足、かな。王様、皇帝って、要するに他称ですよね。他の集団とは明らかに違う集団として名前が必要にならないと必要がない。
先に歴史のカテゴリーが存在しているのなら話は別で、たとえば中国、というかこの場合支覇というのが適切だと思うんだけど(なぜなら、国の名前の話ではないから)、まぁあの大陸の王朝があって、その王朝が作った仕組みに日本は色濃く影響を受けて、というか、いろいろ借りてきてモディファイして使っていたので、あっちの仕組みを念頭にここにいるこの人をなんと呼ぶか、と発想した人もいたかもしれないが、それだとしても、そうではないとクレームする人とか、覇権を争う人が恒常的にいないと呼び名の重要性も伴われない。
というわけで、基本的に、幸か不幸か、日本においては、そこらへんは常に、「賢きあたり」とか場所の名前ですんでいた、といっていいのじゃないかと思う。むしろ、そこに王とか皇とかいう文字を使わないとならなくなるのは、覇は争わないんだけど別の集団(武家とか、公家とか)が集団として組織力をもってきたので、反射的に名前が必要になったという順番ではなかろうか。
いい国だわ、ほんと。大陸の真ん中ではそういうことはできないもの。
それはともかく、この問題は、実際問題は日本史の中の用語をどうするかという呑気な話ではなく、、産経さんがはからずも書いているように、
「中国の冊封(さくほう)体制下で「王」は「皇帝」に仕える立場であることなどから、王家の呼称は「天皇家の権威をおとしめる表現」との批判があるためだ。」
というのが、これを問題にするバックグラウンドでしょう。そして、NHKにはそういうことをわかっててやりそうな恐ろしさがあるから、人々が騒いでいるということなんだと思う。NHK、このところホントにへんだから。
さらには、現在の王朝である中国共産党朝に対しても、こういうのをどこかで使ったり、煽ったりしたりして、とかいうのも懸念しだせばできないわけでもない。映画とか好きな国で、嘘を本当にするのは非常にうまいから、いつか勝手に東アジアの秩序を断定的に描いた映画とか作られそうだしなぁ、とか。
そういうことを考えると、今般の小さな騒動は、将来起こる可能性のある(日本の中にそういうのを援護する人が現れる国だし)問題を無力化するという意味ぐらいはあるかもしれない。騒動があった、と記録に残るし。
というわけで、私も記録しておく。