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国史跡・地蔵田(じぞうでん)遺跡。秋田市御所野地蔵田三丁目。
2023年6月3日(土)。
地蔵田遺跡出土品展示施設。
居住区の北西出入り口の西側と北東側には、多量の土器、石器とともに多量の自然礫を集積した一画がある。不用品がこの一画に廃棄されたものと考えられる。
出土遺物には甕形土器、鉢形土器、高坏形土器、壺形土器、蓋形土器で構成される弥生土器の他に、石斧、石鏃、石錐、石匙、石棒、磨石、敲石、環状石斧、玉類などの石器類や石製品、有孔土製品、土偶、紡錘車などの土製品がある。
このうち土器棺に使用された壺形の土器は、西日本の前期弥生土器の制作技法、器形、文様に共通する諸特徴を備える遠賀川系土器であり、この集落が前3世紀の弥生時代前期に成立し、初期の稲作農耕文化を受容したことを明確に示している。これらの遠賀川系土器には他所から搬入したと考えられるものと地元で制作されたと考えられるものがあり、このことは集落の成立過程を考えるうえで興味深い。