京都童心の会

ほっこりあそぼ 京都洛西の俳句の会
代表 金澤 ひろあき
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舞姫17班 現代語訳 訂正

2021-09-08 15:47:29 | 俳句
舞姫17班  現代語訳  訂正
相沢謙吉の忠告と提案
【現代語訳】
 私がまごころを開いて話した不幸な経歴を相沢謙吉が聞いて、彼はしばしば驚いたが、まったく私を責めようとはせず、かえって他の愚かな日本人留学生たちをののしった。しかし、私の話が終わった時、相沢謙吉は顔色を変えていさめたことには、「この一件のこと(エリスと知りあい、デマを流され、それが原因で失業したこと)はもともとの君の生まれながらの弱い心から出たことなので、いまさら言ってもしかたがないな。とはいえ、君のような、学識があり、才能ある者が、いつまでも一少女の情にかかわって、目的が無い生活をしてよいだろうか、いやいけないよ。今はただ天方伯も君のドイツ語の語学力を利用しようとする心だけだ。私もまた、天方伯が当時の君の失業の理由を知っているので、しいてその先入観(太田が女性問題で失業したと思いこんでいること)を変えようとはしないよ。そんなことをすれば、天方伯が心の中で私のことを事実を曲げて友達をかばう者だなどと思うようになるだろうし、そうなれば、友達(太田)に利益はないし、私は損をするからね。人を推薦するのには、まずその能力を示すのが一番いい。君の能力を示して天方伯の信用を得るのだ。またあの少女(エリス)との関係は、仮に彼女の心の中に本当の愛情があっても、さらにつきあいが深くなっていても、君という優れた人材を理解した上での恋ではないんだ。慣習という惰性から生じたものだ。別れることを決断しろ。」と。これが相沢謙吉の言葉の主な内容である。
 大海原に船のカジを失った船員が、はるかな陸地の山を望むようなもの(遠いことのたとえ)は、相沢謙吉が私に示した前途の方針である。しかしこの山(相沢の提案)はなお深い霧の中にあって、いつ行き着く(実現する)のか、いや、はたして行き着くことができても、我が心の中に満足を与えるかもさだかではない。貧しい中にも楽しいのは今の生活、捨てがたいのはエリスの愛。私の弱い心には決断する方法がなかったが、ここはしばらく友の言葉に従って、エリスの愛を捨てると約束した。私は自分が守るところを失いたくないと思って、自分に敵対する者には抵抗するけれども、友に対してはいやだといつも答えられないのだった。
 相沢謙吉と別れてホテルを出た時、風が顔を打つように吹いてきた。二重のガラス窓をきっちりと閉めて、大きな煖炉に火を焚いていた「ホテル」の食堂を出たので、薄いコートをとおしてくる午後四時の寒さはまったくたえられなくて、肌が粟立つとともに、私は心の中に一種の寒さを覚えた。
【ポイント】
A 相沢謙吉のことば
太田は日本に復帰するべきだ。
1 その方法 太田の(① 能力        )を示し(② 天方伯    )に気に入られよ。    2 エリスとは(③ 別れる  )。
  理由 太田は(④ 才能 )がある人物=日本の政治世界で役立つべき人物
エリスは(④ 才能 )がない人物=太田とつりあわない。
相沢謙吉の考え方=当時の日本社会での一般的な考え=人間を見るのに、愛情よりも(④ 才能 )を重視  する。
B 太田の反応
相沢謙吉の忠告に対して
1 (⑤ 実現 )できるかどうか、不安。   2 (⑤ 実現 )できても満足かどうか、わからない。
3 今の生活=(⑥ エリスの愛 )を捨てたくない。 4 しかし(⑥ エリスの愛 )を捨てると約束。
その理由=太田の性格 自分で決められない。とりあえず(⑦ 友 味方と思う人 )の言葉に従う。   

C 太田の心の中の寒さ=(⑧ エリス )を裏切った心の痛みを寒さで表現 

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