楕円と円 By I.SATO

人生も自転車も下りが最高!
気の向くままに日常と趣味の自転車旅を綴ります。

2022農作業ヘルパーの記 -大根育苗の巻-

2022年06月18日 | 農作業ヘルパーの記

5月下旬の田植えが終わるとJAの農作業支援はひと息をつく。

次に人手不足を迎えるのは7月からの馬鈴薯、キャベツ、カボチャなどの野菜の収穫期だ。

田植えと同じく、農家が一斉に作業のピークを迎える。

 

それ迄の間、いつもは1週間程度の道内の自転車旅に出るが、今年は肌寒いすっきりしない日が続き、恨めしく空を仰いでいる。

 

今週の2日間、初めてハウスでの大根の種蒔きと、ある程度育って畑に移植された苗の間引き作業に行ってみた。

 

昨日(6/17)は雲行きが怪しい中、間引き作業が始まった。

機械で移植された苗が株間10Cmくらいで2~3本ずつ10Cmほどに育っている。

丈夫そうなものを1本残して間引きする。

 

それぞれが離れていると簡単に抜けるが、密着しているとちょっとしたコツがいる。

始めて30分も経つと、慣れたおばちゃんに20mくらいの差をつけられる。「ゆっくりで良いから丁寧に」というのがJAからの教えだが、やっぱり焦る。(笑)

中腰がキツくなると片膝、四つん這いになって奮闘。畝毎に早く終わった人が手助けに入ってくれて次の畝に移動する。100mくらいあるだろうか。助け合いは嬉しい。

 

8:00から始めて10時30分頃に強い雨が降り始めてハウスで種蒔きをすることになった。

 

 

パレットに専用の土を敷き詰め、ローラーで窪みをつけ、一粒一粒、大根の種を落とす。

 

土で平らに覆って、

 

 

10日ほどで発芽するという。

 

 

2週間するとこれ位の大きさになる。

間もなく圃場に定植し、もう少し育ってから間引きとなる。

 

まてよ、種はひと粒ずつしか落としていないのに、どうして間引きの時は2~3本だったのだ?

圃場に直まきしていたのか・・・。作型によって作り方が違う?

今度収穫の時にでも機会があったら尋ねてみよう。

 

大根1本1本に大変な手間暇がかかっていることを知る。

 

 


ヒバリ

2022年06月09日 | 農作業ヘルパーの記

 

 

JAから急な農作業支援依頼があり、昨日(6/8)ビート畑の除草をした時のこと、一緒の女性が畝間にウズラのような卵が3個入った巣を見つけた。

上空でヒバリが盛んに鳴いていたので多分ヒバリの卵だろうということになった。

 

巣は長靴の踵くらいの穴に、枯れ葉と苔を使って作られていた。

昨年は田植えの時に畦の草むらに鴨の巣と卵を見つけたことがあったが、ヒバリは初めてだ。

 

田んぼから蛙の鳴き声が消え、畑からモンシロチョウが消え、蜘蛛の巣も減ったように思う。

身近な所に野鳥の巣を見つけて安心した。

 

野鳥の姿、鳴き声が消えることがないように環境を守らなければならないが、朝の自転車散歩コースの立木が切られ、河川改修が進んでいるのが気になる。

 

ビートは雨不足と低温で生育があまり良くない。

前作の馬鈴薯が出ていて、ひたすら除去した。

特に多いところは緊急応援で人数を増やしてほぼ終わった。

 

世の中狭いもので一緒に作業した人が昔の同じ職場、年齢も同じ、同じ住宅街、稚内勤務をしたのも同じ。

財政課出身だったので、予算査定でいじめられた(笑)話しや稚内の街のことなどで盛り上がりながら出かかっている馬鈴薯を抜いていた。

 

2022.6.8

 

 


田植えの真っ最中

2022年05月25日 | 農作業ヘルパーの記

 

 

   

 

庭のライラックが満開だ。

別名、リラ(仏語)。“リラ冷え”と称して肌寒い日が少し続く。

この花が咲くと北海道も初夏の兆しが見えてくる。

 

