宇宙が鳴り響く

2012年02月23日 23時37分17秒 | 巻七 ブルックナーが私に語ること
強風。
北斗七星がはっきり見える星空。
セシウムで霞んでなければ良いのだけれどと思う、夜空。

Bruckner;Symphony No.7
クリエーター情報なし
Hanssler



「宇宙が鳴り響くさまを想像してください」とか何とか言ったのは、
確か「千人の交響曲」のときのマーラーだったかと。

でも、マーラー信者にも関わらず「千人」が正直好きではない俺は、
宇宙が鳴り響くさまはブルックナーにあると断言する。

人類が地球の重力の軛を振り切った未来において、
おそらくブルックナーは太陽系で一番愛される音楽になるであろうw

ザンデルリング&シュトゥットガルト放送交響楽団のブルックナー7番(1999)。

外形的にはとてもゆったりした運び。遅い。
でも、小細工くささとかわざとらしさが全くなく、
むしろ「こうだよなあ、7番は」と言いたくなる。

特にも第2楽章!
ひとつひとつ音を置いて行くように。
例のワーグナー追悼部分も何と美しいことか。
最愛のヨッフムSKDに迫らんとするこの響き。
やはりこの曲は、ホルンとワーグナーチューバ次第か。
この部分に限らず、本演奏は管楽器わけても中音域の金管がとてもコク深く鳴っている。

これまた雄大な歩みの第三楽章に続き、
問題のフィナーレ。
なんとここでザンデルリングは、
重厚なうえに極めて室内楽的アプローチを聴かせてくれる。
変にフィナーレフィナーレさせず(「日常」の「コーヒーコーヒーしてない」参照)、
「いやいやだから結局この第四楽章は何を言いたいの?」という未消化感がたまらない。
全てを昇華し解決することを期待されつつ見事に裏をかくこのフィナーレ楽章の魅力を、
こういう聴かせ方できましたか。と。

7番好きだわあ。
宇宙が鳴り響く。
宇宙に鳴り響く。
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