8月18日(土)
さ緑や膨らむ風船葛かな
まだ夏の気配は生き残っているのでちょっとコワイ話を。
「スリッパ」
いつだったか書いたかもしれない。中年の会社員風のお客さんだった。話を聞いてくださいと、ビールを飲みながら話始めたのだ。先ほど奥さんに死なれたらしい。奥さんとはソリが合わずあまり良好な関係は保ってないようだった。ここまではよくある話だ。そういうこともあるだろう。ただ問題は気に食わないからと いじめつくした とそのお客さんは言った。どんなふうにいじめたのか語っただろうがあまり仔細は覚えてない。そして患った末死なれたという経緯だった。
やれやれ、ということもあるだろうか。
奇妙なことがそのあと続いていると切り出したのは、仕事を終え家に戻り玄関のドアを開けたとたん目に入ったのはスリッパがきちんと揃えておかれたのを見た時だったという。その日は脱ぎっぱなしで家を出たそうだ。その日に限らずいつも脱ぎっぱなしで家を出ていたそうだ。こんなことは普通かもしれない。わざわざ帰ってから履きやすいように並べて脱ぐなどということをするものか。しかもすぐ履けるようにとつま先を部屋の方へ向けて。
生前奥さんにはスリッパは帰ってきてすぐそのまま履けるように並べておけと口うるさく言っていたようだった。それを一日でもおこだっているとねちねちいじめていたのであろう。
それが奥さんが死なれた後もきちんと並べて置いてあるというのだった。毎日、毎日、わざと乱暴に脱ぎ捨てて出かけてもドアを開ければきちんと揃えられたスリッパが目に入るというのだった。
コワくて素面じゃ家に入れません。だから酔っぱらうまでこうして毎晩飲んで家に帰るのです。と。
そのお客はその後顔を見せることはなかった。
ただ、いじめつくしていじめコロしたようなものだった。と
わざわざ作り話を語りに店のドアを開けたのではあるまい。
この話を聞いてからずいぶん時がたつ。自分の部屋の玄関の自分の脱ぎ散らかしたスリッパを見るたびにあの時の寒々しくこわばった顔の会社員風のお客さんを思い出す。
自転車を止めて歩いてきたユウナと久しぶりに出会った。男子一色の工業高校へ行っている。顔がほっそりしてなんやら引き締まってみえた。ちょっと立ち話をする。学校は結構楽しいようだった。
お昼まで3時間ほど眠る。筋トレだけ済ませ帰ってきたのだがぼんやりが抜けきらない。明日は明けで赤坂雨乞いはぼんやりのまま出向くことになる。
急に秋になった。
厨房メモ
小さなゴーヤがふくろ詰で売られていた。かごに入れる。小さくともゴーヤはゴーヤ緑色。「壮快・7月号」にオクラ水の記事が載ってるようだ。
健康食品<オクラ水>
オクラのへたを切り取る。そのまま下向きで蓋つきの容器に入れる。水200CC。これを毎朝呑むことでめまいの解消、血糖値の改善、疲労回復。基本はオクラ5本。ただし出来たオクラ水は翌日消化してしまうこと。痛みやすいため作り置きはできない。
今日早速試みた。朝晩飲むということで500CC。オクラ10本。ただ漬け込んだオクラの使いまわしはダメなようで問題は毎日10本のオクラを食せねばならない。もともとオクラは気が向いて買っていたくらいで食の中心にはなかった。キライではないけれど毎日10本のオクラ。食べる前にうんざりしている。
欲張らないで基本の5本に戻した方がよさそうだ。まずは明日飲んでみようか焼酎でも入れて。使用済みオクラは納豆用に。