近所の田んぼでは田植えの真っ最中だ。

機械化されているけれど苗をハウスから運んだり、田植機に乗せたりする仕事は人力だ。

周辺の離農地を吸収してこの辺りでも経営規模が大きくなっている。手伝いに行ったTさんのところは今年で3年目、20Haを作付けしている。

米の消費が減少しているが、前年並みの作付けとのことだ。

 

ウクライナ戦争が生産、流通面で世界的な小麦不足を来たし、食糧危機を招きつつある情勢だ。

バイデン大統領が来日し、岸田首相は明日にも戦時のような節操の無い舞い上がりだ。

自給率37パーセントの国の食糧安保を冷静に考えて欲しい。外交というものに言及して欲しい。

あってはならないが腹が減っては戦は出来ないのである。

どこまでが「野党」だか分からないが、健太クンは一体どうしたっちゃのか。

 

今日(5/25)で手伝いも延べ5日目。

田植え自体は明日で終わりそうである。なまった身体が悲鳴を上げている。笑

 

水を入れて稲わら屑をレーキで掻き上げて綺麗にする。遠くに作業する人  2022.5.16

 

苗をハウスから小型トラックに積み込む    2022.5.23

 

畦で田植機に苗を積み込む。一度に8条を植えられる大型機械    2022.5.23

 

植え方は周辺と中を一筆書き     2022.5.23

 

2022.5.24

 

私の作業支援はあと3日。

Tさんの今年の田植えが終わる。


2022 農作業支援 -野菜苗づくり-  

2022年04月29日 | 農作業ヘルパーの記

 

近所の農家に作業の手伝いに行くようになって4年目になった。農作業が少し分かってきた程度で体力は低下する一方だ。

今シーズンは先週から述べ6日間、野菜の苗を作っている農業法人に出掛けた。

 

ハウスでの仕事は初めてだった。

恵庭岳にまだ雪が残っていて風は冷たいがハウス、倉庫内での作業が主なので寒さは気にならない。

しかし、作業は基本的に「苗」を育てている「土」の運搬。重労働だ。(農作業はみなそうだが・・・)

 

2月にハウス内の苗作りが始まるらしい。

農家、ストア、大手種苗会社向けに時期別、品種別に播種、植え替え、温度管理がきめ細かく設計されていて、作業は入口の苗移植と出口の出荷だ。

 

作っているのはシソ、トマト、キュウリ、ナス、ピーマン、レタス、キャベツ、枝豆、セロリ、スイカ・・・。それぞれにいくつかの品種がある!

 

苗移植は女性のピンセット作業、出荷は男の力仕事。棚又はダンボールに詰められてトラックで近郊や遠くは帯広、旭川にピストン輸送される。

 

ハウスが数十棟林立する広い農園内で、多種多様な作業を社長と助手1名が30~40人の男女を相手に切り盛りする。流石にプロだ。

 

苗というと綺麗、小さい、軽いのイメージしか持っていなかったが、店頭に並ぶまでに実に複雑な手間と時間、労力が投入されていることがよく分かった。

 

「苗を買った人は沢山の収穫を期待し、長く使います。そのつもりで丁寧に扱って下さいね。」

社長の言葉がストンと落ちた。

 

朝の自転車散歩の河川敷にエゾヤマザクラとこぶしが色づいてきた。

畑では間もなく今年の農作業が始まる。苗が立派に育って食卓に届きますように。

 

 

 

2022.4.29  6:30

 

 


北国にも春の兆し

2022年04月22日 | 農作業ヘルパーの記

《2022.4.20》

 

今日(4/21)、道南の松前町にある松前城のソメイシノの開花が発表された。

平年より6日早く、去年より5日遅いという。

仕事で道南の江差町に暮らしていた時に、森町の桜公園とともに時々出掛けたものだった。

札幌の円山公園の開花予想は23~24日頃とか。

北国にもようやく桜が辿り着いた。

 

朝の自転車散歩の河川敷で、ついつい「サクラ折るバカ」をしてしまった。

ヤマザクラだけれど花の色は自然に咲く時と違ってやはり薄くなるものだ。

 

我が家の「ハナミズキ」はどうか・・・。サクラの後の楽しみだが、昨年、思いきって剪定して貰ったので期待はしていないが。

 

