阿部謹也「ハーメルンの笛吹き男」と「物語 ドイツの歴史」

2009年02月22日 00時30分13秒 | 巻十六 読書感想
「ハーメルンの笛吹き男」というモチーフ、
実は20年ほど前から自分のある種ライトモチーフです。
そういや、このブログのカテゴリにも、
「巻十八 ハーメルンの吟遊楽隊」ってあったんだよね。
これはある人からの指摘で、それまでこの一致に気づきませんでした。

ハーメルンの笛吹き男―伝説とその世界 (ちくま文庫)
阿部 謹也
筑摩書房

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俺にとっての「ハーメルン」とは、
とどのつまりこの上田現の楽曲がそのイメージであり実体であり。
1年前に逝去した現ちゃん、
告別式ではこの「ハーメルン」が流れたそうです 。.゜.(ノД`).゜.。

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思い出したように、現ちゃんの「ハーメルン」聴いてます。

で、阿部謹也氏の「ハーメルン」。
この、なんとも後味悪く気味悪くそしてファンタジー的物語。

町を訪れし男。
素っ頓狂な格好の男。
笛吹きならし、ネズミを川に誘えり。
町の人々、報酬を拒絶。
男の吹く笛の音、
数多くの子供たちを導き、    消えた。

ネズミ駆除の話は後付けなれど、
基本的に実話のようです。
ナゾは、最後まで解き明かされることはないでしょう。
笛吹き男とは一体誰で
子どもたちは、どこ、へ 去ったのか。
なぜこのモチーフが、現代まで受け継がれるのか。

高校の世界史では決して習わない、
ヨーロッパ中世期の人々の生きざまが、
教科書的政治史とは全く違う方向から照射されます。

…そして、
阿部謹也氏つながりで、
以前何度か読んだ新書をまた引っ張り出してきました。

物語 ドイツの歴史―ドイツ的とはなにか (中公新書)
阿部 謹也
中央公論社

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「ハーメルン」を読んだ流れで思うことは、
近世史以降あっさりしすぎじゃね?ってことでしょうか。
ナポレオン以降、というか。
そりゃ、新書本に独逸史まとめるのは難儀だわな。
特にも、これは「物語」シリーズ。
俺が勝手に思うに、
著者の主観的たち振る舞いがいくらでも許される空間です。

ドイツ史って、なんとも取っつきにくいよね。
帝国の中に王国だの辺境伯領だのぐちゃぐちゃ存在してるし、
いつまでたっても統一されないし、
まして、フランク王国との関係性がいまだにわからん。俺だけか。
でも、
ゲルマン的なるものとキリスト教的なるもののせめぎ合いというテーマは、
非常に興味がある。

第三帝国ウォッチ者的観点から言っても。

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