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オホーツクミュージアムえさし。枝幸町三笠町。
2022年6月18日(土)。
目梨泊遺跡は、オホーツク文化期中期から後期までの遺跡で、オホーツク文化期でも有数の規模を誇り、1万5千㎡という広大な範囲に広がっている。
目前にオホーツク海を望む神威(かむい)岬南西の標高20mの海岸段丘上に位置して、背後には北見山系北端の珠文(しゆぶん)岳(761m)・ポロヌプリ山(840m)から続く標高300mほどの丘陵が迫り、遺跡周辺はオホーツク海に注ぐ小規模な河川によって開析された複雑な舌状地形を呈している。海岸段丘の先端部は急峻な斜面となって砂と岩礁からなる海浜地にいたっている。
目梨泊遺跡からは、遺構として竪穴住居跡6軒・土壙墓48基・土壙165基が検出され、これ以外に魚骨や獣骨を廃棄・堆積したブロック2ヵ所が見つかっている。
現在までに全体の5割弱にあたる約7千㎡が発掘され、鉄製品・青銅製品・銀製品・石器・土器・土製品・骨角製品など30万点を超える膨大な量の遺物が出土した。そのうち、オホーツク文化期を代表する遺物319点が重要文化財に指定されている。金属製品40点のうち、青銅製帯金具はアムール川流域に由来するものと、本州地域から搬入された二者が存する。銀製品二点は耳飾で大陸由来のものである。
本遺跡の出土品は大陸由来品、本州地域からの搬入品、在地生産品の各々に分けられる。そして、その各々がオホーツク文化の内容、交易の実態を知るうえで貴重である。