桜の便りとともに、今年もJAの農作業支援事業が始まった。

取り敢えず20日-22日の3日間、家庭菜園向きの苗づくりを行っている農業法人に出掛けることにした。

 

専従の人が30~40人近くいる大きな農場で、2019年に一度だけ行ったことがある。

シソやトマトの苗のポット移植をしているが、種類がとても多い。3月にハウス内で播種し、小さな形に育ったものを大きめのポットに移し替える作業だ。

ハウス内のベルトコンベアの傍で立ったり座ったり、土を運んだり、二日目が終わって、筋肉痛の鎧を着ているようだ。笑

年々、体力が落ちてくるのを実感する。自転車旅を続けられるよう、今年もガンバルぞ-っ。

 

ベルトコンベアーと苗ポット(シソ)

《別種類のシソ》

 

《トマトの苗もこんなに小さい》

 

 

これらの苗が連休の頃に店頭に並んで春が本格化する。


2021農作業支援 -畑で思うこと-

2021年09月08日 | 農作業ヘルパーの記

恵庭の農業は都市近郊型で水田、畑作物、野菜を組み合わせた30~50ヘクタールの中規模経営農家が多い。十勝、網走地方の半分程度か。

今は馬鈴薯、南瓜、キャベツ、ブロッコリーの収獲が真っ最中だ。

JAに登録している作業支援人材が不足していて、引っ張りだこ状態だが始めて3年目の慣れない仕事は結構キツくて週2~3日程度のペースに抑えている。

 

農家に行くといろいろな人に出会い身体と心も刺激を受ける。それが楽しみにもなっている。

最近はコロナ禍で休業、出勤調整を余儀なくされている現役の人達が多くなったように感じる。

 

Aさんは60代半ば。馬鈴薯畑で機械収穫からこぼれた小薯(放置しておくと翌年に芽を出す)拾いをしていると携帯からメロディーがしょっちゅう流れてくる。

聞いてみると、個人でコンピューターシステム管理の会社を経営していたが、大手企業に太刀打ち出来ず15年前に廃業。

今はライブハウスを経営しているが緊急事態宣言で店は休業にし、農作業や人材派遣会社の仕事で生活を繋いでいるという。

携帯から流れるメロディーは寝る間も惜しみ細切れの睡眠を取るための目覚ましセットだった。

「仕事があれば昼でも夜でも365日働く」とAさんは言う。

 

Bさんは観光バスの運転手。仕事が殆ど無く、会社は政府からの支援金を受けるために出勤調整をしている。給料は7割程度に減り、夏のボーナスも無かったという。

休みの日は家でぶらぶらしていても気まずく農作業に来たという。「いつ元の状態に戻れるのか・・・」と半ば諦めながらため息をつく。

 

畑でコロナ禍の中での生活実態の一端を他にも見聞きする。

規制の網掛け地域をモノサシを変えながら決めて、人の集まりを防ぐ対策をモグラ叩きの如く延々と続けることに疑問を感じる。

医療、衛生を所管する役所のマンパワーも絶対的に不足し、手が回っていない印象だ。

 

〝ウイズコロナ〟を言うなら、それは対症療法の段階は卒業し、これからは「無症状者を発見」し、「隔離」し、「医療」により社会に戻るという循環システムを持った社会を創り上げることではないか。

今までの対策費も積み上げれば膨大な額になっているはず。各政党に根本対策に財政資金を集中させる考えがあるのかどうか、総選挙の中でよく見たい。

 

 

 


2021農作業支援 -キャベツ収穫は真っ最中-

2021年08月23日 | 農作業ヘルパーの記
2021.8.20
 
 
キャベツ、キャベツ。
 
 
生食用は流通で傷つかないように外葉を残し、
 
 
加工用は工場で直ぐに刻めるように外葉のみならず青綠色の葉も剥ぐ。
 
 
どちらにしても重い!
 
