私の所に通い始めて丸3年の生徒=40代のアナウンサーが居るのだけど、彼女は賢いので教えている事を良く理解して、先週からベッリーニの「夢遊病の女」のアリアを始めました。
ベルカント物の、テクニック的に非常に難しい作品ですが、かなり歌える様に成って、本人も私も驚いています。
このアリアを1991年のフランコ・コレッリのマスタークラスでウィーンで歌ったところ、ブラボーと拍手が延々と止まらなくて、びっくりした経験があります。
2オクターブ半の声域が必要な超絶技巧で、最後のカデンツァでは、高いファの音を、なが~~く伸ばしたので、ブラボーが止まらなかったのだと思います。
この超絶カバレッタ部分も行けそうなので、お手本で歌ったのですが、もうこんな超高音は出せないだろうと思っていたのに、出来てしまって、
「あら?!出来ちゃった!!自分で驚いたわ~~!」
と言うと、生徒は素晴らしい!とびっくりしてくれました。
もうね、年だから、超高音は出しづらくなっているのだけど、何だか復活出来そうな感じです。
教えると、自分にもテクニックの復習に成るので、良い事も有るのですよ!
それにしても、40代前半でベルカント唱法を習い始めて、めきめきと上達して、二期会の会員なんかよりよっぽど上手に成りましたから、年もあんまり関係ないようですよ、才能とやる気が有れば!!
こう言う、才能が有って、真面目に真摯にお勉強を続けられる心を持っている人の可能性は、年を超越するものなのだ!!
と感心しています。
生徒には、「努力は裏切らないんですよ! 努力したらしただけの効果が出るのですから! 昨日の自分とは違う自分に成れるのだから、努力するのは、楽しい事なんです。」
と教えていますが、この生徒はそれを実感している真っ最中です。
皆さん、努力は楽しいのですよ!!