槇原敬之氏

2006年12月12日 23時32分15秒 | 巻十一 いろんなおんがく
出はじめの頃の槇原敬之氏は、正直嫌いだった。

当時の自分は
大学生だったと思うが
愛だの恋だの臆面もなく歌うタイプの「甘い」音楽を
この上なく軽蔑していたのだ。
そのくせ、愛だの恋だののことばっかり(でもないが)
考えていたりもするんだが。

自分の内部で、
槇原敬之を「許せる」ようになったのはいつの日だろう。
少なくとも、このCDを買った10年前には
完全に「聴けて」いた。

SMILING~THE BEST OF NORIYUKI MAKIHARA
槇原敬之
ワーナーミュージック・ジャパン

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1. №1
2. どんなときも。
3. もう恋なんてしない
4. 2つの願い
5. NG
6. MILK
7. 冬がはじまるよ
8. 北風~君にとどきますように~
9. 彼女の恋人
10. ANSWER
11. 僕の彼女はウェイトレス
12. SPY
13. ズル休み
14. どうしようもない僕に天使が降りてきた
15. 雪に願いを
16. 遠く遠く

---------- キリトリ -----------

甘ったれるんじゃないよ。
彼女が目の前から消えたからといって、泣き言を言うんじゃない。
クリスマスには恋人と過ごすだなんて、誰が決めた。
そんなのバブル期の「トレンディドラマ」の指針に過ぎないんじゃないの?

…などという突っ込みや揶揄は、
いまでも彼にぶつけることがある。

でも、ここまで潔く、
弱い(と言って良いだろう)男の真理を吐露してもらうと、
矢張り彼は天才なんだと思う。
別にファンとかじゃないけどさ。

---------- キリトリ -----------

以前にも彼について書いていた。
槇原敬之 「SPY」
この記事の頃は、正直吐き気がする程幸せで不幸せだったな。

---------- キリトリ -----------

槇原敬之は、
こんな自分のこそばゆい部分を臆面もなく指摘するのだ。
決して思い出したくない暗部。
でも少々甘く切ない恥部。
到底隠しようのない陰部。
実は結構誇らしい、我が身の履歴書。

分かった気がする。

槇原敬之(の歌)に対するこの複雑な感情は、
要するに近親憎悪なのだ。
鏡を見ているのか、とでもいう。

---------- キリトリ -----------

でもやっぱり、
クリスマスの過ごし方なんてホントにどうでもいいと思うんだけどな。
僻(ひが)みとかじゃなくてさ。

その日のために恋人見つけようとかという人間が
いまだにいるのかは知らんが、
そんな老若男女には、
『恋愛至上主義』というタイトルの私の著作を
是非読んでもらいたいと思ふ。
現代に生きる迷える仔羊達のバイブルだ。
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