 
今週もやるかぁ。
 
 
 
 
さて、このキャベツはどちらか。
 
正解は加工用。
 
お好み焼きや惣菜の材料になる。
 
 
 
 

久し振りの農作業

2021年08月17日 | 農作業ヘルパーの記

自転車旅に半月出ていて、今週はNさん宅で1ヵ月振りに農作業だ。

一昨年、農作業支援を始めた年に道に迷って電話したことがあった。

途中まで向かえに来てくれたことを話すと「1年前のこともよう覚えておらん」と真っ黒い顔を綻ばせた。

 

昨日は加工用キャベツの収獲と箱詰めだった。今日も続きだ。

自転車とは身体の使い方が違ってあちこち痛い。笑

 

加工用キャベツは惣菜用、お好み焼きなどの業務用とのことだ。今年は一部に葉の先が枯れる病気が出たとのことで、球体の中が筋状に茶色く変色したものがある。

工場では機械で刻まれるので異物混入にならないよう包丁で除去しながらの作業になる。

“消費者”の目が光っている。

 

暫くぶりに会った人もいた。こちらが竜飛崎から日本海沿岸を走っている時に、猛暑の中、馬鈴薯の収穫などをしていたそうで農作業は自然のタイムスケジュールで待ったなしで進む。

 

明日は休み。予報も雨だ。

 

 


2021農作業支援 -加工用大根- 

2021年07月14日 | 農作業ヘルパーの記

JAの農作業支援で加工用大根の収穫に行ってきた。

春大根、夏大根、秋大根に加えてコンビニおでんや刺身のつま用の加工向け大根だ。

 

 

とにかく太くて大きいので重たい。

畑ら抜いて葉を落としてメーカーに直接出荷される。Y農場は茨城県に送っているとのことだった。

 

通常食べるサイズは捨てられるのだから妙なものだ。勿体ないから貰ってきた。

 

 

休憩の時に収穫機械を見ていたら大学の友人のM君が思い出された。

元の職場の研究員をしていた時に試験場を訪ねたことがあった。丁度、「大根収穫機」の開発をしている時で、机の上の農機の模型を手にして、機械を開発する時は、まずは形をイメージするのだと語っていた。

機械メーカーよって製品化されたものと手にしていた模型は良く似ていたように思う。

 

二つのベルトに葉の部分が挟まれて車輌の上部に上がってきて葉の付けが切断され、ベルトコンベアに落ちる。後は人力で金属コンテナに積み込む。

作業機械が方向転換したり、コンテナ交換の時以外は次々にやって来る大根に目が回る。

 

昔は手で抜いていた時代。大根の作付け面積は奥さんの了解がないと出来ないと農家のオヤジさんに聞いたことがあった。

M君らの開発した大根収穫機は大活躍していた。

 

《だいこんの花》


2021農作業支援 -また来春- 

2021年05月27日 | 農作業ヘルパーの記

T農場の田植えが終わって二日間の育苗ハウスの後片付けも終わった。

普段何気なしに見ていた農村地帯のビニールハウス。

屋根を抑えていたゴムロープと骨材とのグリップ材を順次外しながらビニールを手繰ってハウスの横に縦に伸ばすと20m前後の長さになる。

それを4人掛かりで二つ折りにし、四つ折りにし、八つ折りにし、最後に十文字に縛ってフロントローダーで格納庫へ運び込んだ。結構重い。2シーズン使えるという。

側面の立ち上がり部分の帯状の細長いビニールはウェイトとして連結している長い鉄棒とともに取り除く。するとハウスは骨組みだけとなる。

鉄棒はつなぎ目が錆び付いてなかなか抜けなく苦労した。組み立ては逆の順序となり大変なことだ。

 

田植えは主に苗を運ぶだけれど出来たコメに愛着が湧く。昨年から玄米60Kgを分けて貰っている。適宜、コイン精米機で摺って食べていると農作業の大変さ、一緒に働いた人のことを思い出す。

 

T農場はこれから緑肥作物の作付けが始まり、6月~7月は大豆の除草が続き、8月に入ると秋蒔き小麦、9月にコメの収穫期を迎える。

Tさんは田植え以外は家族で農作業をこなすので我々〝支援隊〟は災害の無い出来秋を願いつつ「また来春!」ということで別れたが、この後も何処かの畑で再会したい人達だった。

 

夕方、日が傾き掛けた頃、息子さんは来年に向けて空になったハウスの土をトラクターで耕していた。

 

 

2021.5.19    12 棟のハウスは一面緑

 

2021.5.26 苗は全て搬出され、天井ビニールが取り外されたハウス

 

2021.5.26  また来年  祈豊作